大相撲観戦 - 初場所中日 天覧相撲の1日-

ここ数年、初場所を観戦するのは我が家の正月の慣わしのようになっています。今年も中日にチケットをとりました。が、このところの相撲人気でチケットの予約はどんどん難しくなっていて、今回は特別2人マスが取れずに椅子A席で観戦することに。

ところが、今回ちょっと雰囲気が違ったのです。いつものようにほぼ開門時間に国技館に到着。親方にチケットを渡し、対戦表をもらうとそこにあったのは、白い机と警察官。「手荷物拝見しています」とのこと。鈍い私はフランスでテロがあったからかなぁなんて呑気なことを考えていました。ちなみにうちの旦那は「あ、もしかして誰か来るのか」と思ったみたいですけど。


もう一つ実は変だと思ったことがありました。いつもなら入ってすぐのところに机が出ていて、パンフレットとか案内所とかあるはずなのに、何もない。あとテレビもあって、取り組みが放送されていたりするのに、それもない。これまた「今日は早く来過ぎたかなあ、まだ準備されていないのか」なんて、アホな私です。

とりあえず席に荷物を置いて取り組み表を確認。幕下以下だと毎日は出ないので、誰が出ているのかチェックします。一息つくと、そろそろ売店も開きはじめるので場内を巡ってみました。ここでもまた変なことが。いつもなら1階のエントランスホールで行われるはずのイベントの看板が、2階に置かれています。そして最後に正面側に戻ってきて「あれ、なんでここが開いてるの?」と思ったのが貴賓席(天覧席)のところ。入り口前では親方といかにも目つきの悪い鋭い黒服の人が打ち合わせ中で、中では掃除機の音がしています。さらに扉の前の床には何やらビニールシートが貼られているのです。しかもその上を通ると、妙にふかふか。こ、これは・・・


鈍い私もようやく気づきました。席に戻って、旦那にすごい発見をしたように報告すると、「だって手荷物検査があったじゃないか」とバカにされました。そうです。多分今日は天覧相撲なのです。そこでふと貴賓席側を見て気づきました。あら、天覧席ができてるじゃないの。


いつもはここは何も置かれてなくて、シートがかけられてたと思います。多分後ろのピアノの椅子みたいなのは北の湖理事長が座って説明するんですね。

とはいえ、陛下が来るのは早くても幕内だろう、幕内土俵入りまでに来てもらえれば、御前掛といういつもと違う形(こっちが本式?)の土俵入りが見られるので、早く来てくれないかなーくらいの気持ちでいました。

今日も国技館は食べ物がたくさん売っています。そして、なぜか相撲を見ているといつも食べ過ぎます。今日食べたもの↓


左上は新発売のひよちゃん焼き。ひよの山をかたどった今川焼きのようなものです。2階西側の焼きたて屋で売っていますが、開店時間(10時)に買ったので、まだ熱々でとてもおいしかったです。昼間は席にも売り子さんが売りに来ていました。左中央が白鵬弁当。名前付きの力士弁当は、各大関・横綱が監修した(あるいは好物の?)おかずが入っています。私は白鵬弁当がお気に入り。彼の好みは自分と似ているとか勝手に親近感を感じています。いつも昼頃売り切れたりするのですが、今は特に豪栄道弁当が人気なようでした。

中央は焼き鳥(売店ならどこでも。国技館の名物)と焼きたて屋の勝ち越したこ焼き。右上は売店のあんみつと、2階カフェのコーヒーで、右下が外のセブンで買ったお菓子。

左下は12時から地下の大広間で振舞われるちゃんこ鍋。今場所の中日は「湊部屋のみそちゃんこ」でした。豚も入ってるので、豚汁っぽかったかも(笑)。以前も書きましたが、これはおすすめ。最近は土日だとかなり並ぶみたいですが、11時半過ぎくらいに列が出来始めたかなというところで並べば、それほど待たずに入れます。

