[自転車]自転車と鉄子の旅 (4) 鷹狩山と北アルプス展望

(3)から続く

2日目の案もいろいろあったのですが、今回は「宿泊して今まで行ったところの無いルートを」がコンセプトだったので、以前から行こうと思いつつも行けていなかった鷹狩山に登り、大町市をぐるっと巡るルートを考えていました。

長野から自走するのではなく、まずは明科駅まで輪行です。本当は6:31発の篠ノ井線普通列車で行く予定だったのですが、輪行袋を担いでいく必要があったので少し早めに出たら6:09の特急しなの2号に乗れてしまいました。想定よりも1時間早い出発となりましたが、この日は午後から雲が多くなってきたので、これは後で考えると正解だったかも。

というわけで、明科駅で自転車を組立てます。


駅前の通りを池田町の方へ降りていきました。特急の車窓からも綺麗に見えていた北アルプスの山々、犀川を渡るところで前方にどんと見えてきました。今日は景色も期待できそうです。


県道51号を暫く行くと、田んぼに水がはられている場所もちらほら出てきました。田に雪をかぶった山が映ってとても綺麗です。農繁期に入ろうとするこの時期は、GWだろうが、祝日だろうが農家には関係ありません。どの田んぼでも代掻き真っ最中でした。


51号が直線過ぎて、しかも微妙な上り坂で精神的に少しつらくなってきた頃、県道274号へ右折です。この道路、いきなり8%近い登りが続くのですが、その分一気に景色が良くなります。


成就院への分岐地点に、立派な木がありました。青葉になった桜かなと思ったのですが、後で見るとちょっと違うような気も。


反対側の山も若葉が眩しいです。


途中から大峰高原へ登る林道?に入っていきます。ルートを引いていたときは、本当にこのルートはロードバイクでも大丈夫なのか心配でした。しかし実際に走ってみると厳しいのはアップダウンだけで、舗装は綺麗だし、何より景色が良くて最高のルートです。

カミツレ研究所前の広場にはまだ花の残る桜が。


そして大峰高原の七色カエデ、何度も秋に来ようと思っていて来れていないのですが、今度は秋に来てみたいです。


たんぽぽがじゅうたんになっているところも


大峰高原内の桜はもう葉桜でした。どれが桜なのかもうわからない状態。ただ、どこからともなく花びらだけが散ってきていて、道路が白くなっていました。大峰高原にある日本デジタル研究所研修センターの立派な建物を過ぎると、眺望ポイントが突然現れます。


そこからしばらくは下り基調。県道55号をまたいで、再び林道?に入ります。この林道に入る入口がすごかった。55号を少しだけ下って見えてくる分岐先の上り坂は、昔ドリフのコントで出てきた坂上の家みたいな感じ(分かる人だけわかってください)。ブレーキを全くかけずに下り、そのままの勢いで上りきろうとしましたが、無理でした(笑)。林道から「←鷹狩山展望台」のところで左折。ここから今日一番の厳しい登り約2キロ。何とか登り切ると、鷹狩山山頂に到着します。


ここはすごいです。とにかく登りが辛かったので、目の前にこの光景が現れたら、「登ってきてよかった!」という思いしかありません。


改めて見ると、平地からいきなり2000〜3000m級の山が生えている北アルプスってすごい。

途中の分岐を行きとは違う方向へ曲がり、県道497号に合流。そのまま美麻方向へ北上します。深行方向へ左折し、中山高原へ。以前、陸郷の桜を見た時に中山高原を通ったことはあるのですが、4月中旬だったために菜の花は咲いていませんでした。今回はその菜の花が目当て。


こちらは菜種油のための菜の花。これだけ咲いていると、「菜の花の匂い」がしますね。

前回来た時にお昼を食べた農家カフェは、11時openと書かれていましたが、訪れる人が多いためかできるメニューから出しているようです。「ご飯も食べられますか?」と聞いたところ、日替わりなら大丈夫とのことだったので、まだ10時半でしたがお昼にすることに。下の写真にサラダと食後のコーヒー(ちゃんと淹れてくれるので美味しい)がつきます。ここのご飯結構好き。


待っている間、置いてあったフリーペーパーを見ていたところ、松本のお店の情報しかないことに気づきました。この辺りは長野に出るには山を越えるしかありません。一方で松本は国道で一本です。電車の場合は松本までは大糸線で一本、長野へはそこから篠ノ井線に乗り換える必要があります。つまり大町市や安曇野、池田町辺りは「松本勢力域」なのだなと思ったのでした。

さて、補給も済んだことだしと、県道33号へ出て美麻から白馬へ向かいました。県道33号は白馬から長野方向へは何度も通っているのですが、今回は初めて逆方向から走ります。いつもは美麻トンネルを迂回する旧道を通りますが、こちらからだとかなり厳しい登りになる上に、広い県道を横切って右折しなければならないので、美麻トンネルを通過することにしました。しかし約1kmのトンネルはやはり怖かった。道路が広いために自動車は速度が出ているし、路肩はほぼゼロ、左端に何故かコンクリートブロック片が落ちてたりと気が抜けません。トンネルを抜けたときは生還した、という気分でした。

