[旅行]遮るもののない地平線③ キングスキャニオン (ワタルカ国立公園)

 


1. シドニー空港での入国、国内線乗り継ぎ
2. ウルル=カタジュタ国立公園 
3. キングスキャニオン(ワタルカ国立公園)(←イマココ)
4. オージービーフ!とその他の肉 

古い海洋地層が隆起してできた大地が、長年にわたる風化によって素晴らしい渓谷美を見せるキングスキャニオン。1950年代にこの地域で旅行ガイドを提供していた家族が、友人から教えてもらい、その後観光地化したという渓谷で、ウルル周辺からは車で約3時間かかります。

渓谷の崖上の縁を歩くリムウォークは約6km、3時間。ただ、普段歩き慣れている人間であれば、最初の縁までの階段は少し大変ですが、以降は縁を歩くだけなのでそれほどでもないかも。一番の鬼門は暑さで、10月から4月の時期は特に危険だそう。何度も熱中症で動けなくなった人を運んでいるとか。なので2-3リットルの水を持つように警告されます(とはいえ、海外のあるあるで、別に水を持っているかをチェックされるわけではありません。自己責任です)

ガイドに連れられて行った我々のリムウォークは、北側の尾根筋を登り、東の方向に抜けて、一旦谷に降りて"Garden of Eden"と呼ばれる谷底のオアシスを経て再び南側の縁に上がり、駐車場まで戻って来るというもの。南側の縁の途中に扉があり、暑い時期はその扉が一定時間で閉められ先に行けなくなるそうです。全体として南側の縁のほうが救助がしやすいこと、またGarden of Edenが相当底のほうにあり、一度そこで動けなくなると人力で担ぎ上げるしかなく、救助が困難であることが理由なのだとか。

リムウォークの入口。尾根筋を登る。

まずは登るとこの景色。

南側のリムは景色が面白い


キングスキャニオンは、古い海底地層の目が詰まったカーマイケル砂岩の上に多孔質のメリーニー砂岩が乗ってできている。その間に泥岩層があるのだそう。

一旦谷底へ

谷底にかけられた橋

エデンの園と名付けられたオアシス。メリーにー層をすり抜けた水が密度の濃いカーマイケル層を抜けられず、その上の泥岩層で止められてそれが染み出してできている池。そのため、ここだけ立派な森ができている。右上に見える白い幹はリバーレッドガムの木。リバーレッドガムは砂漠のオアシスに生えるそうで、これがあると水があると言えるのだとか。自衛機構として一部の枝への水の供給を自ら止め、枝を枯らせて落とすという習性があるのだそう

キングスキャニオンには、ユニークな動物がたくさんいるそうで、このトカゲ(中央、保護色で岩と一体になっているのでわかりにくいですが)もそのひとつ。他にあまりに邂逅が一瞬で写真に取れなかった黄色い鳩(Spinifex Pigeon)、ヘビもみました。

行きは朝早く、真っ暗で何も見えなかったのですが、帰りは途中にコナー山が見えます。現地の言葉ではアティラと言うらしいのですが、このあたりはカーティス・スプリングスという広大な牧場の一部で、現在も私有地のため、観光地化もされず、先住民に返却されることもなく、現在もコナー山と呼ばれているという話でした。


カーティス・スプリングスの南には巨大な塩湖が広がります。とはいえ、湖というより泥で、簡単には渡れないそうです。この塩湖に足を取られて冒険を断念せざるを得なかったというエピソードも。


カーティス・スプリングスのキャンプ場にもトイレ休憩で寄りました。こういう光景、日本では見られないですよね...


日帰りではありましたが、移動距離だけで往復600km。東京-名古屋の距離です。スケールの大きさを感じました。

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