2021年を振り返って

 コロナに振り回され続けて早くも1年半が経ちました。ただ、大学は徐々に通常の感覚を取り戻しつつ(取り戻そうと努力しつつ)あります。あとは国境がもっと自由に行き来できるようになることかなあ。

 今の家を購入してもう12年になるのですが、そろそろ大物のメンテが必要になってきてます。今年は1月頭に上の階からの漏水が起きて、マンションの保険でLDKの壁紙を総入れ替えしてもらうというハプニングがありました。あとは給湯器。エコキュートは大体10年が寿命らしいのですが、マンション全戸に新築時に同時に同じ会社の製品を入れてるものですから、交換を募集する案内があって、それに乗ることに。既に2度ほど小さい修理をお願いしたこともあり、給湯器が壊れると悲惨なので(前回修理時は1日風呂に入れず大江戸温泉にお世話になりました、そのお台場の大江戸温泉も今年閉館になってしまいましたが)、室外機も含めて交換しました。でも給湯器は部品調達が滞ってて超品薄だとかで、2月に申し込んだのに、実際に交換・取付けが行われたのは7月でした。

◆写真4枚で今年1年を振り返る

・久しぶりの飛行機

めっちゃ天気の良いフライトで、富士山がきれいに見えた

 ワクチンも2回接種して、それなりに感染も落ち着いてきたところで、沖縄へ行くことに。毎年初回搭乗にマイルがつくので、それももらわないともったいないと思って。前から私は沖縄には縁がなくて、実は本島には一度も行ったことがありません。3度チャレンジして3度ともいけなかったので、行けないものだと思ってます。だからあえて離島の小浜島へ。中途半端な時期だったこともありますが、全体的に空いてた上に天気もよくて快適な滞在でした。

・TOKYO2020

近所に置かれた聖火台

 いろいろと問題があったオリンピック・パラリンピック、本当に開催されました。開催も危ぶまれたし、開催しても祝祭感には程遠い(よその国で開催されてるときと同じような)オリンピックだったけど、家の上をブルーインパルスが飛んだり、日本中の県警パトカーが見られたり、もちろん聖火がともったりして、まあそれなりにオリンピックではあったかもしれません。フルスペックで開催されたらどうなってただろう、とは思うけど。
もう来月は北京冬季五輪だし、来年はサッカーのワールドカップも開催されるし、あのかつての五輪・W杯感はもう戻ってこないのでしょうかね。


・読書が戻ってきた感じの1年でした

 昨年に引き続き引きこもりっぽい生活が続いたので、Netflixで『アウトランダー』を見始めたら止まらなくなり、最新のシーズン5まで見終わったら続きが気になっちゃって。このドラマは原作に比較的忠実だと聞いたのでAmazonで原作本探したらなんと翻訳版はほとんど品切れ。近所の公共図書館にも端本しかない。ちょっとジャンルが特殊で(歴史もの?ロマンス小説?それともSF?)日本では売れなかったのかなーと。一方で今って洋書(Kindle版)が安いんですね。頻繁に割引セールをしてて。4巻バンドルで1000円もしなかったので(ちなみに現在も売られてる早川書房が再刊した翻訳版文庫本は1巻3冊セットで2596円)、まとめ買いして8巻まで一気読み。ちょうど11月に9巻"Go Tell the Bees That I Am Gone"が出たのでそれも読み、今度は原作の10巻(完結編だとか)が出るのが待ちきれなくなっています。
 私の中では独立戦争の前期、サラトガの戦い/英国軍のフィラデルフィア占領あたりまでを描いた7巻"An Echo in the Bone"が最もお気に入り[ここまではヴィレッジブックスで翻訳本が刊行されている模様/いずれも品切れ(実質絶版?)ですが]。その前の内容のネタバレになるので詳しくは書けないけれど、3つの視点で同時並行に動いていた話が、タイコンデロガ砦の戦いから徐々に交わりはじめ、フィラデルフィアを舞台に一気に撚り合わさってくところが最高でした。そして独立戦争に妙に詳しくなりました。
 原作は、結構動物キャラがいい味出してるんですよね。ラバとか、馬とか、猫とか、豚とか、あとペリカン(のピンアン)!。さすがにそれを実写ドラマでやるのは難しいので(犬のロロくらいかな、まともに出てくるの)割愛されちゃってるのが残念。ジェイミーの独占欲強烈なヤキモチ焼きくんなところも原作のほうが強いかも。また、原作では宗派の違いによる摩擦が通奏低音のように流れているのだけれど、それについてもドラマではやや表層的かなという気がする。
 来春公開予定のドラマ版シーズン6は、トマス・クリスティ一家が新キャラクターとして紹介されているので、6巻が中心になるのだとは思うのですが、シーズン5でも6巻が先取りされていたり、ドラマ版はあまり歴史よりではないこともあるので、7巻も先取りされるのかな。青年になったウィリアムが出てくるかどうかが気になる。個人的に映像で見たいのは、原作では8巻"Written in My Own Hearts Blood"に出てくるジェイミーがモンマスの戦いの終了間際に将軍職を劇的に辞めるところ(タイトルの元でもある)。このシーンはその後もジェイミー・フレイザーの逸話として(よくもわるくも)何度も語られるもの。ドラマが続くことを祈ります。なお、年末年始の読書は(もちろん翻訳版の)『カラマーゾフの兄弟』です。ドストエフスキーは今年生誕200年で、書店とかでフェア組まれてましたよね。手に入りやすくてよかったです。

