佐藤雅彦研究室展

ギンザ・グラフィック・ギャラリーに『佐藤雅彦研究室展』を見に行ってきました。「ポリンキー」や「バザールでござーる」などのCM、ゲーム「I.Q.」で有名な佐藤雅彦氏は、現在慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで教鞭を執っています。NHKの『ピタゴラススイッチ』などを制作する研究室で、どんなことをやっているかという、ちょっと異色の展覧会です。

1階は研究室の「考え方を考える」という方針を、どのような形で課題とし、そしてどのような回答を出しているかをパネル展示。ぱっと見はわかりづらいのですが、ひとつひとつ見ていくと、これが案外面白い。特に、複雑な形状を800字で文章にして、その文章を元に他の人がその形を再現するという課題は非常に面白い(私もやってみたい)と思いました。逆にスリット付きのビデオカメラで時間のずれたアートを作るという課題は「この切り取って並べる作業が嫌」と言ったら、相方に「あんたには絶対出来ない」と太鼓判押されました。

最初の佐藤先生からのコメントに、「制約があるからこそ面白い」といったことが書かれていましたが、確かにそうかもしれないです。写真撮ってると思うのですが、目の前にあるものは同じなのです。それをある一定の大きさの紙(平面)に、どのような角度から切り取れば面白いものができるか、といろいろ苦心するのが面白いんです。それは目を通して解釈できない(例えば勝手に色や形や配置を変えることができない)という意味で、絵画よりも厳格な制限が存在します。いろんな写真を見ていると、同じ物を撮ってるのにここまで違うかーと愕然としますが、そこには「機械で写し取る」という制限があるからこそなのかも。

地下はもう少し学習・研究よりプロジェクトに近い物が展示されていました。Macで動いているソフトウェアが単純なのに面白い。4つあるのですが、波を表現したJavaに夫婦二人ではまってました。携帯のカメラとアニメーション機能で簡単にアニメーションが作れるという展示も人気。緑の箱に手足のついたやつ(名前もついていたけど忘れちゃった)が走って、鉄棒して、こけて、ハードルを超えて・・・という動きを見せているもので、携帯カメラを持っている人が熱心に撮影してました。私もやりたかったのですが、なんと携帯の充電が足りなくて出来なかったのでした。携帯の充電はお忘れ無く。

展覧会は入場無料で、8月29日まで。銀座とはいえ、表通りに面していない7丁目のビル(交詢社ビルの隣)なのに、案外人がいました。

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