福江島、出島、軍艦島 その1 - 祈りの島から祈りの街へ


長崎県に行ってきました。東京から福岡経由で福江島へ飛び、船で長崎に戻って市内を散策、そして軍艦島に行くという2泊3日の旅程です。意図はしてなかったのですが、数多ある離島に隠れキリシタンを抱え、鎖国時代も出島という外国との接点を持っていた長崎は、時代を先取りする土壌があったのかもしれません。わずか0.65平方キロの岩礁に高層ビルの炭鉱街をつくり上げました。江戸時代から近代的西洋に最も近かったと思われる長崎が原爆で破壊されたのは、本当に哀しい出来事でした。今もその傷跡をあちこちで見ることができます。そんな近代化の光と影を見る旅になりました。


東京から福江島に行くには、福岡または長崎空港まで飛んで、そこから小型機に乗り換えるか、長崎港からジェットフォイルかフェリーが一般的。もちろん早いのは飛行機です。ジェットフォイルが2時間半のところ、飛行機は長崎からなら20分、福岡からも40分程度。今回あえて空路で福江島入りしようと思ったのは、航空券をユナイテッドのマイルで購入したかったからでした。JALのマイル(ANAもですか?)は1レグごとにマイル料金が設定されているのですが、ユナイテッドのマイレージの場合、何度乗り継ぎがあっても1本として購入できます。国内は沖縄便以外は片道5500マイル。つまり、長崎空港までも5500マイルですが、乗り継いで福江島まで行っても5500マイルです。これは使わない手はありません。あえて乗継空港に福岡を選んだのも、羽田ー福岡の便数が多いためにマイルで購入しやすかったのが理由でした。しかし、東シナ海に浮かぶ離島の空港は小さく、かつ風も強いため、天気の移り変わりの激しいこの時期は、頻繁に欠航・引き返しがあることを、あとから知りました。我々が行った日は天気はよかったものの風が強く、「引き返しの可能性あり」の条件付き運航でした。飛べば引き返すことはほとんどない、と思いきや、この週は何度もそれがあるのを見てて、これは「(島に)呼ばれないと行けない」離島あるあるだと思ったのです。ちなみに前日は波が高くジェットフォイルさえ欠航する状況だったので、もしかすると屋久島よりも(本数も少ないし)オッズが高いかもしれません。

朝ドラで多少は有名になったのかと思いきや、飛行機も空席が目立ち、島自体もそこまで混雑してませんでした。キリシタンの悲しい歴史だけでは人は呼べないのでしょうか。教会よかったですよ。特に堂崎天主堂は展示も面白かったです。ただ、なぜそこまで彼らはキリスト教の信仰を頑なに貫いたのか、それはわからなかった。

堂崎天主堂

水の浦教会

井持浦教会

しかし、この日のハイライトは大瀬崎灯台でした。行けるところまで車で行ったら、さらに遊歩道的なものがあり、看板に「灯台まで1.2km」と書いてあるので、歩いていくかと入っていったのですが、ずーっと下り。つまり帰りはずーっと登りで、なかなかつらかったです。翌日絶対筋肉痛だなと思っていましたが、筋肉痛よりも、下りで普段使わない筋肉をブレーキに使ったために、なんと膝周りが痛くなるという、アラフィフを痛感する出来事も。でもその価値はあったかな。


灯台下からの眺め

下りの道が見える。これでまだ1/3くらい。これを戻らねばならない。

ちなみに本来の展望台(最初の駐車場)から見た大瀬崎灯台はこんな下に見えます。

キリシタン信仰から、五島列島は「祈りの島」と言われるらしいですが、雲が出やすいために、たびたび神々しい天使の階段が見えるのもその一因なのではと思いました。

鐙瀬溶岩海岸から

宿は鐙瀬溶岩海岸の上にある五島リトリートrayという宿だったのですが、ああ、だからrayなのかね、と言ってました。

翌日、ジェットフォイルで長崎へ戻り、長崎の街を散策。平和記念公園から、原爆の跡をたどるお散歩です。


浦上天主堂の鐘楼。原爆によって吹き飛び、ここに落ちてきた

片方が爆風で吹き飛んだ鳥居

原爆を生き延びたクスノキ

長崎には原爆遺構が街のあちこちにあって、何があったかを語る説明板には必ずこれが最後であるようにとの祈りが書かれています。

夜は日本三大夜景であり、世界三大夜景のひとつである長崎の夜景を見に稲佐山へ。

夕景もよかった。ちょっと早めに来ると吉かも

坂の多い街が、特徴的な夜景を作り出している


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