統計のウソ

平均値のワナ - nikkeibp.jp - 数字にダマされるな!

統計って、本当にその解釈によって、同じ数字なのに全く違うように読めます。1,2,3という数字自体には解釈の余地は無いのに、それに「平均○円」とか、「4人に1人が」とかいう言葉にするといきなり印象が加わるのです。これから総選挙も行われますが、ここでも出てきますよね。自民○人、民主○人、という当選者数は「事実」ですけど、それを自民の勝ちとみるか、民主の勝ちと見るかは、あくまで「解釈」で、その数字が非常に恣意的に使われたりします。初婚年齢とかもそうですよね。あんな平均なんて、実は最も少ない値である可能性も否定はできないのです。自分で統計を使ったことのある方なら心当たりがあるかと思うんですけど、大抵結論(仮説ともいう)があって、それを補強するために数字を探し(あるいはなんらかの統計学的方法で調査し)ますよね。勢い、どうしても自分の得たい結論から来る偏見から逃れられない。それに、数字になってしまうとその質問の仕方や、計算手法によるブレが見えにくくなります(もちろんそのためにアンケート方法や調査手法は必ず最後に添付するものですけど)。報道でも「こんな質問したら、こっちって答えるに決まってるじゃん」っていう世論調査をよく見かけますし。

先日、調査のために読んだ100年も前のブックレビューに、批評対象論文中の統計の誤りと解釈の間違いを指摘しているものがありました。統計っていうのは、それを使って自分が自分の責任で何かをする(投資とか、ギャンブルとか、意志決定とか)ならともかく、その統計の結果ために、ある理論に普遍性があるかのように論じたり、なんらかの意志や状態が一般的であるかのように報道したりするのは、発信者も読者もよほど慎重にならないと、非常に危険な思想誘導になりかねないことを、常に頭に置く必要があるのでしょうね。

このコラムのこれからの連載が楽しみです。

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