雪とセンターとお相撲と

結局、気象庁が一昨日出していた予報のほうが正しかったようで、思っていた以上に雪が積もりました。でも受験生もちゃんと来てたし、特に電車の影響とかも無くて、センター試験は普通どおり。

今年初めてのリスニング。私、最初それ聞いたとき放送設備でやるんだと思ってたんですけど、なんと一人一人に専用ICプレーヤーを配って、使わせるってものだったんです。そのICプレーヤー、一時停止したり巻き戻したりすることは一切出来ず、確認音声を出すためのボタンを押した後、再生ボタンを押したら、もう最後までノンストップ。そのために試験をする側は冷や汗ものです。新聞などでも話題になってましたが、もし途中で機械が壊れたりした場合はどうするのかとか、停電や地震・火災などの場合はどうするのか、といった問題から、長机に3人座っている場合の真ん中の子が途中でトイレに立つ場合、両端のどちらかをどかす必要があるが、その場合はどうするのか(プレーヤーはどんどん進んでしまって、一時停止は不可)とか、とにかく様々な想定がされていて、事故対処法だけで1冊のマニュアルになっているという念の入れよう。実施側も受験生側も初めての試みですから、超緊張です。また絶対に音を立ててはいけないと言われていて、プレーヤーをそれぞれが再生している29分間、かすかな音漏れを聞きながら、微動だにせずに受験生をにらんでいるという拷問を受けたのでした。

それまでも「携帯の電源は切れ」という指示は毎時間出るのですが、この時間だけは全員に携帯を机に出させて、電源が切れているか、アラームはOFFになっているかを再確認させました。監督は回りながら、一応電源が切れているかをざっと確認するのですが、さすが今時の受験生で、ほぼ100%がケータイ所持。機種も多種多様で、まるでケータイの品評会を見ているようでした。あー新機種だー、さわってみたーい、と心の中で思いながらも、顔に出さないように苦労しました。

とにかく、監督全員の思いは「誰も手を挙げてくれるな」ということ。事故対応マニュアルはあるものの、その対応法は、仕方がないとはいえ、もし自分が当事者なら納得いくようなものではありません。後で文句言われたりするのもイヤだし、できるだけ快適な環境で受けて貰いたいですからねー。受験生は「大学に落とされる」感覚が強いのでしょうけれども、大学としては、全員が最良のコンディションで受験してもらいたいと誰もが思っているのですよ。そう思っていただけると、受験生の方も多少は気が楽になるのでは。

まあそんな我々の心配は杞憂だったようで、ICプレーヤーの操作に迷う子など一人もいなかったし、29分間文句を言う子も困った子も手を挙げる子も出ず、無事試験は終了したのでした。でも帰ってきてニュース見たら、案の定トラブルがあったようですね。まあ問題を音声で流す、という時点で限界があるし、当然放送設備を使っても文句は出るだろうし、仕方ないと思うけど。。。難しいですね。私は慌て者だから、ページをめくるときとかにイヤホンをひっかけて、耳から取れたり、本体からひっこぬいちゃったりしそうな気がしました(もちろん抜けないようになっている)。でも、自分が別の試験などでリスニングテストを受けた時のことを考えると、放送設備の場合はどうしても教室の広さや受験会場によって差が出てしまうし、逆に耳栓している状態のICプレーヤーのほうがいいんじゃないの、というのが感想です。使い捨てってのは勿体ないですけどね。

センター試験リスニング、再試験相次ぐ(TBS News-i)
センター試験 各地でトラブル(NHKニュース)

ニュースを聞いてひとつ気になったので、センターの名誉のために補足しておくと、リスニング試験の「再テスト」は想定内だったのです。我々監督担当者も前もって「試験日程ではここで終わりになっているが、再テストを行う場合は、さらに拘束される可能性がある」と言われていました(もちろん受験生にも再テストの仕組みは伝わっていました)。事務的に様々な面倒を増やしながらも、最も受験者の多い英語を1日目の最後の時間に持ってきたのは、そういう意味があったものです。まるで機器の障害や不測の事態で、無理矢理「再テスト」が行われたかのような言われ方でしたけど。まあトラブルが起きたことは事実なので、これを糧に来年に向けて機器やマニュアルのブラッシュアップを図ってもらいたいです。

そして、明日は2日目。大相撲が明日の千秋楽までもつれる面白い展開なのに~・・・仕事です(T_T)。

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