白馬に出ると、まず目についたのが傾いた大きな屋根。県道33号は昨年11月の地震で被害の大きかった堀之内地区、三日市場地区を通ります。この辺りの冬場は雪でどうしようもないのでしょう。まだ家屋自体も復旧が進んでいないようでした。道路は通行可能ですが、地震の影響で段差ができていたり、路肩に隙間が開いていたりする場所もあり、工事もあちらこちらで行われています。早く元通りになることを祈ります。

交通量の多い国道には出ずに青木湖へ向かいます。青木湖の一本桜を見ようと思っていたのです。4月30日頃の情報では満開となっていたのですが、ここ2日の夏日の影響であっという間に散ってしまった模様。完全に葉桜でした。対岸に少し花の残る桜がありましたが見頃過ぎ。今年はとにかく桜の足が速いです。


中綱湖にも行きましたが、ほぼ葉桜になってました。ちょこっと残ってるのがあるかな、という程度。これはまた別の機会に。


木崎湖は通ったことのない対岸道路を走ってみました。すぐ上の小熊山から飛ぶパラグライダーがたくさんいました。


対岸道路は細いものの、車の通行も少なく舗装も綺麗で走りやすいです。交通量が多く通行しにくい国道の抜け道として使えそうです。


今日はこのまま帰るので、最後に大町温泉郷へ。薬師の湯という日帰り温泉施設があるので、そこに寄りました。場所柄登山客が多いのか、ザック置き場がありましたよ。次は是非ロードバイク用ラックをお願いします。


薬師の湯は旧館と新館に分かれていて、どちらも自由に入れます。旧館のほうに行くと大きく「体験入浴」と書かれていたので、一体何の体験なのかとビクビクしながら入りましたが、いろいろな泉質の温泉を体験できるという意味だったようです。懐かしい感じのタイル貼りの広い浴室で、これはこれで趣があります。

新館はよくある日帰り温泉。元々薬師の湯の源泉は単純温泉だそうなので、こちらが源泉に近い感じでしょうか。早い時間帯だったのに、案外混雑していました。

黒部ダム↑という案内看板に後ろ髪ひかれつつも、信濃大町駅方向へ。最後に農具川沿いに市民の方世話をしているという芝桜の公園を見てきました。


芝桜というと、秩父の羊山公園が有名です。あれを思い浮かべるとまだこれからではありますが、こちらは背景が北アルプス。武甲山とは違います。広がっていけば、新しい名所になるのではと期待させます。

信濃大町駅から輪行で長野駅に戻り、そこから新幹線です。信濃大町からは、昨日ナイトビュー姨捨として乗ったリゾートビューふるさとに乗車。最後尾を取ったつもりだったのに、なんと松本まではそこが先頭でした。展望室に一番近い場所なので、展望室の空いてる場所に自転車を置かせてもらいました。

松本からは座席を回して逆方向に。車内販売が来たので、昨日メニューで見て気になっていた「桔梗信玄餅アイス」(290円)を注文。すぐに持ってきてくれました。


ハーゲンダッツの華もちきなこを想像していたのですが、もうちょっと粉っぽい感じ。味は確かに信玄餅でした。

リゾートビューふるさとは、C,D側がアルプスの展望が綺麗です。ただし、姨捨の景色はA,B側です。参考まで。

最後は長野発19時のかがやきに乗車。全席指定のかがやきは、それほど混雑していませんでした。反対側のはくたか自由席を待つ列はそこそこ長かったのですけれど。軽井沢も高崎も通過するかがやきは、約1時間20分で東京駅に到着。八重洲口を出てびっくりしたのは、高速バスを待つ人の列の長さでした。

本日のルート
このルートは最初の40kmで獲得標高の8割を登ります。斜度厳しいのでお気をつけて。



(追記) 私は東京駅まで行きたいのと、荷物に自転車があったために長野駅まで戻りましたが、信濃大町から東京までの乗車券を買おうとすると、通常は松本駅乗り換え、中央線経由になります。中央線に乗りたい方は、リゾートビューじゃなくても、信濃大町から新宿行きの列車が15時頃に出ていますので時刻表で確認してください。18:30頃新宿に到着します。

コメント

sum さんの投稿…
お疲れ様でした!
いゃー、いずれもいい景色ですねー
アルプス展望道路(県道12号線)よりも、こちらの方がいいルートですね。
とても参考になりました。メモメモ (^^)v
hiroe さんの投稿…
ありがとうございます! お天気よかったので、本当に気持ちよいルートでした。私も県道12号行ってみたいんですよね。あと小熊山も。長野はいろいろ走るところがあって楽しいです。