早春の四万ブルーと積善館

 

ちょっと前に四万温泉を訪れました。そろそろ雪の季節も終了で、もう少しで春になりそうな奥四万湖は、不思議な青でした。強風の一日、関東平野の端に属する四万温泉側は晴れているのですが、山の中腹から向こうは雪。その境になった奥四万湖には虹がかかっていました。

この日の宿は積善館。古くからある旅館で、建物自体が県の重要文化財に指定されています。


四万川にかかる朱塗りの橋を渡って見える建物は本館。ここは湯治場の雰囲気を色濃く残す昔ながらの宿です。右の建物は2階から上は使っていないようですが、一番下の部分はお風呂。これがまた風情のある風呂です。あえて本館の夕食時間に行ってみたら、誰もいなくて快適でした。

少し上に見えるのが山荘。そしてその裏にあるのが佳松亭。山荘はやや古い建物ですが、佳松亭は近代的な旅館です。今回泊まったのは佳松亭。そちらにもお風呂があって、露天風呂が最高でした。

よく「千と千尋の神隠し」の油屋のモデルと言われているのですが、どうでしょうね。私はあまりそのイメージはなかったですが。

古い旅館の面白いところは、宿の増築によって複雑化・迷路化した館内ですよね。この宿もご多分に漏れずかなりな迷路。増築するに従って裏の山へと宿を広げたために、多階層に複雑化し、なかなかの面白さ。

中でもこの浪漫のトンネルと名付けられた本館と山荘をつなぐ通路。まさにトンネル。突き当りは山荘のエレベーターで、このエレベーターで山荘の2階まで上がります。佳松亭へはもう一度渡り廊下があり、さらにエレベーターを乗り換えて行くのです。


本館自体は本当に昔ながらの湯治宿。風情があっていいですが、やはり板張りなので、人の気配が気になるかも。トイレも共同ですし。そういう人は佳松亭がおすすめ。


橋の手前に積善館が作った「向新」という薬膳粥を出すお店が最近できたみたいで、お昼をいただいたのですが、旦那が気に入ったもので、翌日も行ってしまいました。頼んだのは南瓜粥。美味しかったです。


積善館の創設者の関さんは、下関と縁があるそうで、この時期積善館の佳松亭ではふぐ料理を出してくれます。久しぶりのふぐ三昧。もちろん皿が透けるてっちり出てきて気分上がりました。白子の白焼きと、唐揚げもお気に入り。

これで2人前!

あと、四万温泉には毎年大寒の日に解禁する「四万の一雫」という日本酒があるのです。やや甘口で飲みやすいお酒。外には出してなくて、四万温泉の旅館や料理屋などだけで飲むことができます。


今回の旅は行きも帰りも「特急草津」で。以前乗った「草津」は185系だったのですが、ちょっと前のリニューアルでE651系で運行されてます。私は常磐線沿い出身なので、群馬を走る「ひたち」の感じがなんか新鮮です。


今年は本格的な雪見シーズンに遠出ができなかったので、半雪見温泉になりましたが、まあ温泉入れたからよしとします。

もう少し暖かくなったら自転車で行ってみたいです。

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