2017年5月27日

[自転車]能登の最先端を目指して (5) 禄剛崎から輪島へ

(4)から続く


「蜃気楼じゃないの?」と旦那が言ったくらい、海の向こうに見える立山連峰は幻想的でした。残念ながら山の形ではどれがどれか私にはわかりません。相当条件が良くないと山が見えることはないのでしょう。こういう展望広場にありがちな山の紹介パネルはありませんでした。(南方向なので、少なくとも午前中早い内でないと逆光で見えなくなるかも) この日は、地元の人にも「こんなに波が穏やかな日は珍しい、だから海の透明度も高いんだ」と言われるほどお天気もよく、そして暑すぎもせず、そのために靄ることもなく、遠望が効く日でした。

再び禄剛崎へ戻り、道の駅にあったバイクラックに自転車をあずけて禄剛崎へ登りました。


ここにも能登半島最先端のポールた立っています。最北端(ではない?)ではなく最先端というのが良いですよね。文字通り最先端。

ここには、こういう岬にありがちな距離標識がありました。


釜山くらいなら見えそうって思うくらい、青くて透明感のある空でした。

再び来た道を戻ります。なんとなくですが、行きは山の景色、帰りは海が広がる景色でした。どちらも良いです。あえて同じ道を行って帰ることにしたのは、距離の問題もありましたが、向いている方向が違うと全然違う景色が見られるだろうと思ったのも理由です。


木浦を過ぎて、再び椿展望台へ。お昼はここにある「つばき茶屋」でとりました。


お昼には少し早い時間だったのもあったのですが、「朝採れ刺身定食」に惹かれて二人でそれを頼んだら、「今さっき電話かかってきて、板前さんが魚持って上がってくるんで、少し時間かかりますけどいいですか?」と言われました。よく冗談で時間がかかる料理を「今、魚釣りに行ってるんだよ」とか言いますけど、本当に魚がこれから来るなんて初めて聞きました。美味しかったです。


国道に合流する少し前に、ゴジラ岩というのがあるのですが、行きはどれがゴジラなのかわからなかったのです。帰りは分かりました。これですね。手の感じがちょっとゴジラ?


国道に再び戻り、暫く行くと塩田が次々現れます。中でも「まれ」の撮影に使われた揚げ浜塩田は直ぐとなりに道の駅も出来て、完全に観光施設と化しています。先ほどの能登先端の地の道の駅にもバイクラックがありましたが、ここにもバイクラック。実は道路にも自転車の案内表示が少数ですがあるのです。石川県はいしかわ里山里海サイクリングルートを策定して、自転車を呼ぼうとはしているようです。塩田では塩ソフトをいただきました(写真は一口食べた後)。美味しかったです。


塩を煮詰める鍋は記念撮影スポットになってそう。


このすず塩田村で揚げ浜塩を買ってきたのですが、これが旨味があって美味しいんです。塩だけのおむすび作ってお弁当にしたら、とても美味しくてお気に入りです。ちなみにこの向かいにある駐車場に「ソルトパーク」という名前がついてます。この名前が妙にツボだったのは私だけでしょうか。ソルトパーク。こう言ってはなんですが、最先端といい、ソルトパークといい、ネーミングセンスが絶妙です。

再びトンネルを抜けて輪島市へ戻ってきました。窓岩の辺りに高校生っぽい子たちが大勢いました。みんな歩いています。そう言えば、行きに「チャレンジウォーク実施中」と書かれた看板を準備している男性に会い、挨拶をしました。もしかしたら何かイベントなのかなーと思っていたのですが、これがずっと続いてる。一体どこからどこまで歩くのでしょう。

答えはその日の夜に分かりました。夕食を食べたレストランで、お酒を出してくれたお兄さんとチャレンジウォークの話になり、実は輪島高校の年中行事のひとつで、一番長いコースは高校から窓岩まで往復歩くのだとか。えー片道だけで20kmはありますけど...

