五能線の旅(2) 十二湖巡り

(1)から続く

宿で一旦荷物をおろし、一息ついた後で再び宿からの無料送迎バスで十二湖散策の拠点にもなっている森の物産館キョロロまで送ってもらいます。

そこから宿でもらった地図を頼りに十二湖散策です。この十二湖、実際は12ではなくもっと沢山の湖や池がありますが、崩山の大崩という山体が大規模に削られた場所から見ると十二個に見えるから十二湖と呼ばれているそうです(ただし諸説あり)。

キョロロの駐車場の目の前にあるのが鶏頭場の池。ブナ、ミズナラといった落葉広葉樹が広がる景色は、今の時期も良いですが、秋は間違いなく美しいでしょう。紅葉は10月半ばからだそう。


500mほど遊歩道を歩くと見えるのが青池。JR東日本のポスターにもなっています。まるで宇宙を覗き込むような青だなーと思いました。この青、何かの成分によって発色しているわけではないそうです。青池の水は不純物はほとんどなく、かつ非常に透明度が高く、また9mもある水の底には白い岩があるために光を反射し、結果、水本来の色が強く出ているために青く見えるのだとか。光の反射が作る神秘的な青です。なので、青の色味は時間や日の光の多寡によって微妙に変わるそうです。


地元の人が十二湖の青池の説明をすると、何故か「美瑛の青い池」を比べる話がよく出てきます(妙な対抗意識?)、美瑛の青い池は、ケイ酸アルミニウムの粒子が光を散乱させることで青く見えているそうです。下は2009年10月に撮影した美瑛の青い池の写真ですが、大分色味が違いますよね。


そこから少し階段を登って森の中に入ります。立派なブナやミズナラが立ち並ぶ自然林は、マイナスイオンなんていうものを信じていなくても深呼吸したくなります。


200mほど行くと分岐があり、右に行くと300mほどで沸壺の池に出ます。こちらも青池に負けず劣らず美しい青。水の底に沈む木がまた不思議な雰囲気を醸し出しています。


急な坂を下ると、道路に出ます。ちょっと行くと十二湖庵という茶屋があり、抹茶を出してくれます。向かいは落口の池。


しばらく下ると、十二湖ビジターセンターがあり、その隣の越口の池には、幻の魚と言われるイトウの養殖場があります。大きいです。ちなみにイトウは宿の夕飯でお寿司として出ました。


さらに下っていくと、王池。宿のバスは16:25にここに迎えに来てくれるらしいのですが、まだ1時間以上あります。それなら歩いても変わらないかもと、さらに進みました。王池から左に逸れると日暮の池があり、そこから再び山の中に入る遊歩道があります。キャニオン展望所900mと書いてあったので、そこへ行ってみようと入っていきました。


遊歩道は写真レベルの歩きやすさを保ちながら続きます。ようやく最後の坂を登ると、確かに目の前に日本キャニオンと呼ばれる山肌が。


地元の方によると、昔はもっと緑が少なくて、岩の部分が多かったそうですが、大分森に侵食されてるようです。白く見えるのは凝灰岩。

ここからは下り。再び道路に出て、二ツ目の池まで少し戻り、そこから宿まで約2.2km。幸い雨に降られることもなく、宿に戻ってきました。

アオーネ白神十二湖は、和室の部屋もあるのですが、我々が泊まったのは独立したコテージのひとつ。コテージには6つもベッドがあり、もちろん屋根のついたテラスもあるので、仲間内で自転車持ってきて泊まるのにもピッタリだなと思いました。

お風呂は日帰り湯も兼ねた温泉。大分薄めて使っているらしく、塩素の臭いが少しするのも残念でしたが、まあそれは仕方がないでしょう。むしろ驚いたのは食事の良さでした。食事は翌日の宿より、こちらに軍配です。お土産屋も独立した店舗になっていて、そこで買ったりんごのソフトクリームが最高でした。

(3)へ続く

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