2015年を振り返って

1年の感覚は歳を取るにつれて速くなるものと言われます。確かに「ああもう12月か、2015年終わるのか、あっという間だった」と思うのですが、このエントリを書こうと思って1年間撮った写真などを見ながら振り返ってみると、案外「あれって今年のことか!あれからまだ1年経ってないのか」と思うんですよね。今年は異動後1年過ぎた今の部署にもすっかり慣れて、何故か図書館とは思えない(つまり就職以来全く縁のなかったような)イベントをこなしているだけに、「あれもこれも今年だったか」と思う1年でした。蔵書量も多く、ある意味資料漬けだった以前の職場と比べて、新しい分野を学ぶ現在のキャンパスは、むしろ大学図書館とはどうあるべきかを考えさせられます。今年はツタヤ図書館がいい意味でも悪い意味でも全国的に話題になり、図書館のあり方が問われた年でもありました。図書館の持つ基本機能が近い将来に要らなくなるとは思っていませんが、図書館に求められている機能が変わっているのは日々感じているところです。

映画は67本。本年の映画は2つの大きなテーマがあったと思います。1つは第2次世界対戦終結から70年だったこと。それを記念したような戦争を振り返る映画が沢山ありました。日本からは『日本のいちばん長い日』、ドイツは『顔のないヒトラーたち』『ふたつの名前を持つ少年』など、またナチスの美術品鹵獲ものとして『ミケランジェロ・プロジェクト』『黄金のアデーレ』がありました。私は『黄金のアデーレ』がお気に入り。早世したおばの肖像を取り戻そうとするマリア・アルトマンを演じたヘレン・ミレンが素晴らしかった。もうひとつのテーマは冷戦時代に逆戻りしたかのようなスパイ映画。ミッション・インポッシブル、007の2大シリーズものに加え、ナポレオン・ソロのリメイク、そしてキングスマン。キングスマンを除くと、必ずヒロインがキャスティングされてますが、そのヒロインは昔に比べると非常に強くなってると思ったのでした。女性に焦点をあてる作品は最近多くなってると思います。女性が主役の作品の中では『アクトレス 女たちの舞台』がよかった。若い女性と老年期を迎えようとする女性の間に挟まれるクリステン・スチュワートの危うさが最高でした。また同じ女性を主人公とした作品に『繕い裁つ人』がありましたが、ファッションの話なのにチーズケーキの印象が強い作品で、今年は何故かチーズケーキが食べたいと思うことが多かったのは、この映画の呪いだったのだと今更思い至りました。

さて、写真で振り返る1年。

1月 このところ毎年恒例の行事になりつつある初場所観戦は、初めての天覧相撲でした。お相撲も面白かったけど、天皇皇后両陛下が来たことでいつもと違う雰囲気の国技館を楽しめました。私が応援している松鳳山は、この時はまだかろうじて幕内だったのですが、その後十両陥落。中々這い上がれない時期が続きましたが、9月場所で十両優勝、再入幕場所となったご当地九州場所で優勝争いに加わり敢闘賞受賞など大活躍。来年の飛躍に期待してます。


2月 最近下町が元気です。高齢化で空き家(特に空き倉庫や町工場)が多くなって開発余地が大きいこともあるのでしょう。東京の西側と比べて地価が安いのも幸いしているのかもしれません。昨年のブルーボトルだけでなく、次々と新しいカフェやお店ができていて、特に清澄白河辺りは一気に観光地化しました。中でもポタリングにちょうど良い距離にある千住のSLOW JET COFFEEはお気に入りです。



3月 3月14日、公私ともに重要な時刻表改正がありました。1つが上野東京ラインの開通です。東海道線を通勤に使う私にとって、これは大きな変化でした。終着駅だった東京は単なる通過駅に。朝の下りは少し遅くなると10両編成が続いたり、混んだりするので、少し早めに行くようになりました。2つめが北陸新幹線の開業です。輪行族の私にとって、北陸地方へ簡単に行くことができるようになったのは大きな変化でした。来年は金沢にも行きたいです。



4月 7年に一度(数えなので、実質は6年に一度)の善光寺御開帳。志賀草津道路の雪の壁ライドと合わせて行ってきました。次回の御開帳は2021年。東京オリンピックの翌年です。どんな年になっているでしょうね。


5月 火山活動が日本全国で活発化していると言われていますが、見た目には大事にはならなかったとはいえ、心理的にも物理的にも近い箱根山の火山活動は驚きでした。結局6月末から7月にかけて箱根山は小規模な噴火を起こしました。



6月 初めて自転車で新潟へ。輪行とはいえ、10年前の自分に「お前は10年後自転車で日本海を見に行く」と言っても信じてもらえないと思います。今年は北陸新幹線開業のおかげで、新潟県に何度か行きました。



7月 やはり美しが原は美しかったのです。初めて美ヶ原高原牧場内を散策しました。自転車は押し歩きで抜けられます。



8月 合宿で2000m超の峠三昧。今年は10月に大弛峠も制覇したので、2000m超の車道峠はコマクサ峠を残すのみとなりました。



9月 海外では開かれていた春画展は、日本では開催されていませんでした。春画を生み出して世界に輸出してる国が自主規制っていうのもオカシナ話ですが、法に触れる可能性があると言われてしまうと冒険はできなかったのでしょう。しかし今年、細川元首相のおかげで初めて日本でも春画展が開かれました。18禁展覧会と厳しい規制での開催となりましたが、いつか国立博物館で普通に開催されるといいですね。



10月 10月はよく登りました。乗鞍に始まり、大弛、蔵王、河口湖周りとやたらと峠を越えました。お天気が良い週末が続いたのも幸いしましたし、寒暖差が大きく山の紅葉は非常に綺麗でした。特に「これぞ見頃」だったのは蔵王でした。この頃は「今年は紅葉が早いねえ」なんて言っていたのに、11月に入ってからは全く気温が下がらなくなり、平地の紅葉は「色づかない」「色がいまいち」「遅い」と全く逆の傾向に。自然現象は人の思うようにはいかないようです。



11月 本業がやや忙しかった上に雨の週末が続いたり、法事があったりであまり乗れませんでしたが、主に荒川を走っていました。彩湖で開催されたバイクロア、5回めにして初めて見学(知人の応援)に行ったのですが、手作り感あふれるイベントで楽しかったです。



12月 東京都心の紅葉は、このところ12月半ば頃まで見られます。11月は「今年は遅くて色付き悪い」説が出ていた紅葉ですが、都心の紅葉は見事だったと思います。特に日比谷公園の紅葉が本当に綺麗で感動しました。


今年の自転車は 5043km。距離は一応の目標である年5000kmをやや超える程度で、2013年を超えることはできませんでしたが、去年の反省をふまえて意識的に登りました。昨年を10,000m、一昨年を3500m上回る累積獲得標高51,294m。来年も綺麗な景色を見て、美味しいものを食べるために、あちこちに行きたいです。

今年1年ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。皆様良いお年をお迎えください。

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