2018年2月8日

松之山で雪見温泉

ここ数年毎年恒例になっている真冬の雪見温泉の旅ですが、昨年は失敗しました。昨年は岩手の花巻の奥の志戸温泉に行ったのですが、太平洋側は雪が少なく残念ながら雪見温泉になりませんでした。今年こそ昨年の分も取り戻す豪雪地帯を選択しようと、1年考えた末に選んだのは新潟県。ここ数年、毎年季節を変えて訪れている妻有地域が豪雪地域でもあったことを思い出し、古くから湯治場として有名な松之山温泉に行ってきました。

2018年度から順次E7系に入れ替えされ、2020年度を最後に退役が決まっているE4系(いわゆるMax) に乗って越後湯沢へ。E4は輪行ではできるだけ避けてるので、これに乗るのももう最後かもしれません。


乗車は1時間15分。国境の長いトンネルを抜けると雪国でした。田中角栄が「ふっ飛ばせばいい」と言った関東と北越を隔てる山は、川端康成が訪れた昭和初期と変わらず雪国に雪を降らせ、関東にからっ風を送っています。ただ、「日本海側を中心に大雪」と言われていた天気予報は見事に外れ、内陸部は晴れていました。


越後湯沢でお昼を食べて今度は上越線で六日町へ、さらにほくほく線に乗り換えてまつだい駅へ向かいます。ここまで東京から約2時間。駅を降りると、道路は綺麗に除雪されて乾いてました。


さらに松之山温泉へ送迎バスで約15分。今までの雪見温泉旅に比べると、格段に近い雪国温泉です。しかし、雪の積もり方は銀山温泉と勝るとも劣らず。ただ、車が通る道路は本当に綺麗に除雪されているので、歩きにくくはありません。宿から1時間ほど源泉などを巡って散歩してきたのですが、道路脇の雪の壁は高いけれども、道路自体は普通の靴でも問題ないくらい。


鷹が傷を治していたことから発見されたという言い伝えのある源泉は、「鷹の湯」という名前が付いています。源泉は3号まで複数あるようで、最も最近掘削された井戸は奥の田んぼの中で煙を噴いています。掘削技術が格段に上がったからか、湧出量もここが最大なのだとか。写真の遠くに見える湯気が源泉です。ここは全く除雪された気配がなく、電柱があることからかろうじて道であることがわかる程度の状態でした。正面の平たいところは田んぼです。


このあたりは棚田でも有名な場所ですが、いちばん近い棚田もこの通り、段も分からないほどの積雪。


ちょっと上の開けたところから見ると、何故こんな雪深い山間の地域に田んぼを切り開いて人が住むようになったのか、不思議に思います。


松之山温泉は、古代の海水が地下に閉じ込められて、それがマグマの熱で温められて噴出している化石温泉といわれています。その為ナトリウムの含有量が非常に多く、さらにヨウ素を含むためにヨードチンキのような消毒薬臭がするのが特徴です。本日の宿は「ひなの宿ちとせ」さん。大正7年の「松之山温泉案内」に千歳館として載っている宿です。ちなみに温泉案内に掲載されている宿のうち、和泉屋、玉城屋、米屋、野本屋は同じ屋号の宿が今もあります。温泉街としても古い場所ですが、それを構成する宿自体も歴史があります。宿のご主人が写真好きなのか、歴史がわかる写真アルバムが置かれていました。それによると昭和29年8月18日に大火があったそうです。新聞を探すと、小さい囲み記事がありました。それによると午前1時過ぎに米屋旅館の客室から出火、接近していた台風の風に煽られて温泉旅館の大半とパチンコ屋、雑貨屋、飲食店3戸、合計23棟を焼いたと書かれていました(朝日新聞 1954年8月19日夕刊 3頁)。「自炊客の火の不始末が原因とみられる」(同上)というのが如何にも湯治場です。しかし温泉街がほぼ全焼した大火でも、幸いにして人的被害はなかったのだそう。記事の最後に「なお、同温泉は大正2年にも大火で全滅している」とさらりと書かれていました。残念ながらその時の記事は朝日や読売では探せなかったですし、大正2年の大火については宿のアルバムにも記載が無かったのですが、そうした大変な歴史を経て、今も多くの宿が同じ屋号のまま続いている温泉街、なかなか強いです。

その松之山温泉は三大薬湯のひとつと言われ、温泉街入り口の看板にも書かれています(下の写真)。「三大」の後の二つは草津と有馬温泉ですが、こういう「三大なんたら」にありがちなように、三大の3つ目は諸説ありの定説は免れないようです。ただ、太平洋戦争時は製塩が行われていたと言われるほどナトリウム含有量が多いために温まり、かつホウ酸含有量は日本一、ヨウ素も入っていて殺菌作用は強く、効能ありそうな温泉であることは間違いありません。実際行く前に何かの虫に刺されたのか痒みと腫れが酷かった左足太ももが、すっかり綺麗になりました。


そして何より米どころ酒どころの新潟です。宿が小千谷の高の井酒造が遠戚だとかで、日本酒の種類は豊富ですし、お米も最高に美味しかったですし、またお酒や米に合うおかずが沢山出ました。旦那は発酵豆腐がとても気に入ってあちこちで探してましたが残念ながら土産品にはなっていませんでした。朝食に出た「みらい納豆」というこれまた地元でしか手に入らないらしい納豆も美味しかった。野沢菜や人参も地元産、棚田米に湯治豚、最後は酒粕のババロアと地元にこだわった料理も良かったです。

夕方から雪が降り始めました。夜に露天風呂に行ってみると、風呂場の手前の少し屋根の切れたところに雪がつもり始めていました。

朝起きると、雪は上がったようです。少し外に出てみると道路が一変してました。松之山温泉の看板のあるバス停近くは、道路が真っ白になっていました。


山の木も雪化粧して雰囲気が変わりました。


部屋から見えていた山の木も一晩で真っ白。


そして昨日は雪のなかった駅は雪に埋まってました。



ちなみに向かいのホームのさらに奥、雪山のように見えるところには、草間彌生作のオブジェが置かれてるんですが、全く見えないですね。

さすがのほくほく線もやや遅れて到着、六日町から乗り換えた上越線は15分遅れていました。やってきた上越線は雪で満身創痍状態。運転士さんは普通の制服制帽ではなく、作業着にヘルメットでした。もしかしたら自分で除雪しなければならないからでしょうか。(写真は越後湯沢駅に到着時のもの)



再び越後湯沢駅に戻ってきました。行きはあまり時間がなくてささっと飲んでいくだけだったぽんしゅ館の試飲コーナーで、いろんなお酒を試飲しました。


セルフお燗設備もあります。


最後に新潟銘醸の長者盛梅酒を飲みました。蔵人オススメの飲み方として、お燗するとまた美味しいと書かれていたので試しました。そのまま飲んでも美味しかったのですが、お燗にすると温まる〜という感じでした。ちなみにメダル5枚で500円。ほとんどのお酒がメダル1枚で飲めます。月曜日の昼間でしたが混んでました。


試飲する場所には塩と味噌が並んでいて、お酒を飲みながら塩を舐めるという、脳卒中まっしぐらな飲み方を楽しめます。(きゅうりも1本100円で販売)


というわけで、今年は雪を十分楽しみつつ、やや塩分過多な旅行をしてきました。来年はどこにしようかな。

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