1974年時の電力規制

最近よく「電気事業法27条による電力規制は、オイルショック時以来」の話が出てくるのですが、そのときはどうだったのかなあと思ってちょっと調べてみました。

当時(1974年1月12日)の読売新聞「石油・電力2次規制対策の要旨」によると、「500キロワット以上の大口契約者の電力を制限する」とあります。ただし、上下水道、病院、廃棄物処理施設、社会福祉施設、鉄道は除外。制限率は第1種5%、第2種10%,、第3種15%。用途として、広告灯、電飾、ネオンサイン、ショーウィンドー用照明設備、屋外投稿器のうち装飾用、広告用のものが制限されています。

ちなみにこのことについて公示されている1月11日の官報では、第1種〜3種を以下のように規定しています。

1 第一種需要設備とは、主として、図書館、美術館、 博物館、文化財収蔵庫、試験研究機関若しくは検査機関(国公立のもの又は所轄通商産業局長等の指定するものに限る。)、航空機整備補給施設、港湾運送、ト ラツクターミナル、索道、冷蔵施設、倉庫(食料品又は飼料を保管するものに限る。)、卸売市場、医薬品製造、医療用具製造、肉製品製造、乳製品製造、食鳥 処理加工、水産食料品製造、ジユース原液(りんご、かんきつ類又はトマトを原料とするものに限る。)製造、食用塩製造、みそ製造、しよう油・食用アミノ酸 製造、化学調味料製造、ソース製造、食酢製造、砂糖製造、精米、精麦、小麦粉製造、でん粉製造、めん類製造、パン類製造、イースト製造、冷凍調理食品製 造、製氷、植物油脂製造、食用油脂加工、配合飼料製造、魚粉・魚かす製造、化学肥料製造、農薬製造、紙製造又は合成洗剤製造の用に供する需要設備をいう。
2 第二種需要設備とは、主として、テレビジヨン放送、日刊新聞、手形交換所、証券取引所、商品取引所、高速自動車国道、自動車専用道路、酒類製造又はたばこ製造の用に供する需要設備をいう。
3 第三種需要設備とは、第一種需要設備及び第二種需要設備以外の需要設備をいう。

この規制により、国電は暖房をストップ、NHKも放送を短縮したとか。第1種にはいってるものは要するに日用品・食料品製造業ってことですよね。それと図書館、美術館、博物館が同列に扱われていることに、若干の驚きと、当時の政治家の見識を感じます。また、この40年の変化によってあえて入れるなら、通信設備は除外対象になるかなという気がします。

ただ、このころの電気需要は今と比べ物にならないほど小さいし、昭和40年代頃までは冬の電力需要が夏場を上回っていた(つまり冷房が一般的ではなかったのではと推測)んですよね。しかも今回はピーク時の電力を抑えようとするもので、1日中節電してればいいってもんでもないというか。1974年の際も、当初は20%規制と言われていたのが、最終的に15%に落ち着いたみたいで、だとすると今回25%の節電を強制する(しかも規制したいピークは昼間)のは結構大変じゃないかと思われます。今年の夏がそれほど暑い夏、少なくとも去年のような狂った猛暑でないことを祈るばかりです。

今年の夏の合言葉は、日本にもシエスタ制度を、かな。

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