[movie/スカパー]イルマーレ

イルマーレ
松竹
2004-11-25
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原題: 시월애 (時越愛)
監督: イ・ヒョンスン
出演: イ・ジョンジェ, チョン・ジヒョンほか
2001年/韓国/97分/カラー

建築学科の学生であるハン・ソンヒョン(イ・ジョンジェ)は、海に建つ一軒家に引っ越してきた。その家に「イルマーレ」(イタリア語で海)と名付けたソンヒョンは、キム・ウンジュ(チョン・ジヒョン)と名乗る女性からの奇妙な手紙を受け取る。「前に住んでいた者だが、自分宛の手紙が来たら転送して欲しい」という内容だったが、この家が建ったのは1ヶ月前。自分が最初の住人のはずだ。しかも手紙には2年後の日付が・・・。


『リメンバー・ミー』もそうでしたが、こういう「絶対に触れあえない恋愛」というテーマは韓国人大好きなのかなあ。ある意味恋愛描写に対して非常に純粋というか、プラトニックな韓国映画にとって、こういう「逢えないけれども、精神的に繋がってる」という愛情を表すのは得意なのかもしれません。韓国がネット大国なのも、インフラの整備が早かったこと以上に、手紙で心を通じ合わせるという恋愛映画が作られるような文化的土壌が、それを受け入れたということなのかも。

ストーリーそのものは予定調和で、あらすじを見ただけでラストまで想像できてしまうようなものではありましたが、それをふっとばすほどこの映画がよかったと思うのは、「イルマーレ」を中心とする風景描写のため。残念ながらイルマーレそのものはセットだったそうですが、ああいう建物あってもおかしく無さそう。特に薄暮の中に「イルマーレ」のシルエットが浮かび上がるシーンが何度か出てきましたが、本当にすばらしかった。緑や青が眩しい済州島の風景と、何もかもが霧の向こうに見えるようなイルマーレの風景との対比もよかったですし、夜、空一面に星が見えたりしても綺麗じゃないのかなあと想像しても楽しい映像。実際に住むとなったら、海風と湿気にうんざりしそうですけどね。

というわけで、ストーリー2割、映像8割、でも満足度は非常に高い、そんな映画でした。

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