21世紀をめざしていた日本の企業

今日書架を整理していたら、ちょっと面白い本を見つけてしまいました。その名も「日本の会社100年史」の別冊『21世紀をめざす日本の企業』。

図版になっていて、いろんな会社の写真と共に簡単な紹介が掲載されています。新宿の三井ビルの周りには何も無いし(もちろん都庁もないし)、もう大分くたびれてしまった近所の某会社ビルは「○○駅の新しい象徴」とか書かれているし。一方で、プラスチックの会社が作る製品の写真では、正に「ポップ」を絵にしたような色遣いで形もかわいいらしい家具を紹介していて、「これって逆に新しいよねー」「一周して今にしてCoolって感じ」とみんなで話題にしてました。

本の出版年は1975年。ちょうど私が生まれた年です。私が子供の頃は、小学校でも「21世紀を絵にしてみる」みたいな課題とか、「21世紀の夢」の作文とか、そんな課題がありました。タイトルの『21世紀をめざす』という言葉に込められた上昇機運というか、社会の明るさが、実際その21世紀になった今になって見るともの悲しく感じてしまいます。多分あの頃は子供も大人も21世紀という近くて遠い未来に夢を馳せていたんだと思うのです。残念ながら、未来はそんなに甘くなかったってことですか。

なんかもう20年近くも痛めつけられてしまった社会は、あの楽天的な70年代、80年代には戻れないかもしれませんけど、もう少し暗部ばっかりに焦点を当てずに、楽しくやろうって言っても良いと思うんですけどね。マスコミも政治家も。

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