2020年雪見温泉旅-貝掛温泉


今年の雪見温泉は、新潟・貝掛温泉でした。場所はかぐらスキー場の先、苗場スキー場の手前ですが、どちらも中途半端に遠いためにスキー客はいるものの湯治客が主です。

越後湯沢駅から南越後観光バスで約20分。南越後観光バスはあの田中家が持つ越後交通の100%子会社ですが、バスは相当古いです。バスの色を見たとき東急バスそっくりだと思ったのですが、ネット情報によると実際に東急バスの中古車をお下がりにもらってる説がありました。その真偽はともかくとして、バスの古さは半端ないです。交通系ICカードなんていう21世紀の決済制度はもちろん使えません。それどころか、帰りに乗ったバスの運賃箱には両替可能紙幣として、1000円/500円札(!!)と書かれていました。ここだけ昭和のまま時が止まってます。500円札、今も本当に両替できるんだろうか...


国道にあるバス停から宿までは歩いて10分くらい。ただ雪の時期はあぶないので、送迎が基本です。途中にある清津川にかかるこの橋、これが落ちると正に吹雪の山荘で、おそらく出られなくなるのではと思います。この温泉の命綱であり、秘湯感に拍車をかける演出をしています。車1台がギリギリ通れる幅で、その手前も斜度10%は確実にあると思われる急斜面、かつガードレールなしの細い道。自家用車で来る場合はご注意を。


古くから一軒宿の温泉として営業している貝掛温泉は、目の温泉として有名。なので館内のあちこちに鎮座しているこいつが迎えてくれます。



泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物泉ですが、成分全体を総合すると、目薬のサンテCLと似てるんですって。 湧出量も多く、注ぎ口からじゃぶじゃぶ流れるお湯を目にかけてパチパチやると良いと言われて、お風呂入るたびにやってました。え、お湯を目にかけたら熱くない?と思われる方。大丈夫。温度は37度弱で、ほぼ体温と同じ。目にかけても全く染みないし、熱くないです。

つまり、とてもぬるいので内湯ならいつまでも入っていられるのですが(1時間くらい浮いてたかも)、露天風呂にするには低すぎる。内湯と露天風呂ともに加温した湯船もあって、最後はそちらに入ってあたたまるようにという説明がありました。その熱いお湯に入った後にぬる湯に入ると、まるで水のように感じます。冬はさすがの豪雪地帯で非常に風情がありますが、本来は夏の温泉ですね。昔は冬季は休業してたようです。

ただ、今年は例年以上に温暖な冬。新潟県の山間部でさえ雪が少なく、越後湯沢周辺のスキー場も、ほぼ営業はしていますが、コースによっては開けない箇所もあるみたいです。貝掛温泉周辺も、雪がないわけではないですが、写真で見る雪に埋もれた様子と比べると山肌が見えるところもあったりして雪が少ないですね。



奥に滝があるみたいなのですが、道は雪で塞がれて、一番近づけてこのくらいでした。


宿は建て増しを繰り返したと思われる複雑な構造をしています。斜面に作られているので、建物と建物のジョイント部分に不自然な段差があるのです。しかも場所によって天井の高さが違うので、ここから別の建物だなとわかります。でも全体的に湯治場の雰囲気を残しつつも、現代的な和モダン風を取り入れていて、特に不便は感じませんでした。カメムシが多いのには閉口でしたが。


この時計、飾りかと思ったら正しい時刻を指してました。
このレトロな電話機は、令和の硬貨で使えるはず。
お食事は、魚沼産コシヒカリを全面に出したメニューで、新潟のお食事はどこに行ってもおいしいという偏見をさらに強固にしました。特にお酒のおつまみにもできそうなちょっとした小皿がおいしい。


最後に出てきたのは、コシヒカリアイス。元祖浪花屋製菓の柿の種を耳に見立てたうさぎさん仕様。アイスなのですが、どことなくお米の香りがしておいしかったです。


というわけで、風呂に浮かんで食べるだけの自堕落雪見温泉旅は終了。今回は越後湯沢駅で行きも帰りも時間を取るという行程にして、行きも帰りも試飲で酔っ払いました。特にコイン3枚の越の鶴はよかったですよ。


あと、スタバはないのですが、コーヒーを飲むなら駅前の水屋さんおすすめです。ドラジャを使った温泉珈琲を出してくれます。


雪見温泉するなら、やはり確実なのは新潟の山間部ですね。こんな年でも雪があるし、なにより東京から近いのが楽でいいです。


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