2008年3月20日

[movie]ノーカントリー


原題: No Country for Old Men
監督: ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
原作:コーマック・マッカーシー
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン
2007年/アメリカ映画/カラー/122分


メキシコの国境近くで狩りをしていたモス(ジョシュ・ブローリン)は、何人もの死体と、うち捨てられたトラックに残されたヘロイン、そして大金の入ったスーツケースを見つける。思わず大金を手に取ってしまったモスは、悪人たちが雇った殺し屋アントン・シガー(ハビエル・バルデム)に追いかけられる。一方、翌日に一連の事件を発見した老保安官(トミー・リー・ジョーンズ)は、モスの危機を察し、保護しようとモスを探すが・・・。


サイコキラーに近い殺し屋と、ベトナム帰りのモス、そして老保安官の追いかけっこがストーリーの中心なのですが、ただ、その外を「この国は・・・」という諦念が包むような作品です。逃げても逃げても追ってくるドキドキ感を楽しんでいた私は、ラストを見たとき「私はちょっとこの話を読み間違えてたか?!」と思ったのでした。そう言えば、私はコーエン監督の「ファーゴ」も、世間で絶賛されるほど面白いと思えなかったんだよねーと、後で気づいてしまいました。どことなく理解しにくいのは、そこで生まれ育った人が持つ、暗黙知みたいな共通認識が、日本人の私には欠けているからではないかと感じます。特にアメリカはテキサス州にはどこか特別な印象を持っているようだと常々感じていて(でも私には単に南部の州という認識しかない)、それがどういう感情なのかが少し分からないというところから始まって、国境でのやりとり(「ベトナムには?」の部分)も、多分向こうの人にとっては笑いどころなんだろうということは理解できるのですが、その根底にあるものはやはり理解できていないとか、そういう部分が積み重なって、この作品全体をどう取ったらいいのか分からないという気持ち悪さがあるのかもしれません。

ただ、そんなことは抜きにして、生きるか死ぬかの鬼ごっこ部分を素直に見るなら、スピード感のある面白い映画です。結末にはいろいろと意見があるとは思いますが、『ファーゴ』が好きな方には、あの独特な空白感は健在(殺し屋と店主のやりとりは、女刑事とヤナギタのやりとりを思い出しちゃった。あの不快感がそっくり)ですから、おすすめかもしれません。

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