・iPad mini買い替え

 iPad miniは以前もこの振り返りで書いたことがありますが、本当に重宝してます。新しいのが出たので、再び買い換えました。全体の大きさは変わらずに、画面が大きくなってとても良いです。手帳であり、メモ帳であり、ノートであり、本であり、どこに行くにもiPad miniを持ち歩いてます。
 多分一番使ってるのはKindle、日経電子版、と言った読み物系ですが、仕事中によく使うのはPenultimate。Evernoteの付属的なアプリで、Evernoteと連携して手書きメモを作成します。写真も使えてパッと取ってここをどうするとかメモするときも重宝しています。短期のメモは新iPad OSでデビューしたクイックメモが超便利。いずれも手書きってところがみそで、なんだかんだ手で自由に書けるって便利なんですよね。そして紙に書くのと遜色ないくらいの文字がペンシルなら書くことができます。配布資料があるときなどはGoodNotes5もよく使ってます。配布資料がようやっとGoogleドライブやBOXなどで配布されるようになってますますiPadのみでどうにかできるようになりました。

◆ドラマ・映画
 ネット配信って、絶対日本では放送されないニッチな作品が沢山あるのが良いと思うのですが、ラブコメなのに登場人物の価値観や日常会話が私の常識から考えるとややずれてて本筋よりも気になっちゃうイスラエルのドラマ、『パン職人と美女』(Amazon)は、タイトルの垢ぬけなさからしてなかなか笑えました。あと、とんがった母親と、母を慕いつつも、反面教師としてとらえる娘のドタバタを描いた『ジニー&ジョージア』(Netflix)は、懐かしの『ギルモア・ガールズ』を現代的にした感じで続きが気になってます。年末はたまってたシカゴシリーズ(ファイア7, メッド3、いずれもhulu)のキャッチアップと、『エミリーパリへ行く シーズン2』(Netflix)。そして週1更新の『The Expanse ファイナル・シーズン』(Amazon)見てます。

映画では、『皮膚を売った男』衝撃的でした。見せ方がうまくて、とても考えさせられる映画でした。全く違う方向だけれど、やはり格差がテーマとなっている『少年の君』も好き。最近は規制の厳しい映画館用の映画よりもNetflix映画にとんがった作品が多くなってますが、年末に映画館でも公開されたNetflix映画『Don't Look Up』はすごくNetflixっぽかった。外敵・災害に対して、人類が一致団結して対抗しようという話、20年くらい前はすごく多かったと思うし、その価値観をある程度広く共有できていたと思うのだけれど、インターネットが世界を繋げ、浄化された映像だけではなく生の情報がやりとりされるようになり、人間の多様性が認識されるようになったら徐々にその「価値観の共有」自体が幻だったことにみんなが気づいてきているという気がしています。多分コロナによってリアルな分断が可視化されるようになり、それに拍車をかけたんじゃないかな、とも思うのです。例えば『Into the night』(Netflix)は、人類というくくりに対する一致団結の難しさをすごくよく表しているドラマでした。『Don't Look Up』はそういう意味では今年を総括する映画だったなと。
インターネットはその回線が太くなるとともに、様々なコンテンツの発信方法を新しいものに変えてると思うのだけれど、容量の小さい順にテキスト、画像、音楽が取り込まれてきて、ここにきていよいよ映像が呑み込まれつつあるなと思った1年でした。

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