途切れ途切れに続く高校生の列を横目に再びアップダウンの続く道を走ります。行きは穏やかな海でしたが、少し波が出てきています。とはいえ、冬は波の花が名物の海としては、本当に珍しいくらい穏やかだそうで。


千枚田はチャレンジウォークのチェックポイントになっているようです。行きは人がほとんどいなかったのですが、帰りは高校生と観光客が溢れてました。

輪島へ到着。少し早く着いたので、街中の足湯で温まりました。この日は約100kmの行程でしたが、適度なアップダウンがあり、休憩所もありで、おすすめです。

(6)に続く

2017年5月24日

[自転車]能登の最先端をめざして(4) 輪島から金剛崎へ

(3)から続く

2日目は朝7時前に輪島の宿を出発しました。この日は能登半島の北を目指して東側の海岸線を行きます。

町を抜けるといきなりのアップダウン。そのアップダウンの先に現れるのが白米千枚田です。


千枚田と呼ばれる棚田は全国あちこちにありますが、細い階段状に田んぼが折り重なるように海へと連なるこの棚田は、衝撃的な風景ですよね。


さすがに耕作を続けるのは大変だそうで、今は田んぼのオーナー制度を導入し、個人なら1枚2万円で田んぼオーナーになることができるそうです。ちょうど前の週に田植えが終わったばかりのようでした。これは緑の稲がのびてからも、そして黄金色の時期も綺麗そうですよね。もちろん冬景色も。


やはりここからも海岸線沿いの道は厳しいです。登っては下りを繰り返します。


でも海もありえないくらい綺麗なんですよ。


しばらくすると、窓岩という真ん中に穴の空いた岩が見え、その先に曽々木海岸があります。ここまでが輪島。八世乃洞門新トンネルを抜けると珠洲市です。

この八世乃洞門には旧道があります。2007年の能登半島地震で奥能登は特に道路などのインフラに大きな被害が出ましたが、旧道にあった2本のトンネルのうち、珠洲側の旧・八世乃洞門もそのひとつ。入り口付近が岩盤崩壊し、3ヶ月も経ってようやく片側交互通行の仮復旧で通していたそうですが、2009年に現道である新トンネルが開通し、旧道は廃道となりました(今も崩壊寸前の旧洞門は何故か片側だけが施錠されていて、通り抜けはできないです)。

海沿いの道はここしかなく、もしこのトンネルが通過できないとなると、山側へかなり迂回しなければなりません。当時はさぞかし不便だっただろうと思います。

トンネルを抜けて振り返ると見えるのが、垂水の滝。ぱっと見問題なさそうな旧・八世乃洞門も見えます。


珠洲市に入ってからしばらく平坦な海沿いの道が続きます。大谷というところで国道と分かれて県道28号へ。そこに出て来るのがこの日一番の厳しい坂、椿展望台への登りです。


2kmで高低差100mと数字上は大したことはないのですが、その2kmの間に何故か微妙な下りが入っています。そのせいで最大斜度は11%、特に最後の1kmはずっと8%という変に厳しい道です。

登りきって若干下ったところが木浦。本当の木浦の町はずっと下のほうにありますが、国道沿いに展望台があり、青い海が一望できます。


いよいよ狼煙の町に入りました。「ようこそ奥能登最先端の町 狼煙へ」という看板が私はお気に入りです。文字通り最先端ですもんね。

さて、最先端の最先端の禄剛崎は一旦通り過ぎ、金剛崎へ向かいました。そちらにも展望台っぽいものがあるようだったからです。ここから再び登って、金剛崎の先端へ到着。なんか不思議なモニュメントがありました。


その向こうの崖下には宿泊施設があります。洞窟があり、そこへ入れたりする散策ルート(有料)もあるようです。この宿良さげですね。


先ほどのモニュメントに自転車かけて撮ろうかなんて言って、振り返りました。すると、向こう(南側)に凄いものが見えました。


(5)へ続く

2017年5月23日

[自転車]能登の最先端をめざして(3) 輪島という町


(2)から続く

輪島の中心地は河井町というところです。河井町は東側は川があり、ドラマでも有名になったいろは橋(上の写真)などがかかっています。その向こうは鳳至町。河井町には朝市や、飲み屋などが連なるお店、そして南の端に旧輪島駅があります。

