2016年4月26日

[exhibition]生誕300年記念 若冲展

*注:この情報は、展覧会が始まった直後の平日に行った時のものです。会期後半になるにつれて異常なくらい並ぶようになっているそうなので、混雑関係はあまり参考にならないと思います。念のため。
*追記(5/19):オンラインやコンビニなどの外部でのチケット販売は本日で終了だそうです。明日からは都美術館でしかチケットを買えません。ちなみに上野公園周りのチケット販売所では既に入場券は完売しているようです。

若冲を初めて知ったのは、2008年の国立博物館で行われた雑誌『国華』刊行120年記念展の時でした。確か若冲は蕭白と並べられていて、いずれ劣らぬ極彩色絵に強い衝撃を受けたのでした。ただ、その時は蕭白のほうが印象が強かったのです。翌年、皇室の名宝展がやはり東博で開催されました。日本一(いや世界一?)長く続く名家の宝の中でも特に目玉として展示されたのが、若冲の「動植綵絵」30幅でした。この前に東京で同時に全てが展示されたのは80年以上前だったとか。国華展で名前を覚えていた私は、皇室展で改めて若冲良いなと思いました。色使い、構図どれもすごいなと思ったのです。しかし、この時の展覧会は激混みでした。そんなに近くでじっくりとは見られませんでした。

若冲の生誕300年となる今年、この「動植綵絵」30幅、そして元は一緒だった「釈迦三尊像」の3幅が合わせて東京で展示される事になりました。動植綵絵と釈迦三尊像の合わせて33幅が東京で纏めて展示されるのは初めてだそう。ただ、展示期間が短い!たった1ヶ月です。混雑必至。GW中や土日は無理だろうと、午後に都内の他大学で会議のある日に前半休を取り、平日に行ってきました。チケットは前売りを購入してました。

9:00前に上野に着いたらすでにかなりの列。門の前から伸びた列が一度折り返してます。100人位いそうです。列は待っている間にもどんどん伸びて、5分もしないうちにもう一度折り返してました。門は9時過ぎに開き、一度中庭で待たされます。開館時間まであと15分の9:15、あまりに列が伸びたためか中に入れてもらえました。すぐ直前で一度切られましたが、3分程度の待ちで入れてもらえました。

地下1階の展示室は「動植綵絵」の前の時代の作品。動植綵絵は1階にあり、最後は2階まで行って下りてくる感じです。2階の展示まで見てから、地下1階へ戻ることができるようになっており、動植綵絵を見たい人は混むので先にどうぞと案内しています。逆に地下1階は人が少なくてじっくり見られました。

地下1階は主に鹿苑寺の襖絵。墨絵ですが、鶴の構図などに若冲らしさがあります。そしてこの階の見所は、83年間行方不明になっていたという「孔雀鳳凰図」。また同時期に描かれた「旭日鳳凰図」も素晴らしいです。「旭日鳳凰図」に描かれる鳳凰は、動植綵絵の中でも傑作と言われる「老松白鳳図」と構図がそっくり。こうして、若冲だけで作品を集めてみると、同じような構図、モチーフが使われているものも多く、これとこれは似てるんじゃないかなと思いながら見るのも面白いです。例えば、「月に叭々鳥図」の構図は、「芦雁図」に似てるなとか、「伏見人形図」は地下1階にもありますが、プライスコレクション(2階に展示)にもあって、好きなモチーフだったんだなとか。そんな風にじっくり見ていると、動物や昆虫たちがとてもかわいらしい表情やしぐさをしていることもわかります。地下1階の「虻に双鶏図」はかなり笑える構図だと思うのですが、そう予備知識を入れて1階にある動植綵絵を見ると、あちこちにカワイイ!と思える表情やしぐさを見つけられました。そしてこれだけあって普通に人物を描いたものが一つもないというのも、若冲らしさと言えるかもしれません。

さて、メインの1階は、楕円形の部屋に件の33幅がぐるっとかけられた若冲ワールド。皇室展の時よりも人が少なく、近くでじっくり見られました(そういう意味でも朝一はおすすめ、ただ少ないとは言っても混雑はしてます)。前回見た時も思いましたが、赤と黒のコントラストが素晴らしい、特に黒が綺麗だなと思いました。前述のとおり改めて近くで見ると、カワイイ!が沢山あるのです。例えば池辺郡虫図の毛虫とか、諸魚図の親だこに子たこが巻きついてるところとか。2階にある菜蟲譜にもディフォルメされた可愛いカエルがいるのですが、鶏の羽を本物を貼り付けたのではないかと思えるくらいリアルに描く一方で、この可愛らしさ、漫画っぽさはどこから出てくるのか...油断のならない絵師です。

2階は2008年に発見された「象と鯨図屏風」も必見ですが、主な展示はプライスコレクションから。この中に「鳥獣花木図屏風」があります。ぱっと見た感じ、タイルで作られた絵かと思いました。ところが素材は絹本。マス目で絵を描いたものなのです。若冲作と言われるマス目画は3つ発見されているそうです。個人蔵の「白象群像図」、静岡県立美術館蔵の「樹花鳥獣図屏風」(5/15まで所蔵館で展示中)、そしてこの「鳥獣花木図屏風」。しかしその真贋は諸説ある模様。まだまだ謎が多いらしい若冲、こうして公開されることで新しい発見があると面白いですね。

外に出ると60分待ちの札が出ており、チケット売り場も、そして入館も長い行列ができていました。上野駅に戻る途中、公園事務所の窓口が長蛇の列になっていました。さらに上野駅構内にある周辺美術館・博物館のチケット売り場も行列。チケットを先に入手しようという人たちのようです。上野に着いてからチケットを入手するのはやめたほうが良いと思います。コンビニの端末でチケットを購入できますから、その方法で買ってから行ったほうが良いでしょう。ちなみに上野駅公園口から美術館までにコンビニはありませんから、念のため。

混雑はしていますが、若冲の代表作である「33幅」が揃うのは、もう二度とないかもしれない貴重な機会だと思います。若冲好きの方は是非。

1 件のコメント:

Takasan さんのコメント...

若冲の世界感すてきです。2013福島での震災復興特別展で初めて鑑賞しました。今日明日のBSでも解説するみたいですね。

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