火山の島、ハワイ島で自然と遊ぶ

ようやっと海外旅行に制限がなくなり、今年の夏は海外にしようと思っていたのですが、異常な円安と世界的な物価高、完全に回復していない航空路線のおかげで、どこも高いんですよね。非常に迷った挙げ句、やっぱり3年前、2020年5月に予約してたハワイ島に再チャレンジすることにしました。全部自分で手配するか、ハワイだから日本の旅行会社を使うか、比較した結果、結論的にはJALの海外ダイナミックパッケージが安いということに気づき、それにすることに。ホノルル経由にすることも考えたのですが、こちらも成田から往復直行のほうが安いというおかしな状況もあって、直行便のスケジュールの関係で、5泊7日というやや長めの日程で行くことにしました。

ハワイ島には4つの活火山があります。昨年12月にも噴火をしているマウナ・ロアは高さも4169mと高いのですが、体積世界一の山。カイルアコナとヒロを結ぶハイウエイ沿いまで溶岩が来たそうですが、ゆっくり流れるので主に被害は建造物と農地で、人命の脅威になるようなことはあまりないそう。前回の噴火ではここの近辺まで溶岩が来たので、それを見に来る人たちがたくさんいたとか。


そしてハワイ諸島で最も高い山であるマウナ・ケア。4205mの山頂には日本もすばる望遠鏡を置いています。


写真はハイウェイにあるトイレ休憩所なのですが、ここでも標高2000mを超えるくらいあるので、ちょうど富士山の五合目から富士山頂を眺めるのと同じ感じですね。

フアラライは「恥ずかしがり屋」という意味だそうで、いつも雲を被っています。朝はちょっと見えることも。標高2521m。200年に1度ほど噴火していますが、最後に噴火したのが1801年。そろそろ次が?と言われているそうです。


世界的に有名なコナコーヒーは、このフアラライの中腹、標高1000mくらいの一部地域でできたものだけが名乗れるのだとか。初日にここを通りながら1軒コーヒー農園に寄ってもらったのですが、生豆の色選別に使われてるのが、サタケの光選別機でした。あとで調べたら、近年のコーヒーブームでサタケの光選別機、世界中で使われてるらしいですね。大きな袋の右が選別前、左が選別後。均一の緑の生豆になっているのがわかると思います。こちらのマウンテンサンダーコーヒーでは、ピーベリーのコナコーヒーも売ってて、ミディアムローストのを1つ買ってきました。帰ってきて飲んだんですが、甘みがあって美味しかったです。


そして最後がキラウエアです。ここも近年も頻繁に噴火している活動的な火山で、最近もマグマが溢れ出たそうですが、このところちょっと鎮静化しているようで、火口は最後に溢れたマグマで埋まってこんな感じに。ところどころ硫黄ガスが出てるところが黄色くなっています。


絶海の孤島に突然4000m級の山がそびえる地形、どっかで聞いたことあるなと思いました。そうです、屋久島です。案の定、同じことを言われました。「この島では、北極・南極気候と、砂漠気候以外のすべての気候が見られる」

屋久島は1ヶ月に35日雨が降ると言われる雨の多い島ですが、ハワイ島も山の西側(ざっくり日本側)の平地はドライエリアで雨が少ないのだそう。確かに多くのリゾートがこちら側に作られています。一方で東側(ざっくりアメリカ大陸側)のヒロはまさに1ヶ月に35日雨が降る感じの降水量なのだそうです。ヒロ側に行った日は、特に車で移動中、突然豪雨に見舞われるということが度々ありました。屋久島も同じく東側は雨が少なく、西側が雨が多いと言ってた記憶があります。面白いです。晴れと雨が頻繁に交差するだけに、ハワイのシンボル的存在でもある虹が溶岩台地で見られました。


ただ、大きく違うのが屋久島は火山島ではないということです。ハワイ島は溶岩でできた島で、その溶岩の特性であちこちにラバチューブと呼ばれる空洞が存在します。冷えて固まった溶岩は堀りづらく、一方で地下に無数に走るその空洞のせいで全体的な強度は低く、建物を建てるのは一苦労なのだとか(実際に地面ごと崩落するという事もあるとか)。

なので、白い砂浜が広がるイメージのハワイですが、どちらかというと厳しい地形が多いなという印象でした。遠浅のサンゴ礁が広がるというより、ドロップオフが浜の近くまで来てます。同じ火山島でも爆発的な噴火をするサントリーニ島とは違って、真っ黒くなった溶岩が海で冷えてそのまま浜になっているという感じ。5日目にサンゴ礁でシュノーケルもしたのですが、ちょっと泳ぐと、底の見えないドロップオフで、面白かったです。


