[movie/DVD]めぐりあう時間たち

めぐりあう時間たち DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組)
著者:
発売日:2003/11/28
価格: ¥ 3,990
ISBN: B00008K5NN

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原題: The hours
監督: スティーヴン・ダルドリー
脚本: デイヴィッド・ヘアー
原作: マイケル・カニンガム
出演: ニコール・キッドマン, ジュリアン・ムーア, メリル・ストリープほか
2002年/アメリカ/114分/カラー/

『ダロウェイ夫人』をモチーフに3人の女性が描かれる。1923年、精神を病み、療養のためにリッチモンドに移り住んだ小説家ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)は、田舎暮らしに息の詰まるような閉塞感を抱きながら、正に『ダロウェイ夫人』を書こうとしていた。1951年、ロサンジェルス。優しい夫と可愛い息子に恵まれ、幸せを絵に描いたような家で暮らす主婦のローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)は、しかしその夫のために生きることに疲れ果てていた。2001年ニューヨーク。編集者のクラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)は、同性の恋人と暮らしながら、エイズに冒された友人・リチャード(エド・ハリス)の世話に追われていた。現状を倦みながら、それに縛られる女性たち。その末期は・・・。


時代は異なり、またそれぞれの立場も異なりながら、「女性としての人生」に縛られ、もがき、そして何かをつかみ取るために戦う、というその類似に、同じ女性として悲しさを覚えました。女性にこそ共感される映画じゃないかと思うのですが、私がその象徴かなと思ったのが、クリスとクラリッサが対峙するシーン。クリスが「リチャードと別れて、ヨーロッパを旅したときに解放感を感じた」と話したときの、クラリッサの非常に微妙な表情。多分そこで起こったであろうクラリッサの葛藤と諦観、そしてローラとクラリッサが出会ったときの、ローラの打ち明け話との対比。3つの時間が実際に交わるのは『ダロウェイ夫人』という作品と、この出会いの場面だけなのですが、どうしてどうして、そのほんのわずかな接点が、見事に「女性の人生」を表現していて脱帽です。

私はいろんな意味で「女のくせに」とか「女らしく」という言葉が嫌いですが、嫌いだと思えるだけ、やはりそれに縛られてるんだろうな~とこの作品を見て思ったのでした。

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