宿は北の端、マリンタウンというところにありました。住所もその名のとおりマリンタウンです。ここだけ若干浮いてる感じのする場所でした。


後で調べたところマリンタウン自体が10年ほど前から浜を埋め立てて作られた新しい造成地だったようです。上の写真のように大型の客船が停泊できる岸壁があり、朝市を訪れる観光バスなどが駐車できる広い駐車場もあります。そして主に外国人観光客をあてこんで市が誘致したのが、今回宿泊したルートインでした。自家源泉を持つと書きましたが、建物はもっと古くて温泉は後付だろうと思っていたら、実際は地下深くから動力を使って温泉を汲み上げるのが流行り始めた頃に建てられたってことですね。

この古い町には居酒屋とかは結構多いのですが、営業時間はあまり長くありません。輪島の朝は早いのです。蕎麦屋なんて19時に閉まります。今回、2泊とも夕食を外に食べに行きましたが、お店を探すのには若干苦労しました。

ちなみに2日目の夜は、古民家を使ったフレンチレストランを予約してました。とても雰囲気がよく、かつお料理も美味しくてとても良かったです。メインのお肉も良かったのですが、特にホタルイカのリゾットが最高でした。


お酒も豊富で旦那がウイスキーを頼んだら、東京ではプレミアムがついてものすごい値段で取引されてる2世代以上前の旧ボトルマッカランが普通に(当時の値段で)出てきて目を剥いてました。席は基本個室タイプなのですが、隣の広い部屋に女性ばかりの賑やかな団体客がいました。お店の人によると輪島(河井町)には「御当(おとう)」という、祭りを仕切る当番があって、40歳になる男性(数え42の厄年の男性)が当たるんだそうです。そうすると毎晩飲み会兼会議みたいなのがあって、ほぼ家にいない。奥さんたちを宥めるために?その御当の奥さん方を労う会が開かれるのだとか。お祭りが町のコミュニティを維持するというのは(特に女性ではなく男性が参加させられる)、私の家自体が正にそういう下町にあるのでわかるのですが、なるほど輪島の景観が比較的維持されているのは、こういうところにあるのかもなと思いました。

マリンタウンには、新しいキリコ会館があります。大昔に輪島に来た時、古いキリコ会館に行きました。「こんなカッコ良い建物では絶対になかった」と思いましたが、この新しいキリコ会館は2015年に出来た新館です。平成に入ってから、輪島は試練の連続でした。長引く不況で観光客数は伸び悩み、ロシアタンカー重油流出事故(1997年)、能登半島地震(2007年)、東日本大震災(2011年)と、持ち直したかと思うと災難が降り掛かってきました。2015年の朝ドラ「まれ」の放送と北陸新幹線の開業は大きかったですが、今後も維持できるかどうか(まれの再放送はもうなさそうですし...)。そんな中で、観光施設の目玉でもあった旧キリコ会館は2012年に運営元が倒産し、キリコ会館だけを商工会議所が借り受けて営業してましたが、2015年に市が半分出資する団体が新館を建て管理運営することになりました。ちなみに旧キリコ会館は、今も廃墟となって町外れに建物が残ってました。


輪島温泉の源泉の隣に足湯があって誰でも無料で入れます。今は6:00-22:00に開けてるようですが、開館当初は24時間が売りだったのだとか。それが夜中に騒いだり、足湯なのに裸で入ったりする輩が出て、結局夜間は閉めることになったのが開館1ヶ月後。何もかもが紆余曲折あるのが輪島です。温泉分析表を見たところ、2号源泉と書いてありました。じゃあ1号は?と思っていたところ、そもそも1号源泉が施設老朽化で使えなくなったので、2号源泉が掘削されたのだとか。1号源泉は湯温が低かったそうですが、この源泉は高温泉です。成分表には飲湯の効能も書かれていたし、外の源泉に柄杓があった(写真右下)ので、少し飲んでみたところものすごく塩辛い。海の温泉ですね。実は輪島温泉郷は源泉を持つ宿は少なく、この2号源泉からタンクで配湯してもらっています(だから、一番必要なさげなビジネスホテルが源泉持ってるというのは、やっぱり面白い)。


そんな面白い輪島の町ですが、これだけの規模の町なのに、町並みが整っていて綺麗なのが良いです。今回、いわゆる外浦と言われる西側を中心に走りましたが、西側のほうが良かったな。

(4)に続く

2017年5月21日

[自転車]能登の最先端をめざして(2) 富来から輪島、あるいは「まれ」のオープニング?


