全文検索の強み

アマゾンが書籍の全文検索サービス「なか見!検索」を開始 - nikkeibp.jp - 注目のニュース

Amazon.comのSearch Inside!の日本語版が出来たそうです。その名も「なか見!検索」。前に一度所蔵調査をしていたときに、どうしても見つからない論文のとっかかりをSearch Insideで見つけたことがあったので、日本語版も役に立つかも、と期待してます。

ただ、この機能が一般の人にとって使えるものかというと微妙かも。目次だけなら紀伊国屋のBookwebでも提供しているし、東大のブックコンテンツサービスもあります。図書館員的には本当はもっと古い1950年代以前とかのブックコンテンツサービスがあると嬉しいのですけど、そんなのは当然Amazonの守備範囲外なので、入らないでしょうし。

使えるかな~と思うのは、よく公共図書館さんが困っているタイプの質問への対応ですね。詩や小説といった文学系資料の場合、タイトルで中身が推測できない場合も多いし、ある登場人物がいて、その登場人物が他にどの本に(あるいはこの本に)出てるか調べたい場合とか、こんな格言やセリフがあったはずなんだけど(しかもうろ覚え、大いに間違っていることも多々あり)、どの本だか覚えてない、どの本に載ってたんだっけとか、きつねと女の子が出てきて、遠足に行く絵本だったんだけど、タイトルが分からないとか。図書館員なら一度は本の中身を全部検索できるデータベースが欲しい・・・って思ったことあると思いますよ。今米Googleが、Google ScholarGoogle Printで頑張ってますけど、まだあまり使えたことが無いし、いろいろ出版社もうるさいですしね。

どういう場合にこうしたサービスを使っているのか、誰か研究してくれると面白いですね。

アマゾンで書籍購入前に“立ち読み”可能--日本5周年で設備、機能を拡充

上記の記事は、タイトルは「立ち読み」と書かれてしまっていて誤解しやすいですが、中身は結構丁寧なので、どのような機能か読むとわかりやすいのではないかと。読まれるだけ読まれて買わない、というのはAmazonにとってもマイナスで、その論議は米AmazonでSearch Insideを立ち上げたときの記事にも著作権の問題もからめて書かれていたと思います。また結果は全文で検索するだけではなく、その部分を含めたページを画像で表示します。

参考:
米アマゾン、書籍の全頁検索サービス「Search Inside the Book」を開始(2003/10/24 CNET JAPAN)
「本が売れなくなる」:米アマゾンの全頁検索に米作家団体が反発(2003/10/28 CNET JAPAN)
検索結果を印刷できなくなった、米アマゾンの全頁検索 (2003/11/6 CNET JAPAN)
オンライン立ち読みはどこまで許されるか?(2003/11/19 CNET JAPAN)

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