初めての富士登山

富士山登りたいなあ、と思いつつここまで来てしまいましたが、年齢と体力を考えると、そろそろ行っておかないと一生登れないと思い、年明け早いうちにツアーを予約。山に登るだけなら2人でも多分行けると思うのですが、ペース配分とか、山小屋の予約とかなーんもわからないので、人任せにしようと思って。少人数制をうたう自遊舎さんにお願いしました。

ちょっと前に金時山に登りなんとなく登りのペースと必要な服装などをチェック。その後ももう1回くらい山に登っておこうかなと思ったのですが、天候と仕事の都合でなかなか行けず。若干準備不足のまま当日へ。

結構直前まで土日とも雨予報だったので、「山頂まで登れなかったら、リベンジかな」なんて思っていたのですが、、、

晴れました。


8:30頃の新幹線に乗って、待ち合わせ場所の三島駅へ。そこからバスに詰め込まれて富士宮五合目へ。南側は海から吹く湿気を含んだ風のせいで、夏の富士山の南側はいつも曇り、というイメージがありましたが、この日も五合目は雲の中でした。


以前自転車で富士山一周したときの「ハンドルさえ見えなくなるような濃霧」ってほどではなかったですが、まあこの五合目はいつもこんな感じだよね、という感じ。そしてバスを降りたら涼しいに違いない、と思いきやそうでもない。散々ツアー会社から「防寒具を持ってきてください、特に山頂は冬の気候」だとか、以前吉田口の五合目まで自転車で登ったときも、五合目は涼しかったなあという記憶があったのですが、やや当て外れです。旦那はノースリーブの上にパーカー羽織ってましたが、アームカバーだけでもよかったかもと言ってました。帰りのバスは三島のスーパー銭湯にも寄ると言われていたので、風呂用具と着替え一式はボストンバッグに入れて五合目のコインロッカーに預けました。1回600円。

12:00、五合目を出発しました。合計8人の仲間とともに、ガイドのTさんを先頭に登っていきます。

まずは20分程度で到着する6合目の宝永小屋で1時間ほどお昼兼高地順応。確かに2500m近い高所で、ちょっとした登りで息があがります。この頃から晴れ間がでて山頂が見えたりもしました。


再び登り始めましたが、やはり息が辛いです。徐々に慣れてきた新7合目。天気もころころ変わります。御来光館前で休憩しましたが、登山道の外は真っ白に。ちょっとポツポツ来始めたし、気温も若干下がってきたので、レインウェアを着たりしました。


その後休み休み行きましたが、やはり結構暑くて、旦那はレインウェアどころか、パーカーまで脱いで、ノースリーブ1枚になってました。ちなみにガイドさんは最後まで短パンでしたし、「こんなに気温が高いのは珍しい」と言ってましたから、良かったのか、悪かったのか。その後の雨はポツポツくることはあっても、ザーザーと降られることはなく、16:00頃元祖7合目の山口山荘に到着。しばらくしたら急に空が明るくなり、宝永山の方向に虹がかかるのが見えました。しかしこのあと山小屋の中で過ごしているときにザーザー降りになったらしく、ちょうど良い時間に着けたようです。


山小屋というものに初めて泊まりましたが、2段になった棚に2人で1枚分くらいの薄い布団を横に敷いて、一応1人分に当たる部分に竹竿が通っていて、カーテンというか布がぶら下がっている、というものでした。最初1人でカーテンぶら下げていたのですが、どうもせせこましいので、旦那と2人の間は開けて、隣の家族の間のカーテンを閉めてみるとまあ悪くなかったです。布団は寝袋でしたが、山小屋自体に暖房が入っているらしく、結構暑くて途中寝袋からもぞもぞ出て、寝袋の上に寝てました。一緒に登った人の中には「全然寝られなかった」と言っている人もいましたが、私は何しろ疲れていたので3時間くらいは気絶してたと思います。

夕食は17時半からで、カレー、中華丼、牛丼から選べました。私は定番のカレー、旦那は山小屋おすすめの中華丼にしましたが、塩気が効いて具だくさんの中華丼、ちょっと食べさせてもらったら美味しかったです。ご参考まで。

吉田ルートが弾丸登山できなくなったこともあり、今年は山頂付近の渋滞が読めない、ということもあって、0時出発。というわけで、18時半過ぎには就寝。

23時15分ごろ、モゾモゾ起きて、トイレに行ったり、準備をしたりして0時出発。23時半ごろトイレに出たときに人に会ったので思わず「おはようございます」と言ってしまいましたが、まだ日付も変わってないし。

夕方の雨はすぐに上がったらしく、登っているときは全く見えなかった富士宮市街の明かりがきれいに見えます。また空は満天の星。半月が出ていたので、星を見るのにはそれほど良いコンディションではありませんでしたが、一時休憩しているときにみんなでヘッドライトを消して空を見たら、天の川もきれいに見えましたし、さらに流れ星もいくつか見えました。