(1)から続く

国道249号は、富来を出てからしばらく山の中を進みます。アップダウンを抜けて再び海に出ると、そこは輪島市門前町です。「門前」という地名が表すとおり、鎌倉時代創建の歴史を持つ総持寺の門前として栄えた町でした。かつて大本山だった総持寺は1898年に大火で伽藍の大部分を消失、大本山機能は1911年に横浜市鶴見区に移転してしまいましたが、今も総持寺祖院として残っており、国道の行き先表示にも「総持寺」として出てきます。この門前は地元の人と話していると「門前の」とか「門前から」とよく言及されるキースポットで、バスの行き先にもなっています。

さて、ようやく海岸線に出ましたが、今度は向かい風にやられ気味です。たまたま面白い岩が見えたのでちょっと休憩。写真を撮ったのが上の写真ですが、後でトトロ岩と名付けられてることを知りました。この先に妙に立派な集落が現れます。このあたりは江戸時代から廻船業が始まり、総持寺の御用も務めた廻船問屋が北前船を数十艘を持って活躍したそうです。看板によると天領だったと書かれています。今でこそ鉄道さえ廃止にされる過疎の地ですが、当時は幕府が直轄するほど交通(物流)の要衝だったということですよね。

海岸線を走るのはほんの少し。今度は総持寺に向かって少し登ります。その総持寺の近くにファミマを見つけました。お昼から20km走ったので休憩。今回、3日間走って思ったのは、能登ではコンビニと言えばファミマだということです。セブンはほとんど(全く)見ませんでした。石川県は元々サークルKの出店数が多かった県で、それが統合でファミマになり、今はファミマ天国になっているのですね。リンゴ酢を飲みながら川の向かいをぼーっと見ていると、中学校が見えました。随分高いところにあります。この辺の子供たちは、毎日あの坂を上り下りしているのでしょうか。強くなりそうです。

国道249号で見慣れない信号機を見ました。これ、豪雪地帯用に開発されたフラットタイプのLED信号機です。LEDは消費電力が少なく省エネという点では良いものの、同時に発熱量も小さいために、着雪で信号機が見えなくなることがあるそうです。結局面積(横幅)を小さくするのが一番ということで、薄型タイプが広まっているのだとか。おもちゃみたいです。


総持寺を抜けたところで県道38号へ逸れます。山を越えて(さらっと書いてますが、この山越えは結構辛かった)、少し下ったところにあるのが男女滝(なめたき)。この滝、某新聞に「夏には滑り台にして遊ぶ人も」って書いてあったんですが、本当ですか?


さらに下ると、海が見える水田に出ました。このあたりは狭い階段状の棚田が多いのですが、ここは一枚が広く比較的平板です。


海に出る直前に上大沢(かみおおざわ)という集落があるのですが、集落全体が間垣で完全に覆われて要塞のようです。この日も風はあったものの危険を感じるようなものではなく、むしろ気持ちのよいくらいの風でしたが、ここまでするからには特に冬は相当の風が吹くのだろうなと思います。


先ほどの海が見える田んぼはこの集落のすぐ上に、そして集落の先には入江があります。このあたりは海沿いの狭い平地に集落をつくり、人々は半農半漁の生活をして暮らしてきたそうです。特に上大沢は1960年まで徒歩でしかたどり着けない秘境で、そのせいか古い風習が今も生きており、この過疎の時代に明治から戸数が一貫して横ばいの奇跡の村と言われているのだとか。最初間垣に囲まれた村に「要塞」の印象を持ったのはあながち間違いではないのかも。


能登半島を走っていてずっと思ってたのですが、あえて観光用に作られたものではなく、昔からの生活の知恵や地域の特性として工夫され、そして今も使われているこうしたものが、美しい景観を作り出しているところが多くて良いです。自転車は高低差に敏感ということは何度も書いていますが、高低差だけでなく風や気温といった気候、山や海といった自然の地形に左右されやすい乗り物でもあります。何故ここに集落があるのかとか、何故間垣が作られているのかとか、自転車で走ってるからこそ見えるものもあるので、自然に従って作られた景観は面白く感じます。

