[2019ギリシャ旅行]サントリーニ島の街と動物-路地、猫、そして夕陽-

イアの街は1956年に起こった地震で壊滅的被害を受けたそうです。乾燥したシラス台地で育つ作物は少なく、日照りが続くと水を手に入れるにも苦労する島は、その後住民は徐々に減り、1970年代には数百人しか住民のいない寂れた孤島に成り果てました。しかし1970年代後半に政府が力を入れて洞窟住宅を復活させ、それを宿に転換。美しい街が復活して、1989年には空港ターミナルがリニューアル。今では毎年200万人の観光客が訪れるようになりました。地域振興の成功例として多くの研究がなされています。


イアの魅力は、何といっても路地。微妙な高低差に加えて、真っ直ぐな道は一つとしてなく、どこへ連れて行かれるかわからない面白さがあります。散々歩き回りましたが、最終日にも新しい道を見つけてしまいました。


白ばかりかと思いきや、こういうまるで土壁のようなところもあるんですよ。


宿もそうなのですが、どこからどこまでがパブリックスペースで、どこからプライベートなのかが曖昧な感じ。上から宿の中までよく見えますし。下は宿の階段からアマウディを覗き込んだ構図ですが、塀も低いので、ひょいと越えれば隣にすぐに入れます(笑)。我々はCharisma Suitesという宿に泊まったのですが、結局最後までどこからどこまでが宿の敷地なのかわかりませんでした。



青い空に白い壁が輝く昼間もいいですが、人のいない明け方も美しいです。夕陽が有名なイアですが、朝日も美しかった。



面白いと思ったのが、この意匠。門の上の彫刻?鬼瓦っぽくないですか?


そして猫。やつらは本能的に涼しい場所がわかっています。朝起きて外に出たら、ドアの前で待ってたときはびっくりしましたけど。毛並みが良いので、飼われてるのかも。



この街が美しいと思ったのは、こういう全体的な景観だけでなく、これだけ観光客がいるのにゴミが散らばることなく、道路まで本当に綺麗なこと。白い壁を白いまま保つには、毎年のようにメンテナンスする必要があるでしょうし、街を綺麗にしておくためには、やはり定期的な掃除が必要で、島の人々が相当な努力をしているのだと思います。

ただ、インスタ映えの弊害はまさに「インスタ映えの島」 にいろいろな問題をもたらしているようで、ギリシャ版忍び返しを見ましたよ。これも白に塗られてるところにサントリーニの人の矜持を感じましたが。


アマウディという港に降りる階段の手前に、城跡があります。夕陽を見るのにちょうどよい岬になっていて、多くの人が何時間も前から日が沈むのを待っています。イアに泊まって宿から夕陽を見るのであれば、この城跡よりも西側に取るのがミソ。これよりも東側(上の写真)のほうが中心街ですが、宿から夕陽が沈むのは見えません(と宿の人に聞きました)

奥の岩山がイア・キャッスル。日の入りの1時間前でこの状態。

イアの夕陽は本当にきれいです。この時期は雲が出る心配さえなく、毎日快晴ですから、毎夕美しい夕陽を見ることができました。

陽が沈みきると、毎日拍手が起こってた

いいなあと思ったのは、文字通り世界中の人がこの小さな島に単に夕陽を見に集い、そして肌の色や宗教とか全く関係なく同じ夕陽を見て感動しているところ。上の写真の左下のほうで宿主催の無料シャンパンパーティが開かれています。あまり英語の話せない旦那もわからないなりに勝手に入っていって、みんなで一緒にセルフィー撮ってましたから、そういう一体感があるのがすごく楽しかったです。

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