2013年9月11日

[exhibition]興福寺仏頭展



 近隣で開かれる久しぶりの仏像展。興福寺蔵の仏頭をはじめとする仏教美術が集められた展覧会です。残念ながら、それほど流れがあるというわけではなく、地下2階は法相宗の教義伝来に関連する法典・絵画類と、十二神将の板彫刻。3階が東金堂から出てきた仏頭と、東金堂の十二神将像が並ぶ広間になっていました。仏頭自体が面白い運命と共にこうして陽の目を見ているわけで、それを軸にしても良かったんじゃないかなあとも思ったのでした。芸大"美術館"(博物館ではない)で開催した弱みかな。一方で仏頭がある展示室の奥ので連続上映されていた仏頭をデジタル技術で復元するビデオが面白く、芸大で開催した意義もあったとは思います。

 でも1300年の歴史を持つ興福寺だけに、出品された仏像はとても素晴らしいです。十二神将像は、どの寺にあるものも動きがあって美しいと思うのですが、興福寺東金堂の十二神将像は、その動きが「面白い」といえるものもあって、特に婆娑羅大将、波夷羅大将あたり、お気に入りです。(参考: 興福寺木造十二神将像)

  一番最後に深大寺の銅造釈迦如来倚像が陳列されていたのですが、この仏像の説明が非常に面白い。深大寺自体よりも明らかに年代が古く、かつ縁起などにも出てこないので、伝来が不明なのだとか。しかも昭和18年に盗まれて行方が分からなくなっている新薬師寺の香薬師に、表現が非常に似ているとも言われているそうで、こうした同時期の仏像を並べて掘り下げても良かったのになーとも思ったり。(参考:釈迦如来倚像)

 興福寺はたびたび火災に見舞われ、伽藍はほとんど残っていませんが、現在中金堂を再建しているのだとか。平成30年落慶予定。この展覧会は資金集めのひとつなのかな(笑)。夏休みも終わり、お天気もいまいちな平日だったからか、上野公園自体も閑散としていましたが、仏頭展も空いていました。じっくり仏像と対面できるのでお好きな方は是非どうぞ。

参考: 興福寺仏頭展

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