2006年10月7日

[exhibition]仏像 一木(いちぼく)にこめられた祈り

特別展 仏像

東京国立博物館では、「仏像展」が開催中。奈良時代に唐から伝わり、日本で形を変えながら伝えられてきた一木造の仏像に焦点を当てた展覧会です。

一度間違えたら直しがきかない一本の木から掘り出された仏像は、素朴な雰囲気で木の多い日本の風土に合ったのでしょう。どの仏様も面白く見られました。前期(11月7日まで)の目玉は、菩薩半跏像。とても一本の木から作られたとは思えない精緻な仏像で、台座の蓮の形に曲がった布の質感とか、背中のアクセサリーとか、本当に木なの?という感じ。

展示は、最初は唐からの輸入品、徐々に日本の文化と融合して、風土に取り込まれた一木造作品へ、時代が下っていく形になっていて、日本で一木造がどのように消化されていったのかを実感できます。特にその究極とも言える江戸時代の円空仏と木喰仏は、それぞれの印象は全く別だけれども、一木造を完全に咀嚼し、自分のものにしたという感じがうかがえて、こういう流れからこの作品が出来たんだなと感じました。

円空仏と木喰仏はそう言う意味でとても興味深い展示でした。円空仏はモダン、木喰仏はポップだなーと私は思ったのですが、どうでしょう。どちらかというと、私は円空仏が好み。国宝でもある奈良時代の宗教的威厳の強い作品ももちろん好きなのですが、その流れでこれを見ると、味があっていいなあと思うのです。特に一本の木を割って作られたという十一面観音菩薩立像・善女龍王立像・善財童子立像は、ぱっと見「子供が適当に鉈を振りました」といった感じなのに、陰影の雰囲気が実に見事で、ものすごく考えられた一振りだったんだろうなあと感心した次第です。

11月8日からは、目玉作品が変更になります。あんまり混んでないし、時間があったらもう一度見に行ってもいいかな。

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