停電による図書館サービスへの影響

サーバーなんて、場所と電源があれば、操作や監視は遠隔でもいいんだから、地価の高い都心部ではなく、郊外にサーバーを持っていくという方策は、平常時なら正しいと思うのです。もしかしたらもっと実際的な意味合いもあって、職場本体ではない場所にサーバーを持っているところもあるかもしれません。

が、計画停電という非常事態によって、それが大きく裏目に出ています。本部は23区内、被害もほとんどなく停電もない状況だったりするのに、サーバーが停電地区にあるために、頻繁にサーバーの電源を落とさねばならず、停電の状況によって長期の停止を余儀なくされたり。サーバーはもともと電源を頻繁に入り切りすることを想定していないので、毎日の停電入電は負荷も大きいはず。

図書館関係者にとって、今最も大きい痛手はNACSISの停電。千葉にあるというNIIのサーバーは、停電が実際に行われる回数が多いことで「死のグループ」と呼ばれている計画停電第1グループに入っており、特に輪番停電が始まった週は、ほとんど動いていない状態でした。レファレンス的にはCiNiiWebcatが動かないと痛いし、業務内ではNACSIS-CATやNACSIS-ILLが動いていないのは仕事にならないというレベルです。特に、日本の学術雑誌をかなり網羅的に検索でき、かつ一部は全文も取れるCiNiiは、放射能の危険性について様々なデマが飛び交い、地震や津波についての情報を欲する人がいるであろう今こそ、重要な情報源だと思うのに、ちゃんと動いてくれません。実は私の職場のサーバーも第3グループ停電地区に置かれていたため、これが動かないと図書館内の資料の所在が調べられない以上、たびたび落ちるのでは図書館として機能しないので、対処せざるを得ない状況に。

4月に向けて、ホームページのリンク切れを確認していたときにも、文化遺産オンラインが停電の影響で停止していました。以前停電地区に置かれていた官報は、3/17の時点で当面の間継続配信が可能になったと書かれているので、サーバーを移動させたのか、何か対応をしたのかもしれません。

サーバーが切れてることが分かるのはまだまし、うちなんて大学ごと、図書館ごと停電地域という場所もあると思いますが、開館してるのに(うちはサーバーが停電地域で結局開館もできてないのですが)、サービスできないのも結構辛いです。図書館として機能しないという意味では同じですから。

現在、徐々に停電事情は改善されているように見えますが、夏になったら停電地区も拡大すると言われています。そもそも「夏」っていつからなの?って思っているのですが、例年5月末頃から真夏の暑さになることもあり、6月頃から冷房が入ることを考えると、それほど先のことではなさそうです。しかも夏の場合は、電力消費のピークがデンコちゃんの歌からすると、昼間の「1時〜4時」のはず。もろに授業時間の1〜4時にどかんと停電が来たら、大学の混乱もピークに達しそうです。幸い大学がある場所は「最後まで停電にならないだろう」と言われている地区ですが、これで首都圏の主要サーバーが軒並み千代田・中央・港の3区に集まるようなことになったら、それはそれで危険な気もしてしまうのですが・・・。

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