29歳になって見る「29歳のクリスマス」

スカパーのフジテレビ721で昨日まで『29歳のクリスマス』が再放送されてました。このドラマ、問い合わせが多いにも関わらずいまだにビデオもDVDも作られてないそうですね。噂によるとマライア・キャリーの主題歌のせい、という話ですが、ソフト不足に悩む業界にとっては、とっても痛い話かも?


脚本: 鎌田敏夫
出演: 山口智子, 柳葉敏郎, 松下由樹,仲村トオル,稲森いずみほか
放送: 1994年10月20日~12月22日(フジテレビ)

典子はアパレル会社で働くキャリアウーマン。ところが29歳の誕生日、上司にブランド立ち上げ失敗の責任を押しつけられて左遷させられ、さらに恋人にも振られてしまう。ひょんなことから親友の彩と友人の賢が住むことになった一軒家で3人暮らしを始めることになったが・・・


ちょうど10年前のドラマですが、やっぱり古いですね~。電子機器とかそういうレベルじゃなくて、まず何より服装が古い。そんな服、今どこ行っても売ってないよ、みたいな。それでも女性をとりまく環境や偏見って、ファッションや社会がこれだけ変わっても、ぜーんぜん変わってないですね。笑っちゃうくらい。いまだに「負け犬」なんて言葉がはやるくらいだし。それぐらい根深いってことなんだと感心しちゃいます。

同じ山口智子主演のドラマでしたが、『ロングバケーション』のほうがファンタジーらしく楽しく見られる、という意味で上だったかな。妙に現実感がある割に、人物造形が微妙に現実感が無くて気になっちゃいました。それに典子の昔の恋人と、彩の不倫相手とか、重要な役なのに超大根役者だったのがちょっとなー。

でも29歳で結婚してないのって、東京じゃ珍しくなくなりましたよね。気になったので調べてみましたが、平成12年国勢調査によると東京都内の29歳女性の未婚率は、50.7%。23区内に絞ると53.6%。全国の29歳女性の未婚率となると39.0%ですから、やはり29歳女性の6割以上が結婚してることになりますが、都心なら過半数が結婚してない。ちなみに10年前、平成7年の調査だと東京都の29歳女性未婚率は43.4%、全国だと31%まで下がりますから、当時は「肩身が狭い」という感覚も多少は強かったかもしれないですけど、東京じゃ経済的に自立できてて、「自分の人生を楽しんでる」女性なら、29歳だからってどうのこうのなんて感覚、もう無いかもなあと思ったりもして。時代がドラマに追いついたのか、それとも・・・。

途中まではイライラさせられることも多いドラマでしたが、ラストがすべての評価を覆すほどよかったですね。単純なハッピーエンドにしなかったところを特に評価。典子の考え方も、彩の考え方も、それぞれを認めながら自分で生きていこうとする二人の関係も、とっても格好良いと思いました。

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