2008年1月7日

どんな法改正?

国会図書館の本、全国で閲覧可能に・3000万冊をデジタル化(日経ネット)

「3000万冊を超える国会図書館の蔵書をデジタル化して全国で閲覧可能にするための法改正に政府が着手する。」と上記記事に書かれていたのですが、どういう法改正なのかとても気になります。明日の新聞にはもう少し詳しく載るのかなあ。

今更言うまでもなく、既に国会図書館は蔵書のデジタル化に着手していて、「日本語」というくくりで言うなら世界一のeブック配信機関です(近代デジタルライブラリーでは現在約14万3000冊が公開されている)。つまり、蔵書をデジタル化してネット配信することは現行法制上でも出来ないわけではありません。問題は、著作権者が個人の場合、その人が50年前に死んでるかどうかを調べるのが面倒なこと、まだ権利が消滅していない場合に著作権保持者を捜すことがさらに面倒なこと、そしてかなりの努力と費用をかけて万が一著作権者が見つけられたとしても、その人の許可を得られるかどうかは別の話だということ、最後に著作権者が権利料を要求した場合の費用+実際にデジタル化するための費用、それを公開しつづけるためのメンテナンス費用が工面できるかということです。著作者が明らかに50年前に亡くなっている(青空文庫で公開されているのがそれにあたる)とか、非常に有名な著者で、現在の著作権者がとてもハッキリしていて、しかもその人が「どうぞどうぞ公開してください」と言ってくれたりするととても楽なんですけどね。しかし、本文を書いた主たる著作者が50年前に亡くなっていたとしても、一冊の本の中には解説者とか、あとがきを書いた人とか、挿絵画家とか、様々な著作者がいて、青空文庫のようにテキストだけを公開するのではなく、出版物をそのままデジタル化しようとするとさらに面倒だったりします。

もし、法改正によって”図書館が”デジタル化するためなら、この手続きをかなり簡素化出来、問題が実際のデジタル化のためにかかる諸費用だけ(それだけでもかなり高額だったりするのですが)になるのであれば、それは国会図書館だけではなく、膨大な蔵書を有する日本の大学図書館にとっても僥倖です。古書店でさえ手に入らないし、図書館も数館しか持っていないのに、著者の死後50年が経っていない、あるいは著者の没年が特定できないという理由だけで、特に昭和初期の本なんかはデジタル化どころか複写もなかなか難しいという現状を、法律一本でどうにかできるものならば、大学図書館にとっても研究者にとっても大変ありがたいことに違いありません。

まああまり期待してないです。すくなくとも国会図書館に所蔵されてる3000万冊のうち、一部(ほんの一部だけか?)は今も絶版にはなってないでしょうし、権利者が黙ってないものもあるでしょう。それよりも、権利関係が複雑すぎて保存もままなってない視聴覚資料(特にテレビのように放送したその場限りで失われる映像資料)のほうをもう少し考えたほうが良いのでは?と思ったりもするのですが。

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