流星の絆 / 東野圭吾著

流星の絆

流星の絆

著者: 東野 圭吾
出版者: 講談社
発売日: 2008-03-05



ペルセウス流星群の極大日。洋食屋「アリアケ」の子どもたち3人は、2階の部屋から夜中にこっそり抜けだし、流星を見に行くことにしていた。ところが観察地についたとたん、あいにくの雨。がっかりしながら帰ってきた彼らを待ち受けていたのは、変わり果てた両親の姿。引き取る親戚も無かった3人は施設へと預けられることになった。そして、それから14年が経った。

珍しくひねくれたところのない、東野圭吾のストレートな感動物語。この著者は本当に幅広い領域の物語を書く人だと思うのです。私はよく「気に入った著者の本を立て続けに探して読む」ということをするのですが、当然同じ人が書いているものを続けて読むわけなので、どこかで飽きが来るものです。でも、東野だけはそんなこと無いのでは、と思います。実際、かなり作品数が増えた今でも、東野圭吾の本は真っ先に本屋で買おうと思いますし。

そんなはばひろーい作品群の中でも、この物語は『秘密』に近いストレートさですね。エンターテイメントとしては面白いし、映画化とかしても受けるんじゃないかと思いますけど、ひねくれた物語や、凝ったミステリ、あえて後味の悪さを楽しみたいと思う人にはこの本は向いていないように思います。この前に読んだのが、たまたまオチが暗かった『犬はどこだ』だったので、私にとっては僥倖でした。遅番の昼休みで、大学の食堂でご飯を食べながら本を読んでいたら、戻り損ねそうになりましたよ(笑)。

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