2月の連休でカンボジアのシェムリアップに行ってきました。実は2020年の年末に行こうと思って予約してたんですよね。コロナで行けなかったのです。というわけで4年ぶりのリベンジ。
1. カンボジアへ:入国と印象
2. 遺跡めぐり
3. 市街地散歩と食事
4. ネット事情とその他
🇰🇭カンボジアへ:入国と印象
東南アジアに行く時はほぼシンガポール航空。本数も多いし、価格も安くて私は好きです。チャンギ空港の乗り継ぎもとても便利。今回のルートは以下の通り。チャンギ空港はいずれもターミナル2出発・到着でしたが、Fゲート到着Eゲート出発で、やたらと歩かされました。
行き
羽田 22:55 → 5:15 シンガポール (SQ635)
シンガポール 8:40 → 9:45 シェムリアップ (SQ164)
帰り
シェムリアップ 16:40 → 20:05 シンガポール (SQ165)
シンガポール 22:45 → 翌6:20 羽田 (SQ636)
昨年まではもっと市街地に近い空港があったのですが、市街から車で1時間ほど西に中国資本の立派な空港ができました。以前は市街に近かったことで、世界遺産の遺跡の上を飛行機が飛び交っており問題になっていたのが移転の主な要因だとか。ただ、ガイドさんは以前の空港はフランスが作った空港で美しかったと言ってました。
カンボジアへの入国には、ビザ(観光ビザで30ドル)と、e-Arrivalという入国申請が必要です。後者は紙での入国カードはなく、全員オンラインでの申請が必要。ビザもオンラインでe-VISAが申請できます。いろいろ問題が...という話をみますけど、全然問題なかったですし、インターフェースなどはむしろ昨年やったインドネシアよりもちゃんとしているように思いました。数ドル取られるという手数料も取られず1件30ドルだけ。シンガポール航空のSQ164便の乗客は、ほぼほぼ西洋人でしたが、彼らもアライバルビザではなく、e-VISAを取っているようでした。大使館でビザを申請することもできるそうですが、オンラインでいいんじゃないかなーと思います。1ヶ月前から申請できるのですが、それでも3週間以上前に登録すると、「まだ時間があるから、もう少し待って」というアラートが出ます。ちょうど3週間前に処理中に変わり、その日のうちにメールで届きました。VISAは白黒でもいいから2枚印刷せよ、と書いてありますが、後述のe-Arrivalを読み込んだときにおそらくパスポート番号で紐づいたe-VISAがチェックできるらしく、折り畳まれたe-VISAをちらっと見ただけで(開きもせずに)返されました。帰りはe-VISAの写しを要求されることさえありませんでした。なお、e-VISAはネットで申請すると、登録、支払いレシート、ビザ承認の3回メールがきます。3通目にビザが添付されてますし、最初に来たメールの申請番号でWebサイトにログにすると、申請状況や発行後のe-VISAをダウンロードできます。
e-Arrivalは経由地でネットが入るならそこでやってもOKですが、やはり2,3日前からウェブサイトでも申請可能です。古いウェブサイトとかで、ビザの番号を入れるみたいな案内があるのですが、そんな項目はなかったです。QRコードは印刷や画面表示で問題はなく、入国審査でそれを見せます。
空港到着時に、ビザとe-Arrivalを持っているかを確認されますので、それぞれ見せればそのまま入国審査のところへ案内されます。質問もされずに指紋と写真を取られただけで、パスポートにシールを貼られて入国でした。なお、帰りの出国審査のBOXのところには「ここで支払いは発生しません」と、利用者に向けて英語でわざわざ書かれてて、今も袖の下を要求しようとする関係者がいるのかと思いました。
カンボジア上空を飛んでいて思ったのが、「え、もしや道路が舗装されてない?」でした。空港と街まで、そして街中の道路は異常に綺麗な舗装路なのですが、街をちょっと外れると、幹線道路以外は全て未舗装。赤土で固められた道路です。そして、ベトナムやタイと明らかに違うのは、バイクが少ない。というか、そもそも交通量が少なめ。だからなのか、それとも国民性なのか、彼らは全くクラクションを使いません。だからびっくりするほど静かです。夕方宿にいると、近くの学校から子供達の歓声だけが聞こえてました。
立派なホテルがあると大概外国資本です。学校も病院も立派な建物の多くがODAや外国による支援によるもので、庶民は高床式の古い建物に住んでいたりします。上下水道が整備されていないため、家には普通洗濯機はない、とガイドさんが言っていました。電気は水力発電ですが、全体を賄うことができずにラオスからも供給を受けているそうです。家にクーラーもなく、高床式の家は2階の床からハンモックが必ずと言っていいほどぶら下がっています。ホテルの部屋はちゃんとクーラーがついていましたが、フロント周りにはクーラーはなく(窓のないオープン式)、朝日を見に行くときにフロント前を通ったら、扇風機を当ててボーイさんが寝てました。なのに、郊外でも街中でも子供から大人まで、みんなスマホを持っています。ほぼ4Gが入り、速度も全く問題ありません。なんか水準的には戦後間もない日本なのに、なぜかスマホだけはある世界、という非常に面白い国です。同じ東南アジアの隣国、ベトナムやタイと比べると(文化的な類似点は多数見られるものの)発展途上国という印象を強く持ちました。