中日は新序出世披露という新しく番付に載る新人紹介があります。12時半ごろに行われるので、そのくらいには戻っていたほうが良いかもしれません。

本当は西外の通路に出ているピザ屋さんに初挑戦したかったのですが、前述のとおり天覧相撲で外側の通路は警備上難しかったのか、あるいは場所を開けておきたかったのか、出ていませんでした。残念です。これはまた次に。

このところ毎年行ってるのもありますし、昨年の九月場所に職場の人たちと行ったときに、すごく詳しい子に幕下以下の力士をいろいろ紹介してもらったお陰で、幕下くらいから名前がわかる力士が増えてきました。ので、13時頃から外で入り待ちをすることなく相撲を真剣に見てしまい、気づくと十両土俵入り。たまにトイレがてら1階に下りて西側通路に出たときに、旭日松と秋瀬山を見たのですが、入り待ちするのはこの時期結構寒いですね。近くで力士を見たい方は、西側通路で待っていると次々やってきます。大抵詳しい方が名前を呼んで声をかけているので、名前が分からなくても大体わかると思います。

というわけで、あっという間に中入の時間がやってきました。幕内土俵入り、横綱土俵入りがあった後、休憩時間中に翌日の取り組みが発表されます。そして大体この時間帯に「満員御礼」の幕が下りてきます。


そして中入の後から、正面の中央に寄った入り口が閉鎖されました。SPと親方が出ようとする客を別の入り口へ誘導しています。午前中から黒い服の警察官が目立っていましたが、とにかくあっちこっちに警察官がいます。中入前にトイレに立った時、右を見ても左を見ても警察官と目が合って、死角がない!って感じでした。



幕内前半は私のお気に入りの松鳳山が勝って終了、その後勝負審判交代です。勝負審判が入ってくると、いつもと違う光景が見られました。普通正面側の審判長は、土俵側を見て座りますが、正面側を向いたまま立っています。もちろん、東西の審判も正面を向いています。1階の観客、そして2階の観客も自然と立ち上がって正面を向きました。


西の中央通路には、大量のカメラがスタンバイ。


そして、天皇皇后両陛下が貴賓席にやってきました。ひとしきり場内の人たちに手を振ると、座って観戦されてました。後でニュースを読んだところ、皇后さまは「横綱全員勝って強かった」みたいなことをおっしゃっていたということでしたが、私には遠藤-勢戦を楽しみにされていたように見えました。勢、ようやく初日が出てよかったです。そして安美錦は負けてしまったけれども、白鵬をちょっとだけ慌てさせたように見えて場内とても盛り上がりました。

弓取り式が終わって両陛下退席のときも、みんな立ち上がって拍手。我々も荷物をまとめて退場です。通路に出ると、中央は完全に封鎖されていました。というか、テレビドラマか、ってくらい警備員と警察官がいます。


脇の階段から外に出ましたが、階段上から正面入り口を見ると、白バイと黒塗りの車が停まっているではないですか。おやおやと上から見ようとすると、SPに「見るなら下で」と言われました。はい、そうですね。御神輿を横断歩道から見下ろしちゃいけないのと同じですね。きっと。いや、単に階段に止まると危ないってだけだったのかもしれませんが。


車に乗り込み、そしてただの見物客たちに微笑んで手を振ってくれる両陛下にみんなで手を振り返しつつお見送りをしたのでした。警備の数がハンパなく、国技館内の封鎖エリアも大きい割に、この辺りは案外ゆるい感じでした。そして車道に出ると、あっという間に両国駅方向へ消えていました。道路は一時的に閉鎖だろうし、信号は全部青ですもんね。

不祥事のためか、天覧相撲は4年ぶりだったそうですね。舞の海が昨年の昭和の日に昭和の日に「天覧相撲」復活を想うという記事を書いていましたが、実現して本当によかったと思います。相撲人気はすっかり元どおり、いやそれ以上の盛り上がりになりましたし、また近々来てもらえると良いですね。というか、今度こういう機会があったら御前掛の土俵入りが見たい、と思う欲張りな私でした。さすがに天覧相撲だと横綱でさえ緊張しているようで、場内の空気がまた違って面白かったです。

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