2005年4月28日

私もお世話になったけどなー

asahi.com: 入試の「赤本」真っ青?著作権クレーム 損害賠償訴訟�-�社会

入試問題に著書を使用された著作権者たちが、「赤本」の版元、世界思想社教学社を相手取って損害賠償訴訟(とはいえ、賠償額は使用料相当額)を起こしたとか。

大学入試問題は、確か事前に外に漏らすことができないという性格上、著作物の複製を認められていますし、事後の補償金支払の必要もありません。

でもそれを集めて出版したら、当然一般の複製になりますので、著作権料を支払わなくてはならないってことなんですね。この記事の元である朝日新聞とか、「大学入試多数掲載」って宣伝したりしてますけど、赤本に対してはどうなんだろう。今回は、使用料を払うなどで掲載の許諾を得られれば、絶対に複製できないってわけじゃありませんけど、許諾をしない作家もいたようで、掲載出来なかった問題もあったとか。その問題が一番配点高いんだよ!ってのもあるのでは。


うーん、「使用料を取って許諾」程度ならともかく「許諾をしない」というのは、やりすぎ感を感じるのはわたしだけでしょうか。著作権って縛ろうと思えばいくらでも権利が主張できるような微妙な法律ですし、一方で気にしなければいくらでも使って貰える、という部分もあります。少なくとも大学の入試問題で使うような著作物なら、一般にそれなりに広まっている人でしょうし、文化活動をしている以上、まあ赤本や大学入試にはお世話にならなかったとしても、他の人の著作物に触れ、刺激をうけることは多々あるはず。自分もその一端を担っていると考えれば、「許諾しない」という選択肢はどうなんだろう・・・という気がしてしまいます。そもそも入試過去問を買うのは受験生と受験産業だけでしょうし、それを作品として読む人はいない(それが嫌なのか?)と考えれば、例の新古書店問題と比べて、少なくとも著作権者が当然受け取るべき利益を損なっているとは思えないのですけれども・・・。

ただ、入試問題そのものにも問題がありそうです。以下の毎日新聞の記事によると、

MSN-Mainichi INTERACTIVE 話題


同社(筆者注: 世界思想社教学社)は「80年代から著者には承諾を得たり使用料を払うようになり、ここ数年は出典が不明だったり使用を断られた場合は掲載を見合わせている」と話している


とのこと。著作権の例外に認められているとはいえ、出典を書かなかったり、改変を明示しなかったりする大学にも責任がありそうですね。

入試のときはもちろん、最近も所蔵調査で赤本のお世話になった私としては複雑な気分でございます。

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