2009年8月11日

[exhibition]トリノ・エジプト展

エジプトの夏なのか、東京都美術館でもエジプト展を開催中。こちらはトリノのエジプト博物館の収蔵品が展示されています。このエジプト博物館の収蔵品は、古いものは17世紀に遡りつつも、その核は19世紀にドロヴェッティが収集し、国王が買い取ったものと、後の館長であるスキアパレリが自ら発掘した品なのだそうです。カイロのエジプト博物館、そして大英博物館とも匹敵するくらいの貴重なエジプトコレクションがあるとか。

この展示の目玉は、そのトリノ・エジプト博物館の展示手法を真似て、鏡と印象的な照明の部屋に彫像を並べた第2章の部分。アメン神と肩を組むツタンカーメン王の像もなかなか面白いですが、ライオン頭のセクメト女神座像やイビの石製人型棺の蓋など、石とは思えない美しさで、しかも保存状態も良く、記憶に残りました。頭しか残っていない牡羊なんかは、全体は一体どのくらいあるんだろうというくらい大きく、これが参道にずらーっと並んでいたらさぞかし壮観だっただろうとも思いました。

第3章に展示されていたホルス神に母乳を与えるイシス神の像は、同じようなのが「海のエジプト展」にもありました。時代を超えてこのテーマは愛されたのでしょうね。

第4章からは彼らの死に対する考え方について学べるゾーン。別にエジプトだけじゃなくて、死というのはケであり、おおっぴらに知らしめるものでもないので、その土地土地の考え方や信仰が長く、そして強く残る部分だということは前々から思っていて、だからこそ自分の常識から外れている面白さ(と言っては語弊があるか)があると思うのです。エジプトのミイラがやたらと人を呼ぶのは、怖いモノ見たさという以上に、そういう死に対する考え方の違いが、エキゾチックで魅力的であるということなのかなと思います。

展示品は主に棺なのですが、いくつか火災に遭ってひどい状態のものがありました。本当は別の女性のために作られた棺を、別の男性が再利用したとかいうのは、古代のエジプト人って信心深い人たちだと思ってたけど、そういうのはOKなんだと笑えました。ミイラも2体あって、1体は子どものもの。2000年も先の未来に極東の地まで旅して、さらにこんなガラスケースに入れられて外に出されるのは、彼らの信じた復活する来世なのかどうか。一方で2000年もの間、遺体を形を保ったまま保存できる彼らの技術もすごいなあとも思えます。いずれにせよ、私は「永遠の命」という望みがどうしても理解できないんですけど。

「海のエジプト展」と比べてしまうと派手さはないですが、展示手法を含めて中々面白い展示品が多かったと思います。こちらもおすすめ。トリノ・エジプト展のほうが時代が古いものなので、こちらを先に見て、海のエジプト展を見ると、技術の向上とか、古代エジプトの滅亡までの流れが分かって面白いかも?

0 件のコメント:

コメントを投稿