ソースとしてのネット

Mary Ellen Bates. "Would you trust Joe Isuzu's Blog?". EContent, v. 27, Issue 12 (2004)

コンテンツシートサービスで来たEcontent掲載の上記コラムが面白そうなので、原文を見てみました。「ネットは情報源・典拠として信頼できるか否か?」というテーマのコラムで、Wikipediaの例や、CBSの誤報問題でブログが果たした役割の例、そして、ブログ界(blogosphere)で話題になっていたニュースを、専門誌が追随して取り上げた例など、どちらかというと好意的な例を取り上げ、「こうした新しい情報やそれらの信憑性を評価する批評を、絶えず追っていくツール開発が必要になってきている」と結んでいます。

日本では(というか、私の職場では)まだカウンターに来て「ネットに出てたんですが、これ(資料・図書)ってどこで手に入ります?」とかいう質問をする学生さんはあまりいないのですが、ネット世界という意味では10年とは言わずとも5年は先を行くアメリカでは、笑い事ではないのかもしれません。

とはいえ、私も結構使うんですよ、ネット。なんとかとはさみは使いよう、って言いますから、ネットだって使える時は使える。特に新しい話題や、探索のヒントを得たいときに、ネットは便利。記事にも書いてありますが、得た情報への検証は絶対に必要ですが、今まで遠回りでしか探索できなかった資料・情報へ、ネットはバイパスを作ってくれている、という印象です。例えば人名のヨミとか、とりあえずGoogleに姓名を""で囲んで投げると、学会での発表記録とか、所属団体とかわかる場合があるので、そしたらその所属団体の公式ページに行って・・・という探索は前の部署でよくやりました。学者本人が大学のサーバーに置いている自分のページで、自分の名前の読み仮名を間違えたり嘘を書いたり、というのはあまり考えられないし、外国語で論文を書いていたりすれば、そのアルファベットの綴りで読みもわかります。ヨミがわからないと調べるのにやたらと苦労する人名辞典なんかも、ここまでわかればあとは簡単。論文の掲載号、掲載ページが参考文献に書かれていなくてわからない、なんて場合も、ググったり、筆者のページでわかったりすることがあるので、あとは現物を当たって確認する、なんて方法もあります。

最近はやはりググるとブログに当たることも多く、時事問題なんかではお世話になっています。まあそれだけを典拠にすることはさすがにないですけどね。

実際、大手新聞社やNHKなんかがやらせ問題で告発される時代ですから、ブランドが真偽の決め手にならないのは本当の話。個人だからといって、情報源にならないって思ってると2ちゃんねるにとんでもないスクープ(真実)が載ってたりしますからね。あとは受け手側がどこまで取捨選択できるか、どれを真実とするかの問題ですね。

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