県道38号は海沿いを走ります。半島の海沿いの道は絶対に平坦ではないというのは、自転車乗りなら誰でも知っているでしょう。ここも例外ではありません。いきなりの急坂にやられます。


登ったと思ったら、突き出た岬を迂回するためにまた下りです。


この岬を越えると次の集落大沢集落に出ます。ここはNHKの朝ドラ「まれ」のロケ地のひとつ。朝ドラフリークの旦那が「ここ見たことある」と言ってましたが、後で確認したところ確かにここで撮影されたそうで、放送時は臨時バスが出るほどの人気だったとか。写真は集落を過ぎて再び登った高台から。


上り下りを繰り返すこと数度、三ツ岩岬という岬を超えたところで振り返ると、その岬の上の平地に、なんと水田が作られています。ちょうど田植えをしているのでしょうか。おじさんが作業をしていました。今も使われているのです。


これもまた後で知ったのですが、この水田、「まれ」のオープニングや本編に出てくるそうですね。こんなところ見つけるのは、さすがNHK。

さらに上り下りを繰り返します。崖の下に見える海はどこまでも青く、吸い込まれそう。


ゾウゾウ鼻の展望台を過ぎると、あと少しです。この西保海岸と言われる海沿いの集落をつなぐ県道38号は、ひたすらアップダウンの続く非常に硬派な道路ですが、海はどこまでも美しく、そして眺めも素晴らしい道路でした。今は新緑とヤマフジがとても綺麗でしたが、地元のおばちゃんによると、秋の紅葉も素晴らしいそうです。


輪島到着。宿はルートインです。ビジネスホテルですが、自家源泉を持ってる面白いホテルです。朝市が近く、町の中央にあって便利なのと、何人か自転車の人が泊まってるブログがあったので、自転車に慣れてるだろうと思ったのもありました。別に自転車ウェルカムというわけではないのですが、玄関の風除室のところに自転車を置かせてもらえました。初日は我々だけでしたが、翌日は外に旅バイクがあったので、やっぱりサイクリストはそれなりに来てるのかも。

夕飯はつけていなかったので、町の中で適当に居酒屋を見つけて定食をいただきました。そこのおばちゃんに、いろいろ観光スポットを教えて貰ったり、そこでやはり「門前」という地名が出たり。地元の豆腐をいただいたのですが、これが美味しかった。昔は辛子を練り込んだものだったそうですが、辛子は好き嫌いあるので、最近は別に付けるのだとか。旦那はカワハギのぬか漬けを炙ったものがお気に入りで、おばちゃんの「朝市で売ってるかも」という言葉を頼りに最終日の朝探したのですが結局見つけられず。ふぐの卵巣のぬか漬け(ふぐの子ぬか漬け)はあったんですけどね。石川のアンテナショップとかに入ってるかしら。本日のおすすめ看板に「カレーの一夜干し」とあって、「1日経ったカレー?でも一夜干し?」と疑問に思ってたら、「カレイ」だったという、面白いおばちゃんの居る恐らく地元民用のお店でした。おばちゃんの訛に、旦那の出身地方の訛と類似するような気配がありました。「尾張の人間が(つまり利家が)入ってきてるからだろ」という旦那の弁ですが、どうなんでしょうね。あのゆったりした言葉は、良いですね。

いよいよ明日は、能登の最先端を目指します。

ここまでの1日目のルート


(3)へ続く

[自転車]能登の最先端をめざして(1) 羽咋健民自転車道で富来へ


能登は前から行きたいなと思ってたんですよね。大昔にほぼ一周したことがあるのですが、今度は自転車で。ただ、一周すると300kmあります。しかも能登半島は付け根のあたりまでしか電車が走っていません。輪行するならレンタカーを借りるかバスしかないのですが、バス便は非常に限られます。

いろいろ考えた結果、春の気候の良い時期に輪島に2泊して行けるところに行ってみることにしました。輪島までなら羽咋から西側の海岸線を行くことで大体90km。そこから禄剛崎まで片道50kmです。宿を一箇所にすることで、荷物は往復便が使えます。最終日は輪島から和倉温泉まで戻って輪行しようと思いました。

