自転車と鉄子の旅(3) ナイトビュー姨捨

(2)から続く

この日の最後の観光は、ナイトビュー姨捨に乗ること。根室本線狩勝峠(1966年廃止、根室本線は現在新線を走っている)、肥薩線矢岳越えと共に日本三大車窓に数えられる篠ノ井線姨捨駅。そこまで往復する列車が「リゾートビューふるさと」の車両を使って出ています。往復とも乗ってもいいし、行きまたは帰りだけを買うことも可能。ただし姨捨駅は無人駅で切符は売っていませんのでご注意を。


18:30頃、大糸線から松本を経由して帰ってきたリゾートビューふるさとが車内整備されて、行き先表示だけナイトビュー姨捨となって運行されます。




ご自分で座席を取る方へのアドバイスとしては、A,B側が夜景が綺麗に見える側だということです。ただ、そちら側は旅行会社がおさえているのか、1ヶ月前に取ろうと思った時は既に埋まっていました。

姨捨まで約40分。日が落ちて車窓から見える善光寺平の明かりが綺麗です。東京に住んでると夜景は見慣れた風景ではありますが、こうやって山間から街の明かりが見えるのはまた別の美しさがありますね。

姨捨駅到着。三大車窓とか言われなければ、ただの無人駅です。この駅舎、折り鶴の形を模しているそうなのです。そして軒下にある窓枠が亀の形。鶴亀というありがたいモチーフになっているのだとか。



そんな話は、姨捨駅での夜景解説ボランティアの方から聞きました。三大車窓とよく言われますが、姨捨以外は夜になるとただ真っ暗になるだけだが、姨捨は夜景も綺麗なのが自慢だとのこと。下の写真は駅のホームから。



駅舎内ではお味噌汁や甘酒を無料配布してくれています。別に我々が貸し切ってるわけではないのですが、1日の乗降客数が100人を切っている無人駅、こんな時間に本来の駅利用客などいません。お味噌汁をいただいたところ、味噌の甘みがちょうど良くて、人参やじゃがいもの味噌汁に合いそうです。これはもしや・・・と思って駅舎内を見回すと、ありました。出張販売。味噌蔵たかむら のお味噌だそうで、「今日の味噌汁に使っている味噌」も案の定売ってました。なんと一袋62%引きで500円。もちろん買ってきました。

棚田のほうに行くにはどうしたらよいか聞くと、「この時間は真っ暗だから危ない、すぐそこの踏切を渡った辺りから見えるんだけど・・・」と言われて、とりあえず行ってみます。確かに真っ暗でした(笑)。真っ暗な下からカエルの大合唱が聞こえました。しかし、夜景はやっぱり綺麗です。中央の黒い帯は、千曲川。


ちょうどこの日は月齢にして13日、もう少しで満月という日でした。水を入れた後の棚田に映る月(田毎の月)も、姨捨の見どころの一つですが、まだこの日は田んぼに水をいれるには早かったようでした。でも月自体はとっても綺麗。ただ、もうちょっと明るい時間帯に来ないと、田んぼまで行くのは厳しいかも。行きたい方は強力な懐中電灯を用意したほうが良いです。中秋の名月の時期には、観月会も開かれるそうです。



帰りのナイトビュー姨捨は、車内を暗くしてくれます。消灯した途端、車内に一瞬どよめきが起きるほど、善光寺平の夜景は綺麗でした。往復乗る必要はあまりないのですが、篠ノ井線は元々本数少ないですし、長野駅へ戻るならば往復で乗るのがベストです。

(4)に続く

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