包丁聖人

今部署の中で「包丁聖人」の写真が話題になっています。いや、「包丁聖人」というのは部署の誰かが勝手につけた名前で、本当の名前は全く別です。話題の中心はその形状。頭に包丁(?)が突き刺さっている銅像なのです。しかし「聖人」なので、その顔はあくまで穏やかで、かつ頭から生えている刃物を全く気にせずに神へと目を向けています。はっきり言って異教徒(というかキリスト教ではない人)から見ると、出来の悪いブラックジョークです。

しかし「聖人」であることと、「刃物が頭に刺さっている」という形状には、意味があるらしいとのこと。調べることが仕事の部署ですから、気になると資料を探したくなるわれわれです。

結果、先輩が1冊の本を持ってきてくれました。曰く、包丁聖人の本名は「聖ペテロ」で、

絵画上では一般にドミニコ会の修道服姿で描かれ、頭に小刀がずんとばかりに突き刺さり、顔面におびただしい血が流れている。

中丸明著『絵画で読む聖書』より(新潮社, 1997)


ミラノへの道中にそのようにして暗殺されたということ。しかし、銅像や絵に「聖人」として描くときまで、頭に包丁突き刺したままなの?その敬い方がよくわかりません。本当にわかりません。

キリスト教の不思議を改めて実感したわたしでした。

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