2010年3月14日

[movie]ハート・ロッカー

原題: The Hurt Locker
監督: キャスリン・ビグロー
出演: ジェレミー・レナー アンソニー・マッキー ブライアン・ジェラティ レイフ・ファインズ デビッド・モース ガイ・ピアース
2008年/アメリカ/131分/カラー

戦時中のイラク。チーフのトンプソン軍曹を任務中で失ったブラボー中隊の爆弾処理班は、アフガニスタンでも従軍し、数々の爆弾を処理してきたジェームズ軍曹を迎える。任務はあと1ヶ月。連日のように爆弾の処理をし、日々戦闘が起きるイラクで、トンプソンの死は明日の我が身。しかし、新しく来たジェームズ軍曹は、自殺行為とも思えるような行動を繰返す。

この映画の言いたいことは、最初のクリス・ヘッジスの本"War is a Force That Gives Us Meaning"(『戦争の甘い誘惑』として邦訳)からの引用「戦争は麻薬だ」に要約されているんじゃないかと思うのです。たまたまこの映画を見たとき、予告編に『グリーン・ゾーン』があって、それを見ながら「戦場という、映画のようなハラハラドキドキの非日常に長い間身を置くと、先進国の平穏な日常に戻ることができなくなってしまうんじゃないか」という感想を持っていたんですよね。そしたら、それを正に表すようなこの引用です。ああ、やっぱりそう思う人は多いのかなあと思いつつ、本編を見ていました。

その麻薬の中毒になってしまったジェームズ軍曹が主人公。映画では決して彼を否定的に描かないのです。むしろ英雄的にカッコよく描かれます。そういう意味では決して反戦という作品でもなく、淡々と(しかしハラハラドキドキの)爆弾処理班の「日常」がスクリーンに流れて行きます。そしてイラクでの任務が明けて、アメリカでの本物の日常に戻るわけですが・・・。

その対比が描くのは、本当の平和に対応できなくなってしまった軍人。そして、そういう人は、スーパーでシリアルをスマートに選び、子どもと妻を大切にするマイホームパパよりも、描き方によってはやっぱりカッコよかったりするんですよね。それをそのまま映像にすることで、「で、あなたはどう思う?」という形の映画です。

戦争を描いた作品としても、起伏に富んでいて全く飽きさせません。2時間以上の映画でしたが、あっという間の2時間でした。

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