道州制と境界線

なんか言ってるなーと思ってましたが、急激に具体化してきてたんですね。そのメリットとして、日本経済新聞(3月1日, 朝刊)に


九州七県が「九州」になれば、人口や経済規模は欧州のベルギーを上回る。一つの州だけで他の国と競える


とあって、へーと思いました。

一般人として興味があるのは、もちろん今あるサービスがちゃんと存続するかということもありますけど、「じゃあ自分の県はどこに入るの?」ではないかと思うのです。9道州、11道州、13道州案があるようですが、関東は、千葉、東京、神奈川、山梨はディフォルト南関東で、東京だけ独立案もあるらしい。あれ、埼玉は?と思った方、鋭いです。埼玉は9道州案では南関東ですが、11道州、13道州では北関東に区分けされてました(3/1日本経済新聞)。

どうなんでしょ。「東京」が含まれると、州都は絶対東京だけど、都の財源と人口はでかい。逆に、他のところに組み込まれれば、自分が(特に埼玉なら)州都になれる可能性がある。実際、様々な思惑から「うちはこっちだ」「そっちがいい」とかいう議論はあるようですし、どうなるか分からない東海圏は導入に対する態度を保留している知事も多いとか。某銀行が合併したときみたいに、主導権争いでサービスがおろそかになる、なんてことが無いと良いのですが。

ただ、今回議論されてる道州制と国とが大きく違うのは、居住地を変えるのにたいした手続きが必要ないこと。前にも書きましたが、地方では子供は生まれてるのに、それを生産年齢になったとたんに大都市(特に東京)にもってかれてるのです。割合的に「老人」が多い地方は、ぜーんぶ自分のところでまかなえ、といわれたら、老人福祉に対する手当てが必然的に多くなり、一方で少ない若者は不満を抱いてますます逃げてく、なんてことになるのではないかと危惧します。

一方で、東京発の有名企業ってあんまり無いよね、って先日教授と院生と出張したときに話題になりました。地方が活性化するなら、地盤沈下するのは(ドーナツ化現象みたいに)東京かもしれません。

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