本の流通方法

研修も3日目。古い本に関する研修会(書誌学や、修復、古典に関する知識などなど)なのですが、これが思った以上に面白い。7年も図書の目録をとっていたので、古い本には散々お目にかかってるし、本はこんな風に壊れるとか、セットものがすべて同じ版とは限らないとか、「あー、あるある」と思う一方で、まだまだ知らないこともたくさんあり、もっと早くにこの研修を受けたかったなーと思う毎日です。

いわゆる印刷技術が出来た当初の図書は、活字を拾って組み版し、それを全紙に印刷してそのまま頒布、購入者あるいは書店が製本してたわけですが、そのすべての段階で、人的なミスが混じる可能性があります。紙も活字も高価だったから、校正する間も印刷し続け、校正されたら印刷を止めて版を修正、続けて印刷。修正前のも当然流通に回るので、よく見ると同じ版でも内容が違うことがあるらしいです。多くの同じ本を集めれば、どういう風に印刷され、どこが修正されたかが分かるとか。印刷が終わった後まで版を残しておかないので、増刷したら活字を拾うところからやり直し。つまり増刷版はまた違ったりすることも・・・。へーの連続です。

しかし、全紙で配って各自が製本するのって、良いなあと思うのです。背表紙とか綺麗にそろって美しいですよね。本も徐々にデジタルデータでの配布が増えると思うのです。前にも書いたように思うのですが、今回改めて思ったのが、そのデジタルデータの頒布に「製本注文」みたいなサービスを付けたら良いんじゃないかな〜ということ。表紙は自分の好きな絵柄や写真を使っても良いだろうし、ある程度見本みたいなものから選択出来ても良いでしょう。中世の活版印刷本って、天地も綺麗に装飾されてたりするんですけど、ああいうサービスも復活したら面白そう。中身を読むだけで良ければ、デジタルデータのプリントアウトや、デジタルデータそのものを読むだけで終わりにしてしまって、お気に入りの図書は製本するとかでも良いのではないでしょうか。製本費って結構高いし、そもそも本を読む人が減ってるのに、そんなサービス成り立たないかしら。

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