そんなカンボジアのシェムリアップは、多くの外国人を惹きつけます。その最たるものが、アンコール・ワットとその周辺にあるクメール王朝の遺跡です。このアンコール・ワットがもたらす莫大な外貨が時空を歪めているのだと私は思いました。
🇰🇭遺跡めぐり
というわけで、2日目はアンコール・トム、アンコール・ワットを満喫。
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アンコール・トム南大門
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南大門前の堀にかかる橋の欄干は、乳海撹拌を表す石像。こちらの左側は神、右側は阿修羅がナーガを引っ張る |
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バイロン寺院には塔の顔だけでなく、壁に描かれた物語もよく残る |
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タ・プロームはインドが支援をして復旧をしているが、置かれている重機には日本漢字が... |
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木の根が石と石の間に入り込み、それが元で回廊は崩れかけている |
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一方で、その根が全壊を食い止めているという説も... |
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広い遺跡群の中でもアンコール・ワットは別格 |
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春分・秋分の日にちょうど中央の塔に朝日が登るのだそう(意図的にそのように配置されている)。なお、正面が西向きなのはこの寺院だけ。乾季のこの時期は本当は水は枯れるのだけれど、写真映えのために水を入れているのだとか。 |
最初の門のところが第1回廊、さらに第2回廊を抜けると、高いところに第3回廊があります。最初の写真の塔の下あたりに見えるのがその回廊です。昔はこの階段をよじ登ったそうですよ。
今は、一応手すりのある階段が作られています。仏教の日は入れないので注意。月1回くらいあるようです。17時に閉まります。
第3回廊の中央から。中央の十字路に立ち、スマホのコンパスを出すと、正確に東西南北に合わせて建てられていることがわかります。正確な測量技術、そして芸術性の高い装飾。この寺院が建てられたのは日本だとちょうど平安の末期頃ですが、相当高い技術を持っていたことがわかります。しかし、このクメール王国が崩壊した後、カンボジアは長い暗黒の時代に入り、しかも歴史的な文書も残らずほとんどその後のことがわかっていないそうです。フランスから独立した後も長く続いた内戦と外国の侵略により、人は減り、土地も疲弊しましたが、ようやっと平和を取り戻しつつあるところです。カンボジアは日本と大きく違い、若い人が多く、これからの国という気がします。
翌日は郊外のベンメリア遺跡を訪れました。
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ナーガの欄干がよく残ります |
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やはりここも木と蟻によって崩壊が進んでいるそうです |
ここでもコンパスを持って回廊の中央に立つと、ちょうど東西南北に正確に合わせて配置されていることがわかります。遺跡の本来の目的もわからず、近年まで地雷の除去が行われていた遺跡は、まだ修復もままならない状況です。よくラピュタっぽいと言われるそうですが、確かに石に入り込む木の根のイメージがラピュタっぽい。
ヒンズー教と仏教が入り混じり、かつタイ・ベトナムとの交流・侵略の歴史があるカンボジアには、ベトナムっぽい風習(あちこちでベトナムでよく見た神棚を見た)もあれば、インドネシアで見たものに近くて遠いような舞踊も見ましたが、非常にカンボジア的というか、クメール的と言えるのかなと思ったのが、砂岩に描かれた精緻な紋様です。
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バイロン寺院の第一回廊には精緻な物語が描かれる |