なんて優雅なことを言っていますが、寝不足な上に、真っ暗闇をヘッドライトを頼りに3000mを超える高所を登るというのは相当の苦行でした。酸素が足りないと脳が思っているのか、なんだかボーっとしてくるというか、ちょっと頭痛もあったのでバファリンを飲んでたのもあって、妙なハイ状態? あとで写真を見たら、五合目で撮った写真よりも、頂上で撮った写真のほうが何だか元気そうでした。とにかく数100メートルごとに休まないと息が持たない、という感じで、パーティの誰かが休みたいと言ってくれるのを幸いに、休み休み登りました。こういうところも2人だったら無理してしまっていたと思うので、ガイドさんや仲間がいてくれて良かったと思います。このときの服装は、カペルミュールのアームカバーつき夏用インナー(ラッシュガードつき)+ラファのサイクルジャージ、ちょっと厚めのモンベル登山ズボンに、上下セパレートのレインウェア。本当はモンベルの中厚手インナーも持っていったのですが、全く要らなかったです。

歩くこと3時間ちょっと。午前3:30頃山頂(奥宮)に到着。さすがに山頂は風もあって寒いので、レインウェアの下にカペルミュールの冬用ジャケットを着て、冬用手袋をしました。自転車用のウェア、トレッキングするときはいつもフル活用です。確かにじっとしてると寒くはありましたが、持っていたカイロを出すほどではなかったかな。


富士山火口周りの最高峰、剣ヶ峰へ最後の登り。少し、ではありますが、この登りが斜度が半端なくて一番つらかったかも。日の出前に剣ヶ峰の石碑の前で写真を一枚。この時間に撮っておいてよかったです。日の出後は写真待ちの大行列でした。


大勢が日の出を待っています。東側の吉田口の方には人が立っているのが櫛の歯のように見えますし、こちらも人でみっしりです。そして登山中も日本語よりも外国語のほうが普通に聞けた気がするぐらい、外国人が多かった。(同宿の人も台湾の人だった)



その後体力が残っている人だけでお鉢巡り。5人+ガイドさんでまわります。これもアップダウンが激しいかなと思いきや、意外とそうでもなかったですし、旦那は「お鉢巡りが一番よかった」と言うほど、素晴らしい景色でした。ガイドさんもめったに見ないというレベルの良い天候で、八神峰すべてがくっきり見えますし、周りの下界も完全に見えました。富士山が独立峰かつ最高峰というのがよく分かる、四方の山を見下ろす景色を堪能しました。遠くの山に囲まれた場所が、池のように雲海になっているのも見えましたし、何よりすごかったのが影富士。本当は影富士というのは雲海に映る富士山の影を指すのだそうですが、そもそも西側の平地が完全に見えて、そこにくっきり(ということは東側にも全く雲がないということ)富士山の影が出るというのは、相当めずらしいのではと思います。


浅間神社(久須志神社)の前まで来て、朝食タイム。山中湖、河口湖を下に見ながら朝ご飯というのもなかなか良いです。道志みちは雲海に覆われていました。

再び奥宮まで戻って、待っていた仲間と合流、最後にみんなで記念撮影して、今度は御殿場ルートを下っていきました。宝永火口の向こうには、伊豆半島、相模湾、房総半島、その間に伊豆大島がぽっかりと浮かんでいるのが見えます。富士山って相当遠くからみえますが、向こうから見えるということは、富士山頂に立てば逆も見えるってことですよね。当たり前なんですが、なんだかすごいなあと思います。

わかりにくいですが、正面が伊豆半島、左上側が相模湾、正面やや右に伊豆大島の頭が見えてます

行きと違い、ピーカンの下りはすぐに暑くなってきました。富士山は遮るものがないので風が強いらしいのですが、とにかく今回は風もほとんどなくて、天気もよくて、そういう意味では最高のコンディションではありました。ただ、逆に言うと運動するにはなかなかハードなコンディションでもあるということで。防寒に来ていたレインウェアを脱ぎ、冬用ジャケットを脱ぎ、9合目を過ぎる頃には、前日に富士宮口を出たときとほぼ同じ格好になっていました。

御殿場ルートにもいくつか山小屋がありますが、少ないです。9合目あたりに小屋跡がありましたが、生きているのは7合9勺の小屋までありません。富士宮ルートよりも長いし、登りだと相当つらいのではと思ってしまいました。

そこから少し下ると大砂走り。砂に覆われた下り道をざーざーと降りていきます。これ登るの無理でしょ、と思ってガイドさんに聞いてみたら、登りは別ルートがあるそうで。だよね...。宝永火山の火口に降りて、そのまま横へトラバースする感じで再び宝永小屋へ。

12:00頃、再び五合目に無事戻ってきました。

お天気に恵まれた富士登山、山にいるときは本当につらくて、これが最初で最後だと思いましたが、思い返すとまた登りたくなるのがヒルクライムと同じですかね。楽しかったです。

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