嘘 / 永瀬脩介著

嘘


著者: 永瀬 隼介
出版者: ポプラ社
発売日: 2008-03-01



良樹は死にゆく同級生を見舞っていた。小学校時代に同じ学校で学んだ彼らは、ある体験をしていた。同じ小学校に通っていたユウが失踪し、それを泰三が見つけたという。良樹を連れて行けばユウは戻ってくると聞いた良樹は、和也と泰三と共に、山の中へとユウを連れ戻しに入っていくのだが・・・

何が「嘘」なのかが謎の中心となるミステリ。複雑な家庭の事情、ユウの失踪、そして山の中の冒険、と個々のエピソード自身も読み応えあり、またそうした過程が描かれることで、一見成長物語のように見えるのですが、実は最後の最後まで気が抜けないストーリーになっています。特に和也の病室で昔語りをするという「単なる」設定が、意外な形で活かされていてよくできてるなあと思ったのでした。ミステリの手法自体は特に目新しくは無いですが、私はこういうのが好きなので、おすすめしちゃいますね。ポプラ社ということでやや児童向けなのかなあと思ったのですが、全くそんなことありませんでした。

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