2009年12月5日

[exhibition]聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝

上野の森美術館でやっているチベット展。面白そうなので手帳に付箋を貼っていたのですが、他の予定もあってなかなか行くことができず、あと会期も1ヶ月。今日はお天気も悪そうだから自転車にも乗れないし、とようやく行ってきました。

チベットというと密教というか仏教の聖地というか、そういうイメージがありましたし、実際展示物も名前はよく知ってる千手観音とかたくさんあるんです。しかし、その形や印象は全く違います。国内にある金メッキされている仏様は、ほとんど黒く色が変わってしまい、またそれが時代の重みや枯れた美しさを表しているように思います。一方のチベットは、湿気ばかりでなく酸素さえ少ないこともあるのか、日本とは異なり天然に美術品を維持する力があるのかもしれません。どれもこれも鮮やかな金色。

そして、仏像の表現の仕方がとてもエキゾチック。踊るような雰囲気だったり、男の仏様と女の仏様が抱き合う姿(このモチーフは結構普通にあるようで、父母立像と言われるらしい)だったり、首飾りが髑髏だったりと、根本は同じなのに何から何まで目新しさが感じられます。色使いも青いトルコ石や赤のルビーが使われていたりするので、余計にそう感じるのかもしれません。日本の仏像の黒い雰囲気に慣れてしまっていると、かなり違和感を感じます。いくつか経典も展示されていましたが、チベット文字も含めて、どちらかというと東アジアよりも中東の影響を強く受けているように感じました。ヒマラヤ山脈に阻まれているとはいえ、ネパールのほうが物理的に近く、インドの僧侶が亡命してきているという歴史的な経緯も関係しているのかもしれません。踊っているような仏様や、その衣装も、アラビア系の雰囲気があります。

曼荼羅も描き方が大分異なり、特に面白いと思ったのは、曼荼羅の上に掛かる形で作られている薄い布を、綺麗に上部にまとめている飾り方。あれってどうやるんだろうと不思議に思いました。ここでも鮮やかな黄色や青がアクセントになっています。僧侶の持つ道具にも、独鈷杵みたいな知っている形のものもあるかと思えば、高僧の頭蓋骨を使ったカパーラという高坏とも飾り物とも言えるような道具(水を聖水に変える力があるらしい)のような、かなり衝撃的なものもあり、密教の奥深さを感じました。

チベットのことなんて何も知らないから面白そうと思って行った展覧会でしたが、思っていた以上に何も知らず、そして思っていた以上に興味深い展示でした。会期も残り少なくなっていますが、おすすめです。

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