2008年2月18日

魔物 / 大沢在昌著

魔物 (上)

魔物 (上)

著者: 大沢 在昌
出版者: 角川書店
発売日: 2007-11



田舎町の幼なじみである司祭から、リハチェフはある荷物を預かった。その荷物はある「聖人」が描かれたイコンだったが、災いをもたらすとして封印されていたのだ。司祭は日本へ「仕事」に行く途中で、その荷物を海に捨てて欲しいとリハチェフに頼んだ。しかし、リハチェフは仲間のマフィアに殺され、イコンはそのまま日本へと運ばれてしまった。

とりついた人間の憎しみを暴走させるというイコンの魔物の物語。それだけでもかなり笑える設定なのですが、物語は大まじめ。取り憑かれた人間には、銃も刃物も効かないというところがミソで、その超人的な能力を目の当たりにした麻薬捜査官が、イコンと超人的な能力の関連性に気づき、必死になって警察や、狙われている関係者(=ヤクザ)に説明に回るという皮肉な描写が笑えます。よく考えると「バカミス」に分類される物語なのですが、さすが大沢というか、そんな無茶な設定でも、「こんな事件があっても良いんじゃないかなあ」と思わせるところはすごいと言えるのではないでしょうか。なんか図らずも立て続けに「ミステリ仕立てのファンタジー」(こちらはミステリというよりハードボイルドだけれども)を読んだのですが、私としてはこちらのほうが好きですね。やはり好みが分かれるところかと思いますが。

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