世界中の天文台が集まるマウナケアは、五合目くらいの場所からも星がよく見えます。連れてってもらった日は、度々雨が降っていたのですが、あと3マイルというところまで雲の中だったのに、観測する広場についたら満天の星。人工衛星も見えましたし、この時期に見られる黄道十二宮の星座、全てが見られましたし、天の川もばっちりでした。レーザーで星を指して説明してくれるところがまるで天然プラネタリウム。天体望遠鏡も出してくれて、土星の輪を鑑賞したりしました。iPhoneで撮れるのはこれが限界(逆にiPhoneでもこれだけ撮れる)。これは本当に百聞は一見にしかずです。ぜひ見に行ってみてください。撮影には星撮りカメラくんという無料アプリを使ってます。


そしてすごかったのがマンタの群れ。今回、宿はケアウホウというちょっと街から離れた場所にしたのですが、その理由がマンタ見たかったから。宿にもManta View Deckがあるのですが(そこから初日の夜はたしかにマンタが見えましたが、その後は一度も見えず)、すぐとなりの港から船を出すツアーに乗れば、マンタを間近で見られます。なんで夜かというと、明かりにつられて来るプランクトンを食べに来るからなんですよね。毎晩たくさんの船が出ます。このマンタを見るだけに世界中から人が来るそうです。正直「本当に見られるのかな、見られても数匹でしょ」と思っていた私、失礼しました。いやもううようよ、って感じでした。触っちゃだめと言われてましたが、マンタのほうからぶつかってくるんですよ。マンタにしてみたら人間なんて一飲みにできる大きさなので、全く怖がってないんですよね。単に見えてないだけかもしれないですけど。マンタがこうして回転する理由はよくわかってないらしい?のですが、実際に間近でみたときに思ったのは、人間をおちょくってる、もしくは楽しませてるだけなんじゃないかということです。ちなみに映像の途中でカメラが海の外に出てるのは、死角からマンタが現れて驚いたためです(笑) アップロードした映像にはフリーの音源を上からかぶせてますけど、オリジナルの音声だと私の悲鳴が大量に入ってます。口を開けてこちらに来るときは若干怖さがありますが、マンタは人間を襲ったりはしないそうです。真っ暗な中、深い海で泳ぐのってどうなのか、ちょっと不安ではありましたが、実際にやってみるとその点での怖さは全く感じません。1時間弱海にいましたが、あっという間でした。


午前中にボートを出してもらって、イルカも見に行きました。実は初日にカイルアコナの街を歩いていたら、港で遊んでいるのが見えたのですが、ボートで走っていると引波を使って遊ぶんです。面白いです。


ハワイ島はハワイの在来種も結構残っていますが、外から流入してきたものもたくさんいます。ハリケーンで動物園から逃げたインコがいついてしまった、みたいな事例、日本人が持ってきたメジロも生息しています。宿ではいろんな鳥を見ましたが、在来種としては多分アマキヒと呼ばれる一種。すばしこくて、これが限界でした。


驚いたのは、宿の外を散歩してたときに見た七面鳥(これは移入種)。真ん中の木の下あたりから顔だしてます。七面鳥って野良でいるものなんですね...



実は泊まった宿は2020年の4月にシェラトンからアウトリガーが居抜きで買い取ったのですが、パンデミックでもろもろ改修が遅れていたのでしょう。今リノベーション最中のところもあって、もう少ししてから行ったほうがよいかもしれません。ツアーとかも日本人目当てのものは全面的に戻ってないので、日本語じゃないと不安という人は特に。宿全体としては無料のアクティビティもいろいろあって、とてもよかったです。大きな街からは遠いのですが、ケアウホウショッピングセンターまで歩いても20分くらいなので、散歩がてらそちらまで行って朝ごはんを買ったり、お昼を食べたりしてました。

逆にハワイというと日本人ばかりという印象はゼロでした。コナ空港はInternational Airportですが、現在「国際」線は日本便しかありません。その日本便の乗客、とにかく若い人がいなかった。全体的に年齢層が高い、もしくはある程度歳のいった子供連れの家族がほとんどで、やはりレートの悪さと金額が高いことが影響しているように思いました。

オアフ島に行ったときは、なんとなくハワイの街を楽しむ、という感じでしたが、今回は全面的に自然を楽しむプランにしていたので、海に行ったり山にいったり、それでも5泊もしたから、結構宿のプールでぼけーっとする時間もあったりして、ちょっと違うハワイを楽しめました。自然を楽しむなら、絶対にハワイ島だと思います。

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