目次
1. オークランドまでの旅路と宿
2. ホビット村とワイトモ洞
3. 秋の味覚とオークランドの街
オークランドから車で約2時間くらいの広い牧場の一角にホビトン(映画セット)があります。敷地が広大で周りから見えないことや、撮影に必要な景色が全部そろってることから、理想に近いロケ地だったそうで、ここへセットを設置することを決定。撮影隊を入れるために、道路をつくる必要があり、監督自らニュージーランド政府とかけあって軍隊を貸してもらったのだとか。最初のロード・オブ・ザ・リングが撮影されたときは、本当に「セット」で、終了後は壊されることを前提に作られていた張りぼてだったそうですが、冬の間の取り壊し中止期間に牧場主の家族がちょっと案内をしてみたところ人気が出て、それならと次作の「ホビット」撮影の時はしっかりとした素材で外観は本物に近いホビット村をつくってしまったというのが、現在のホビトンです。
村の中は自由に歩くことはできません。受付でチケットを買い、10分置きに出るホビトンへのツアーバスで移動、そこから案内の人が当時の撮影秘話などを教えてくれながら歩いていくという感じです。10分置きと書きましたが、それでもあふれるくらい人がいるんです。毎回40人乗りの大型バスでツアーが出ていく感じ。世界中からこの過疎地域に人が来ています。でも年齢層はやや高めだったかな。ロード・オブ・ザ・リングの公開は2001年。既に四半世紀も前の作品で、映画としてはクラシックに分類されるのだと思います。とはいえ、その後もホビット3部作や、近年もネット配信で新作が出てるようなので、もっと若い人も来るようになるのかもしれません。いろいろよくできていて、実は本物に見える木が作り物だったりとか、ここからガンダルフとビルボが広場と夕日を眺めてたねえ(実際は東向きなので、見ていたのは夕日ではなく朝日だったのだとか)とか、ああ、この広場で誕生日パーティやってたねえとか。とにかく映画を見ていれば「ああ、ここ見たことある」というところが随所に出てくるので行かれる方は予習をしてから行くとよいです。『ロード・オブ・ザ・リング』だけでなく、『ホビット』も。
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| 映画が公開された時、左奥に見える山の形で地元の人は撮影場所がわかったのだとか。 |
我々はオークランド発着のツアーに乗ったのですが、そのツアーはホビトンとそこから1時間ほど先にあるワイトモ洞がセットになったツアーです。通常はワイトモ洞→ホビトンという流れらしいのですが、予約の関係で、先にホビトン、後にワイトモ洞というイレギュラールートでした。そのおかげで、ホビトンで羊が放される時間帯にあたり、丘を波のようになって降りてくる羊の群れを見ることができました。
ワイトモ洞は、もともとマオリ族の土地にあり、今も管理をしているのはその族長の子孫なのだそうです。地図作成のためにやってきた西洋人が族長を説得して川が潜り込んでいる洞窟の先を探検し、そこで大量の土ボタルを発見、観光に供しようとなったのが始まり。このあたりの土地は元々海底だったところが隆起してできた土地で、石灰岩で作られています。あちこちに鍾乳洞があるそうですが、ワイトモ洞はその中でも最も古くから営業されている老舗なのだとか。
芝に覆われたなだらかな丘が続く光景は、同じく石灰岩でできた台地、秋吉台を思わせます。ワイトモは鍾乳洞としてはそれほどではありません(いくつか別のルートもあるみたいなので、奥まで行くツアーだともっと立派な鍾乳洞なのかも)。日本ではもっとすごい観光鍾乳洞に3分の1の価格で入れます。ただ面白いなと思ったのは、石の白さ。日本の主要な鍾乳洞もあるいは海外でもいろいろな鍾乳洞を見ましたが、ここまで全体的に真っ白な鍾乳洞は、ちょっと記憶にありません。もう少し茶とか黄色っぽい色とか、いわゆる不純物の色が混じっているイメージがあるのですが、全体が漂白剤で洗ったかのような白さでした。そしてこの洞窟を特別たらしめているのは、何と言っても天の川のように天井を埋め尽くす土ボタル(ヒカリキノコバエというオーストラリアとニュージーランドに生息する昆虫の一種。洞窟で光るのはその幼虫)。一部近くで見られる場所があって、真っ暗にすると確かにLEDのような青い光が見え、電気をつけると土ボタルの幼虫がたらす糸がみっしり見えます。暗い洞窟で青い光に惹かれて飛んでくる虫をこのたらした糸でからめとって捕食するのだそうです。すごい進化ですね。最後はボートに乗り換えて洞窟の中の川を伝って外まで出ていくのですが、青い光が洞窟を照らす様は幻想的で、本当にきれいでした。写真不可なので、ぜひ実物を見に行ってください。
| ボートで右奥の洞窟から出てくる |
3. 秋の味覚とオークランドの街 へ続く






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