最近知ったのですが、石川県は雨の県って言われてるらしいですね。降水量は1位ではないものの、年間降水日数は174日(「統計でみる都道府県の姿2017」による)で全国1位。1年のうち、約半分は降水(降雪を含む)があるということです。対して快晴日数はなんと14日(ソースは同上)。快晴日数1位の埼玉県は55日ですから、いかに快晴の日が少ないかわかります。3日も自転車に乗る計画で大丈夫か(そしてエスケープルートは皆無に等しい)と心配していましたが、天気予報を見る限りは大丈夫そう。能登半島へレッツゴーです。

今年はGW中に出勤していたので、旦那の休みに合わせて5/18から連休で振替休日を取ってました。木曜日の初日は、始発の新幹線かがやきで金沢まで行き、そこから七尾線の特急能登かがり火号で羽咋へ。特急も指定席を取りましたが、自由席は誰もいませんでした。そして羽咋駅でほぼ全員降りました。平日ですからね。

羽咋は駅の海側(西側)に開けた街のようです。特急を降りた背広のおじさんたちは全員が西口へ吸い込まれていきましたが、我々は跨線橋を渡って敢えて東口へ。


東口のすぐ裏から、羽咋健民自転車道が走っているのです。


かつて羽咋駅から三明駅へとつながっていた北陸鉄道能登線の廃線跡を活用し、さらにそこから巌門までつなげた32.9kmの自転車道です。一部工事中だったり、歩道と併用されていたりする区間もありますが、私は面白いと思う自転車道でした。

路面はこのレベルが続いたり、続かなかったり...


広くなったところに売店があって、少し休憩。恐らくここは昔「滝駅」があった辺りと思われます。北陸鉄道能登線は沿線の過疎化が一因となって1972年に廃線になっているのですが、かつての駅の周辺は今も集落になっているので、自販機については心配不要です。


ここから次の柴崎駅まで線路は海沿いギリギリを進んでいたようです。この海沿いの道は気分上がります。こんな場所を本当に列車が走っていたのかと思うのですが、実際に昔の写真でこのあたりを写したものがありました。(参考: 地方私鉄1960年代の回想:北陸鉄道能登線4 能登の海を行く)


海にアクセス出来る場所もありますが、日本海に突き出た半島の形状と海流の関係で、砂浜には漂着物(つまりゴミ)が多いのもこの地域の特徴かも。


三明からは国道249号を逸れて山の中へ入ります。入り口には大きく「←自転車道」の看板があって迷うことはないのですが、これがなかなかスリリングな区間でした。途中までは地元の許可車が通るのか、轍もはっきりしていて悪くはなかったのですが、それも途中まで。そこからは松ぼっくりを避けるのに苦労しました。崖側にはかろうじて柵が作られていますが、その柵は腐食し横棒の多くが落ちています。そして最後の最後、本当は直線的に下るルートへ入るべきだったのかもしれませんが(案内なし)、道なりに行ったら階段が登場しました・・・。もう少し整備が必要かなという気はします。(それでも私は面白いと思いました)


ここからはしばらくエメラルドグリーンの海を左に眺める絶景区間。「地元民しか知らない」と書かれたパワースポットがあったり


ハワイと言っても騙せそうな蒼い海を眺めて走ります。


しばらく行くと富来の市街地に出ました。そろそろお昼。畜産会社直営の「てらおか風舎」でランチを食べました。平日限定ランチセットがありますが、東京の感覚で見ても値段は若干高め。ただ、ブランド和牛と思えば安いのかな。


牛も良いけど豚も美味しかったです。富来は比較的大きな町で、道の駅があったり、食堂も選択肢が多いのでこのあたりでお昼にするのはおすすめです。

そして海沿いには富来の名物、「世界一長いベンチ」があります。夜にニュースを見ていて知ったのですが、最近お色直しをしたみたいです。確かに長いわー。


ベンチは少し高いところにあり、そこからの眺めも最高なんですよ


さて、ここからは一般道路に入ります。ここまでもアップダウンは激しかったのですが、本番は実はこれからでした。 

(2)に続く