2010年4月21日

[movie]アイガー北壁

原題: Nordwand
監督: フィリップ・シュテルツル
出演: ベンノ・フユルマン/ヨハンナ・ヴォカレク/フロリアン・ルーカス/ジーモン・シュヴァルツ/ゲオルク・フリードリヒ/ウルリッヒ・トゥクール/エルヴィン・シュタインハウアー/ペトラ・モルツェ/ハンスペーター・ミュラー=ドロッサート/ブランコ・ザマロフスキー
2009年/ドイツ/127分/カラー

ベルリンオリンピック開催直前、ナチス政権下のドイツでは「殺人の壁」とも呼ばれたアイガー北壁の初登頂の期待が高まっていた。初登頂の栄誉を求め、世界各地から登山者が集まってくる。ベルリンの新聞社でも特ダネを手に入れようと躍起になっていた。新人の新聞記者ルイーゼは、幼馴染で、新進気鋭の登山家として頭角を現し始めたトニーとアンディの名前があがって有頂天。彼らに挑戦させようと地元に戻るが。

史実に基づくこの物語の結末を、私は知っていたのですが、それでも最後までドキドキしてしまいました。過酷な環境の中で、何人もが命を落としている壁を、ただ登るためだけに命を賭ける登山家と、それをおもしろ半分に見物する客たちとの好対照もさることながら、報道の薄っぺらさとか、人間の本質とか、いろんなものが詰め込まれている作品です。ルイーゼの上司の「登る前、登った後を取材することはできるが、その間の肝心の部分を自分たちは観ることができない。想像するだけだ」という言葉は、成功者をヒーローとして持ち上げながらも、その成功の前にある多くの失敗を無視し、しかも、その本当の恐怖や苦労は想像でしかないということをよく表していると思います。そして、最後は映画を観ている我々も、結局安全圏からその恐怖を想像するだけという、少し居心地の悪さを感じさせるところまでもお見事。私の中では、今のところ今年の(早くも!)ベスト映画です。おすすめ。

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