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アンコール・ワットの第一回廊には天国と地獄が描かれる。写真は、いわゆる閻魔様が描かれた後に、審判を受けた人間が地獄に落ちるところ。すごくリアルな感じ。 |
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ベンメリア遺跡で発掘され、まだ戻されずに置かれている図。中央に描かれるのはクリシュナとみられ、カーリヤという蛇を退治した物語が描かれていると言われている。 |
蛇というか、ナーガは絶対に外せないモチーフ。残念ながら綺麗に残るものは少ないのですが、最初にみた時には八岐大蛇だなと思いました。仏陀はナーガに守られたそうで、カンボジアの仏像はトグロを巻く蛇の上に乗り、光背に当たる部分がナーガになっているものが特徴的。
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これは頭が5つですが、アンコール・ワットのものは7つあった |
もうひとつが乳海撹拌。ヒンズー教の天地創造の物語で、前述の通りアンコール・トムの欄干にそれをモチーフにした石像がありますし、アンコール・ワットの第1回廊の一面を使って描かれた乳海撹拌は圧巻。
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中央にヴィシュヌ神が描かれる |
🇰🇭市街地散歩と食べ物
シェムリアップの市街地は、全体的に舗装されてますし、お店もたくさんあります。シェムリアップ川沿いにあるオールドマーケットはいろんなお土産物が売ってますが、雰囲気は築地場外市場のイメージ。
食べ物は辛いものもありますが、スープ系は辛味はなく、あと野菜が美味しかった。ほぼ毎日、パパイヤサラダ食べたかも
宿の朝食で、卵料理の隣に、麺やスープのかやくを選べる場所があったのですが、カンボジアの朝食で麺はよく食べられるそうです。おそらく卵が練り込まれていると思われるきしめんっぽい麺、オールドマーケットで売ってるのを見たので、おそらく現地で食べられている麺だと思うのですが、なんという名前なのかわからなかった。(英語にしてしまうと、なんでもNoodleになっちゃうし...)
後、食後のデザートとして、タピオカミルク的なものがよく出されるのですが、タピオカ以外に入っているものがいろいろあって、面白いです。私はこれまた最終日の昼に食べたスイートコーンが入ったこちらが最もお気に入り
宿の近くは繁華街のど真ん中、という感じなのですが、近くにあるパブストリートは夜になると多くの人で賑わってました。Angkor Beerはどの店でも売ってますが、ガイドさん曰く地元民は飲まないとか(笑)
シェムリアップ川沿いには、夜は夥しい数の屋台が並びます。衛生的な観点から我々は見ただけ(ガイドさんにもカエルとか食べたいなら、レストランに行きなさいと言われました)、ですが、いろんな食べ物があって面白いです。カエルは大抵どこでも串に刺されて平たくなって焼かれたものが置いてあります。また、蚕の揚げたやつ見ましたよ...
🇰🇭ネット事情、その他 (ahamo便利です)
iPad miniの最新版がeSIM対応オンリーになったことをきっかけに、数ヶ月前からahamo(iPhone)+データプラス(iPad mini)にしたのですが、普段使っている30GB/月を、海外でも追加料金なくデータローミングで使えるのが非常に便利です。いままで海外に行くときはその国対応のeSIMを1GBプランとか購入して使っていたのですが、それだと乗り継ぎ空港(例えば今回の場合はシンガポール)では使えなかったんですよね。まあシンガポール・チャンギ空港の場合は無料WiFiもそれなりに使えますが、全く国境を感じないのがありがたいと思いました。eSIMは機器単位で購入しなければならないので、以前はiPadはiPhoneにテザリング状態でしたが、ahamo+データプラスの場合、iPadのほうもデータローミングが無料で使えます。もちろん他の端末とテザリングも可能。海外旅行に行く方はぜひ。ただ、通話は料金も高い上に着信料がかかるので要注意。
飛行時間的に変な時間に機内食出そうだなーと思う時、最近気に入ってるのがフルーツオンリーの特別食を事前選択すること。他にもベジタリアンとか、ハラールとか、シンガポール航空は選択肢多めです。24時間前までにオンラインで選択要です。しかも特別食は先に配布されるので、さっさと食べて寝られるのもGood。季節や便によってフルーツの種類が違うようです。今回HND-SINと、SIA-SINでも違ったので、全く同じフルーツの構成ってこともないのかも。
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