[2019ギリシャ旅行]サントリーニ島のカルデラを歩く

フィラからカルデラを見下ろす。島内はカルデラ側(西側)は火口に向かった崖、東側は急斜面。
火口のお鉢が海に浮かんでいるといえばいいだろうか
2日目に行ったのが、アクロティリ遺跡(プロローグ参照)と、レッドビーチ。レッドビーチは島の南側のカルデラとは逆側にあり、他と違う赤い崖が特徴です。何度も噴火を繰り返しているサントリーニ島は時期によって地層の成分も違っていて、それが極端に出ていて非常に面白い。崖が崩れて壁面がむき出しになっているので、地層がよく見えます。


レッドビーチへのアクセスは、アクロティリのバス停からそのまま道なりに行けばいいだけなのですが、途中崖崩れの跡に無理やり通した道のようなものがあります。「ようなもの」という形容は全く大げさではなく、入り口にはNO ENTRYの看板もあるのですが、誰も従っていません。旦那の前のおねえさんとか、うっすいビーサンで歩いていますが、この後岩場から降りるのにものすごく苦労してました。


もちろん本当は「ビーチ」なんかじゃありませんので、ビーチハウスがあるわけでもなく、監視員がいるわけでもなく、完全自己責任です。アクロティリの桟橋に「Red Beach、White Beach、Black Beach、RoundTrip 10€」という船がありましたが、レッドビーチ側に桟橋はありませんから、近づけるところまで船が来て、あとは海に飛び込んで泳いでいけですから、これも要注意です。我々は地層を見に来ただけですが。


3日目はフィラからイアへのハイキングコースを歩いてみました。サントリーニ島のことを調べていたとき、Visitgreece.grというサイトでキクラデス諸島(サントリーニ島を含むエーゲ海の南東の島々のこと)のガイドを見つけました。その中にフィラからイアまでハイキングできると書いてあったので、それを歩いてみたのです。ガイドには9kmと書かれていますが、GPSトラッカーで測ったところ、イアの北西端にある宿まで13kmありました。その話を詳述します。

この日のルートはこんな感じ。


フィラのバスターミナルからすぐに中心の広場に出ます。海の中に見える島はネア・カメニ。大噴火のあと起きた別の噴火でできた火山島です。


フィラの街を海沿いに進んで行きます。この島に来て思ったのは、動物は放し飼いということ。だから犬が日陰を独占。散歩している犬もリードを着けてるのを見たことがありませんでした。イアには公共の?犬の餌場がありましたし。


また、基本的に石畳の街中は車両通行止めでゆったり散歩できます。乗り物はドンキー(ロバ)だけです。ただ、ドンキーが歩く道は糞だらけのところもあるので、それだけは閉口しました。

フィロステファニまでずっと上りなので、上からフィラの街を見下ろすことができます。ちょうど教会の鐘が10時を告げるところでした。


しばらく散歩道を行くと、フィロステファニの教会に出ます(本当は教会のところまでまっすぐ散歩道を行けるはずが、工事中で街なかをさまよいましたが)。


さらに登るとイメロヴィグリの街。


今回のルートの標高差はこんな感じ↓なのですが 4kmの手前にある一番高いところがイメロヴィグリの街です。


イメロヴィグリにあるスカロスは、13世紀には要塞と街があり、数百人が住んでいたと言われています。18世紀の噴火と地震によって要塞は放棄され、今は風化した痕跡が残るだけ。


このただの岩山を見ると、以下のスケッチが信じられないですよね。

Skaros Sketch (Thomas Hope).jpg
By Thomas Hope - http://www.travel-to-santorini.com/pages_images/568.jpg, Public Domain, Link

急な崖に張り付いた階段を50m近く下ります。


旦那が指差しているのは下からみたイメロヴィグリの街。まるでラピュタの世界。


スカロスは頂上まで登れるようなのですが、ご多分に漏れず整備された道ではなく危険と判断して裏側まで行って戻ってきました。


要塞の痕跡?


当たり前ですが、おりてきた道を登らねばなりません。日陰で休憩中。


イメロヴィグリの街は人も少なく静かで、高級リゾートが多いように思いました。こちらも綺麗な街。


イメロヴィグリの街を抜けると、いよいよハイキングの様相です。左奥に見える山、あの向こうが目的地のイア。町外れにちょっとしたカフェがあるので、そこで水を買い、コーラで休憩。街なかよりも高かった。フィラの街を抜けてしまうと水が手に入るのは、このカフェか、次の山の麓にあるミニショップのいずれかなので、必ず入手したほうが良いです。


最初の小さい丘を登ると、カルデラの反対側がよく見えます。下に見えるのが新しいと思われる道路。空港からイアに行くときはあの道を通りました。バイパスのように使われています。斜面の傾斜はきつく、この島の成り立ちを思い出させます。


カルデラ側は切り立った崖。この島は非常に面白い形状をしています。そして、火口らしく、崖の下に全く平たいところがありません。そのまま吸い込まれるように青い深い底へ向かっています。


要所要所に現れる教会はまるでセーブポイント。でもセーブポイントだけでショップはありません。


一旦下りです。最後の山が見えてきました。左上に白い教会が見えます。あれが今日の最後の峠です。


そして最後の上りへ。頂上には先程見えたセーブポイント(教会)が。


イアの街が見えてきました!


イアの街は結構広くて、街の外れにたどり着いてからも、我々の宿(岬側の端)まで2km近くあります。ここまで3時間強。たまたま同宿のお隣さんが同じルートを同じ日に歩いたそうですが、4時間以上かかったと言ってました。距離は13kmほどですが(スカロスに寄らなければ11km強くらいか)、アップダウンが激しいので、少し余裕を見たほうが良いです。海からの風は気持ち良いですが、日差しは非常に強く遮るものがほとんどないので、日が高くなる前に早めに出発することはもちろん、帽子、日焼け止め、水は必須。救助要請のためのつながる携帯、念の為軽食も持ったほうが良いかもしれません(私は朝食に出て食べきれなっかったパンと、機内食で出たオレオを持ってました)。ほぼ一本道で、途中にイアへの道標もあるので迷うことはないですが、地図も持ちましょう。履物は絶対に運動靴です。かなり道の悪いところもあります。


迷うことはありませんが、宿の人によると整備された道ではないので、危険な箇所もあるとのこと(確かにこれ崩れた跡だなと思われる箇所はあった)。歩く場合は自己責任で。

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