2010年4月25日

[exhibition]大遣唐使展

遷都1300年記念の一環として行われている遣唐使展。私はこれだけ大きな展示会なら、巡回して東京でもやるだろうなんて思ってたら、奈良国立博物館だけなんですね。というわけで、国立博物館パスポートを東京以外で使うべく、奈良まで行ってきましたよ。

遣唐使というと、小野妹子が派遣されて以来、鑑真が来日したり、阿倍仲麻呂が帰ってこられなかったりというその程度の知識しかなかったのですが、なかなかドラマが多くて面白いことを知りました。

どちらかというと前半部分が目玉で、唐と密接につながって、様々な文物が輸入されただけでなく、輸入された文化が日本で昇華されて、薬師寺聖観音菩薩像をはじめとする素晴らしい仏像や美術品を生み出したことを、多くの国宝や重要文化財の展示で解説されています。このころはまだ仮名文字が使われていないので、1000年以上経った今でも、私でも読める文字で書かれていることも感動です。

しかし、その1000年の重みをこれでもか、というほど見せられた後でも、なかなか面白いのが後半。遣唐使として派遣された人物たちに焦点をあてて解説されているのですが、1000年前も人間は人間で、生命を賭けるギャンブル的な要素も強かった遣唐使、大使として任命された人が嫌がって結局行かなかったとか、唐にわたったら、皇帝と仲良くなって還俗し、向こうで家庭も持ってしまった僧とか、唐にわたった後でもエリートとしてメキメキと頭角を現しながら、最後は毒殺されるという非業の死を遂げた人物や、将来を嘱望されながら、若い内に急死してしまい、皇帝が哀悼の意を表したことが墓誌に刻まれているとか、いろんな人がいたんだなあということがよくわかります。日本に戻ってきて歴史に名を残す最澄や空海がいる反面、戻ろうとしても戻れなかった、あるいは日本に戻る前に船が難破してしまい、活躍の機会なく亡くなった人物たちを思うと、人間生きてこそだなあとも思います。

というわけで、十分楽しめました。中国はもちろん、米国にある貴重資料もいくつも出てるので、お近くの方は是非。

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