[自転車]初秋の大地の芸術祭の里めぐり




前回妻有地区に行った時は棚田メインだったのと、暑さに負けて一部ルートを省略してしまったこともあり、再び妻有に行ってきました。今回は越後湯沢から山越えして松代へ向かい、そこから再び山越えして十日町へ戻ってくるルートを設定しました。

この日、早朝に地震がありました。しかし私はちょうど自転車を漕いでいた時間だったからか全く気づかなかったのです。新幹線のホームで「東京で震度5弱の地震が発生し、運転を見合わせています」とアナウンスが流れていて驚きました。(震度5弱?!)(というか、「東京」ってここのことじゃないのか、私の聞き間違いか?)と頭のなかで大パニックです(笑)。実際に震度5弱の揺れを観測したのは東京西部だったようです。結局異常はなかったとのことで、始発から通常通り運行開始。越後湯沢駅に定刻に到着しました。

新幹線を下りたとたん「寒っ!」と思いました。外の気温計は19度。秋は確実にやってきているようです。


駅を出てしばらく国道17号を行きます。石打というところから353号へ左折、十二峠へ。十二峠は長いトンネルです。新潟のこの地域は、新幹線(上越線)が走る場所と、飯山線が走る場所との間に山が立ちふさがり、どのルートを通ってもなが~いトンネルが待っています。この十二峠トンネルはその中でもマシそうなので、今回のルートを選んだのでした。それでもスノーシェッドからトンネルに突入する私の苦手なタイプです。ここまでもスノーシェッドが沢山ありました。さすが豪雪地帯です。トンネル自体は交通量も多くはなく、路面も綺麗でした。何より最初から出口が見えてる直線トンネルで怖さはありません。ただ長いのには閉口です。


トンネルを抜けると十日町。大地の芸術祭の里の看板と、魚沼スカイラインとの分岐点が現れます。魚沼スカイラインも秋に来てみたいルートのひとつなんですが、9月末まで工事で一部通行止め。十二峠から八箇峠へ通りぬけができません。


この辺りは信濃川へ注ぐ清津川が作った河岸段丘が広がっています。その清津川、ここ数日の雨で水量が増していました。


「ああここは河岸段丘なのか」と思ったのは、この下りを見たとき。正面には清津川が流れていて、ものすごく高いところに橋がかかっています。対岸もかなり高い。沼田の河岸段丘も素晴らしいですが、ここも良いですね。下りて橋をわたる手前に、エントリ頭に置いた写真に出ているアート作品「たくさんの失われた窓のために」があります。トランヴェール6月号で表紙に使われていました。そういえば、橋の欄干に「火焔土器」を型どったオブジェがあったのですが、信濃川流域で多く出土するんだそうですね。知らなかった。


左岸、右岸と行くので、案外上り下りがあります。下のほうに黄金色の田んぼが沢山見えました。もうすぐ信濃川に行き着きます。


田んぼもアートの一部。「中里かかしの庭」です。この辺りの田んぼにこのオブジェが沢山立っているのですが、実際にこの田畑を耕している人たちはどう思っているのでしょう。夜に見たら怖そうですけど。


下りきって信濃川を渡り、再び上ります。すぐに今年はじめて公開された新しいアート作品が見えてきました。2011年3月12日、あの3.11の翌日に長野県北部地震が起こりました。震源地はここから10kmほど。M6.7、最大震度6弱という大きな地震で、私が今回走っていた国道353号は山からの土石流で埋まったそうです。さらなる被害を防ぐために作られた砂防ダムに、土石流を忘れないためのポールのモニュメントができていて、「ここ全体がアート作品ということになっています」(県職員の説明)のだそうです。

真ん中の茶色い筒が砂防ダムです。鋼鉄でできていて、中には土が入っているのだとか。上を緑化することで、周りとの調和を図っているとのこと。


上まで登れるようになってます(金・土・日の10:00-17:00、ただし芸術祭後も開いてるのかどうかは不明)。


上まで登ると、山ごと崩れたのがわかります。怖いです。黄色いポールが、土石流が流れだした範囲を示してます。あまりに広すぎて、もっと上から見ないと範囲がよくわかりません。ちなみにこのポールの先端にはLEDのライトが付いていて、夜は光るそうです。夜も見てみたかったな。


上のところで県の職員の方が、土石流と砂防ダムについて説明してくれました。

また、下の駐車場では物品販売も行われていて、中でも「つなんプレミアムアイス」(400円)は津南の特産品と地元のミルクを使った面白いアイスです。私はスイートコーンをいただいたのですが、どことなくコーンスープっぽかったです(美味しかったですよ)。他にもアスパラとか枝豆とか他では見ないフレーバーや、あまり冒険したくない人には夏いちごとかありました。


再びトンネルを越え、今度は松之山地区へ。前回は緑だった棚田が、今回は黄色に色づいていて、秋だなぁという感じです。田んぼが沢山ある地域は、この時期に走ると本当に綺麗で楽しいです。


キョロロという休憩地点にある「さとやまキッチン」でお昼を食べました。近隣で取れるらしい野菜と、魚沼産コシヒカリを使った贅沢なカレー。定食の決め手の8割はご飯の美味しさにかかってると思ってる私は、このお昼は大変満足でした。


キョロロにもいくつかアート作品があるのですが、「足下の水」というこの作品が一番意味不明でした。作者の方は以前に見た防火貯水槽の工事にヒントを得たそうです。


キョロロの近くにあるのが、美人林。自分で「美人」って言っちゃうところがどうかという感じですが。


ここから一旦松代の方向へ向かって下るのですが、途中松代城址方向へ曲がってからが地獄でした(笑)。これ、本当に(一般)道路なの?という感じの斜度でした。その山にもアート作品が点在しています。また松代城は山だけ残っているのかと思ったら、アート作品の向こうに天守閣?っぽいものが見えました。


私のお気に入りは、リバースシティという色鉛筆がぶら下がった作品。色鉛筆には世界の都市名が書かれています。下から見上げると背中がぞぞっとするような怖さがあります。この作品は2009年から常設のようですが、外で風雨にさらされているので、大分くたびれてる感が出てきてますね。それもまた良い味だしているように思いますが。



松代から今度は林道的な道路を通って十日町へ戻ります。この最後の山越えが本日のメインディッシュでした。かなり硬派な坂道が延々と続く感じ。辛かったけど、時折現れる黄金色の田んぼに癒やされました。中央に見える道路は登ってきた道路です。ぐるっと回って一段上から撮ってます。


この峠を越えると十日町市街地へ降りるだけ。十日町市街にある明石の湯で汗を流しました。明石の湯はキナーレという美術館施設に併設されているので、お風呂の中庭もアート作品でした。お風呂自体も、全体的にモダンなデザインで面白かったです。お風呂入ってる間に曇ってきてしまい、十日町駅ではこんな空模様に。本日はここで終了です。


この辺り、トンネルをうまく避けて自転車で走るととても楽しいです。特にこの時期は田んぼが綺麗で、おすすめです。

本日のルート




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